経口ブドウ糖負荷試験；75gOGTT は、糖尿病の診断に用いる検査です。
糖尿病の診断に必須の検査ではありません。誤解されやすい点です。
自覚症状などから明らかな高血糖が推測される場合には、まず空腹時血糖または随時血糖を測定します。
空腹時血糖は100mg/dL未満が正常
100～109mg/dLは正常高値
110mg/dL以上で高値です。
空腹時血糖値が110～125 mg/dL、随時血糖値が140～199mg/dL、HbA1cが6.0～6.4%の場合に75gOGTTが推奨されます。
糖尿病の前段階も発見することができるのが、経口糖負荷試験であり、早期発見にこそ意味があります。
糖尿尿の診断基準を満たしている人には必須ではありません。
空腹時血糖値が126mg/dLを超えている、または随時血糖値が200mg/dLを越えている場合です。
HbA1cが6.5%を超えている場合も、糖尿病の可能性が非常に高いので不要と考えます。
当院でのOGTTのやり方
① 前日の夕食後から絶食。
② 当日朝、来院後に採血（1回目）。
③ トレーランG（75gのブドウ糖の入った甘い炭酸水）を飲んでいただく。
④ 30分、60分、120分に採血（2,3,4回目）。
1回目の採血時にはIRI（immunoreactive insulin）：膵臓からのインスリン分泌も調べることで、
インスリン感受性 HOMA-IR （インスリンが身体にどのくらい効いているか）
インスリン分泌能 HOMA-β （膵臓からどのくらいインスリンが分泌されているか）
を評価して、インスリン分泌の悪いタイプの糖尿病か、インスリン抵抗性の強い糖尿病なのかを鑑別し、今後の治療方針に反映してまいります。
【細かな検査手順】
1.前夜から10時間以上絶食（飲水可）／ ただし、絶食は14時間以内とする。
2.翌朝9時頃に開始 ／ 空腹のまま採血する。
3.ブドウ糖液を飲用 ／ 飲み始めを0分とし、2～3分以内に飲む。
4.負荷後30分、60分と120分に採血
・検査終了まで喫煙、運動は控える。