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船橋市のしもやま内科では、日本甲状腺学会認定の甲状腺専門医が甲状腺疾患とめまいの関係について解説します。バセドウ病による動悸・頻脈、橋本病による低血圧・貧血、不整脈など、甲状腺機能異常がめまいを引き起こすメカニズムと、他のめまい疾患との鑑別ポイントを詳しく説明します。
甲状腺とめまいの関係
めまいは甲状腺疾患の症状のひとつとして現れることがあります。甲状腺ホルモンは心臓の働き・血圧・代謝・神経系など全身に影響を与えるため、甲状腺機能が亢進しても低下しても、めまいが生じる可能性があります。
ただし、めまいの原因は甲状腺疾患だけではありません。良性発作性頭位めまい症(BPPV)・メニエール病・起立性調節障害・不整脈など多岐にわたるため、適切な鑑別診断が重要です。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)とめまい
動悸・頻脈がめまいの原因に
バセドウ病では甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるため、心拍数が増加します(安静時でも100bpm以上になることがある)。この頻脈により以下のメカニズムでめまいが生じることがあります。
- 心拍出量の変動:急な頻脈により脳への血流が一過性に変動し、ふらつき・立ちくらみが出現する
- 不整脈の合併:バセドウ病では心房細動を合併することがあり、心房細動による血圧変動がめまいの原因となる
- 不安・自律神経症状:甲状腺ホルモン過剰による交感神経緊張状態がめまい感を増幅する
バセドウ病のその他の症状とめまい
バセドウ病では手指振戦・発汗過多・体重減少・イライラなども見られます。これらの症状を伴うめまいは、甲状腺機能亢進症が原因である可能性が考えられます。
甲状腺機能低下症(橋本病)とめまい
低血圧・貧血がめまいの原因に
橋本病(甲状腺機能低下症)では、代謝低下により以下のメカニズムでめまいが生じることがあります。
- 低血圧:心拍出量の低下や血管拡張により血圧が低下し、立ちくらみ・めまいが出現しやすくなる
- 貧血:甲状腺ホルモンは赤血球生成にも関与しており、機能低下時は貧血を合併しやすく、貧血によるめまい・倦怠感が出現する
- 徐脈:心拍数が低下し、脳への血流が不十分になることでめまい感が生じる
- 代謝低下による全身症状:疲労感・だるさ・体重増加・冷えなどを伴い、これらの症状がめまいの認識を強めることがある
甲状腺眼症によるめまいの誤認
甲状腺眼症(バセドウ病や橋本病に合併することがある)では、眼球突出・複視(物が二重に見える)・眼瞼後退などの症状が出現します。これらの症状により歩行時のバランス感覚が乱れ、めまいのような感覚を生じることがあります。実際のめまいではなく、視覚的な問題である可能性もあるため、眼科的な評価も含めた総合的な診断が重要です。
更年期との関連
40〜50代の女性では、更年期障害による自律神経の乱れがめまいの原因になることがあり、甲状腺疾患の症状と重なることがあります。ほてり・発汗・動悸・めまい・気分変動などは、甲状腺機能亢進症・甲状腺機能低下症・更年期障害のいずれでも起こり得る症状です。
このような場合は、血液検査(TSH・FT4・FSHなど)を行い、甲状腺異常か更年期が原因かを切り分けることがすすめられます。
詳しくは甲状腺と更年期症状のページもご参照ください。
他のめまいの原因との鑑別
めまいは甲状腺疾患以外にも多くの原因があります。以下のような疾患との鑑別が必要です。
| 疾患 | 特徴 | 甲状腺との関係 |
|---|---|---|
| 良性発作性頭位めまい症(BPPV) | 特定の頭位で回転性めまいが出現、数十秒で改善 | 直接的関係なし |
| メニエール病 | 回転性めまい+耳鳴り・難聴 | 直接的関係なし |
| 起立性調節障害 | 立ち上がり時のふらつき・立ちくらみ | 甲状腺機能低下症で悪化することがある |
| 不整脈(心房細動など) | 動悸と共にめまい・失神 | バセドウ病で合併リスク上昇 |
| 不安症・パニック障害 | 過呼吸・動悸と共にめまい | 甲状腺機能亢進症で類似症状が出やすい |
めまいが続く場合の検査の進め方
めまいが長期間続く場合、以下のようなステップで検査を進めることが一般的です。
1. 問診と身体診察
めまいの種類(回転性・浮遊感・立ちくらみ)、発症のタイミング、持続時間、随伴症状(動悸・耳鳴り・頭痛など)を詳しく確認します。甲状腺の触診や頸部聴診も行います。
2. 血液検査
甲状腺機能(TSH・FT4・FT3)をまず確認します。必要に応じて自己抗体(抗TPO抗体・TRAbなど)や貧血の有無もチェックします。
3. 甲状腺エコー検査
甲状腺の大きさ・血流・結節の有無を評価します。バセドウ病では血流が著明に増加し、橋本病では内部エコーが低下するという特徴的な所見が得られます。
4. 心電図・ホルター心電図
不整脈の有無を確認します。バセドウ病患者さんでは心房細動の合併に注意が必要です。
5. 必要に応じて専門科紹介
甲状腺疾患が原因ではないと判断された場合や、甲状腺疾患と他のめまい疾患が併存している場合は、耳鼻咽喉科(めまい専門)や循環器内科・脳神経内科への紹介を検討します。
よくある質問
めまいと甲状腺疾患はよくある組み合わせですか?
めまいは甲状腺疾患の症状として現れることがありますが、すべてのめまいが甲状腺由来というわけではありません。特にバセドウ病による頻脈や不整脈が関与するめまいは比較的よく見られます。めまいがあり甲状腺疾患の症状(動悸・体重変化・倦怠感など)も併せ持つ場合は、甲状腺の検査を受けることをおすすめします。
めまいがある場合、甲状腺の検査は必要ですか?
めまいの原因が特定できず、甲状腺疾患の症状(体重増減・疲労感・動悸・体温変化など)を併せ持つ場合は、甲状腺検査(TSH・FT4)を受けることをおすすめします。採血による甲状腺機能検査は比較的簡便で、原因のひとつを除外あるいは特定することができます。
甲状腺の治療でめまいは改善しますか?
めまいの原因が甲状腺機能異常によるものであれば、甲状腺機能を正常化することで改善が期待できます。バセドウ病の治療で甲状腺ホルモン値が正常化すれば動悸・頻脈が改善し、それに伴うめまいも軽減することが多いです。ただし、甲状腺治療のみでは改善しないめまいの場合は、他の原因の精査が必要です。
甲状腺機能が正常でもめまいは起こりますか?
はい。めまいの原因は多岐にわたるため、甲状腺機能が正常でもめまいは起こります。良性発作性頭位めまい症(BPPV)・メニエール病・起立性調節障害・不整脈・脳血管障害・不安症など、多くの原因が考えられます。甲状腺検査で異常がなければ、めまいの専門医(耳鼻咽喉科・脳神経内科など)の受診をご検討ください。
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最終更新日:2026-09-09
👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。