甲状腺手術後の低カルシウム対策|しびれ・こむら返りのセルフケア|船橋しもやま内科
「先生、甲状腺の手術をして2週間なんですが、手のひらがピリピリして、夜中に足がつるんです……」——先日、50代の女性患者さんが、術後の経過観察に来られました。甲状腺の手術後に起こる「低カルシウム血症」、これは副甲状腺に一時的な影響が出たために起こる症状です。
当院では、甲状腺手術後の患者さんの経過観察も行っています。低カルシウム血症の症状チェック、セルフケア、再診の目安についてご説明します。
低カルシウム血症とは
甲状腺の裏側には、カルシウムを調整する「副甲状腺」という小さな器官があります。甲状腺の手術(特に全摘術)の際に、副甲状腺に一時的な影響が出ると、カルシウムが下がりすぎることがあります。
「手術前に説明は受けてたんですが、実際になると不安ですね」——先日の患者さんは、そう言っていました。
主な症状チェック
- 手のひら・足の裏のしびれ(ピリピリ、チクチク感)
- 筋肉のつり(こむら返り、顔や手足の筋肉が硬くなる)
- 不安感、イライラ
- 動悸、めまい
「最初は『疲れからかな』と思ってたんですが、しびれが続くので心配になってきました」——先日の患者さんは、術後1週間で症状に気づき、早めに連絡してこられました。
セルフケアのポイント
1. カルシウムの補給
医師の指示に従って、カルシウム剤(炭酸カルシウムなど)を服用します。一般に、食後に服用すると吸収が良くなります。
「市販のカルシウムサプリでもいいですか?」——先日の患者さんはそう尋ねましたが、術後の低カルシウム血症は市販サプリだけでは足りないことが多いです。処方された薬を優先し、市販品を追加する場合は医師に相談してください。
2. ビタミンDの併用
カルシウムを吸収するにはビタミンDが必要です。活性型ビタミンD(アルファカルシドールなど)を処方されることがあります。「カルシウムとビタミンD、一緒に飲むようにしました」——先日の患者さんは、朝食後と夕食後に分けて服用していました。
3. 食事での工夫
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
- 小魚(いりこ、煮干し)
- 豆腐、厚揚げ
- 緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜)
「牛乳を毎朝飲むようにしたら、少し楽になった気がします」——先日の患者さんはそう話していました。
再診・受診の目安
以下の症状が出たら、すぐに受診または連絡を:
- しびれやつりが激しくなり、歩けなくなる
- 手指が硬直して動かせなくなる(テタニー)
- 胸のドキドキがひどい、意識が遠のく
「夜中に足がつって痛くて、歩けなかったんです」——このような場合は、救急外来を受診してください。
長期管理のコツ
多くの場合、低カルシウム血症は数週間〜数か月で副甲状腺の機能が回復し、改善します。ただし、回復までの間は、定期的に血液検査でカルシウム値を確認します。
- 週に1〜2回、カルシウム値を測定(術後早期)
- 症状が安定したら、2〜4週間に1回に間隔を延ばす
- 薬の減量は、医師の指示に従って行う