バセドウ病眼症の治療

04/01/2016

バセドウ病による眼の症状(甲状腺眼症)は、放置すると見た目の変化や視力低下を引き起こすことがあります。本記事では、禁煙を基本とした治療の流れや新薬テプロツムマブについて詳しく解説します。


バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の治療について

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)は、甲状腺ホルモンの異常とともに、目の突出やまぶたの腫れ、視野障害などを引き起こす疾患です。早期発見・治療が視機能を守るカギになります。

🚭 禁煙が治療の第一歩

まず最も重要なのは禁煙です。喫煙者では甲状腺眼症の進行・重症化リスクが高まることが知られており、治療効果を最大限に高めるには禁煙が必須です。

💉 一般的な治療の流れ

甲状腺眼症の治療方針は、症状の重症度炎症の活動性によって異なります。

  • 軽症例:安静、点眼薬による対症療法、眼瞼の保護
  • 活動性のある中等症以上ステロイド治療(点滴や内服)が標準的な初期治療です
  • 非活動期で後遺症が残る場合減圧術や眼筋手術、まぶたの整容手術などが検討されます

🧬 最新の治療:テッペーザ®(テプロツムマブ)

2024年11月に日本国内で発売されたテプロツムマブ(商品名:テッペーザ®)は、IGF-1受容体を標的とした分子標的薬です。米国では2020年に承認され、日本でも2024年9月に「活動性甲状腺眼症」を効能・効果として承認されました(製造販売元:アムジェン株式会社)。

✅ 特徴と適応

  • 従来のステロイド治療で効果不十分な症例にも有効
  • 外科手術を回避できる可能性がある
  • 投与は点滴静注(8回・3週間ごと)で行われます

重症の甲状腺眼症患者にとって、新たな選択肢となる薬剤です。

📞 甲状腺眼症の診断・治療をご希望の方へ

船橋市で甲状腺眼症の診療をご希望の方は、甲状腺専門医が在籍するしもやま内科へご相談ください。

🧑‍⚕️ この記事を書いた医師

監修医師:しもやま内科 院長 下山 立志(しもやま たつし)

  • 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
  • 日本糖尿病学会 専門医・指導医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本甲状腺学会 甲状腺専門医
  • 日本老年医学会 老年科専門医・指導医

甲状腺疾患・糖尿病・循環器疾患などの診療に長年携わり、地域に根ざしたかかりつけ医として活動しています。

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