
🔊 このページの要点
マウスピースは軽症〜中等症OSAやCPAPが合わない方に有効。医科で重症度を判定し、適応があれば連携歯科で作製・調整します。
要点まとめ
- 対象:軽症〜中等症OSA(目安 AHI 5〜<30)、CPAP困難例
- 前提:簡易検査等で重症度評価、顎関節・歯の状態を確認
- 不適:重症OSA/顎関節症/義歯多数/強い歯ぎしり等
- 保険適用:医科でOSA確定時は適用の可能性あり
- 流れ:医科評価→連携歯科紹介→作製→装着調整→経過フォロー
- 注意:顎関節痛・歯の違和感など。症状時は調整や中止を検討
睡眠時無呼吸症候群の治療でマウスピースが適している患者像
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)の治療でマウスピース(口腔内装置、OA: Oral Appliance)が適している患者は、以下のような特徴を持つ方です:
✅ マウスピースが適している患者の特徴
- 軽症〜中等症の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
- AHI(無呼吸低呼吸指数)が5〜30未満の範囲が対象になりやすい。
- 重症(AHI≧30)の場合は、まずCPAPが第一選択になりますが、CPAPが使用できない場合はマウスピースを検討することもあります。
- CPAP療法が困難または拒否された場合
- 不快感、騒音、持続的使用ができないなどの理由でCPAPを使用できない、続けられない患者。
- 顎の形態がマウスピース装着に適している
- 下顎を前方に誘導できる構造が必要なため、歯がしっかりしていて、顎関節に大きな問題がない人が望ましい。
- 肥満度が高くない
- BMIがそれほど高くない患者(肥満が原因の重度OSAには効果が限定的な場合が多い)。
- 閉塞部位が舌根や軟口蓋で、下顎前方移動で気道が広がるタイプ
- 気道閉塞の主な部位が、下顎の前方移動により改善するタイプの患者。
- 歯科的に問題がない(虫歯や歯周病が少ない)
- マウスピース装着には健康な歯と歯茎が必要です。
❌ マウスピースが適していない例
- 重症のOSAで、CPAPのほうが明らかに有効な場合
- 顎関節症がある
- 十分な歯が残っていない(義歯使用など)
- 顎の前方移動で気道が広がらないタイプの閉塞
- 強い歯ぎしりや歯周病がある場合(悪化させる可能性あり)
マウスピース作成が必要な場合は、専門の医療機関にご紹介いたします。
🛌 よくあるご質問(マウスピースと睡眠時無呼吸症候群)
Q. いびきがあるだけでもマウスピースは作れますか?
はい、いびきだけでも対応できるケースはあります。ただし、医科的な評価(簡易検査など)を行い、無呼吸の有無や重症度を確認することが前提です。
Q. マウスピース治療は保険適用ですか?
医科での診断により睡眠時無呼吸症候群(OSA)と確定された場合は、保険適用となる可能性があります。歯科での作製費用については医療機関により異なります。
Q. マウスピースはどこで作ってもらえますか?
しもやま内科では、必要に応じて連携歯科医院をご紹介いたします。まずは当院で検査・診断をお受けください。
Q. CPAPとマウスピース、どちらが効果的ですか?
中等症〜重症の無呼吸にはCPAPが第一選択となります。
ただし、軽症例やCPAPが使えない方にはマウスピースが有効な選択肢となることがあります。
Q. マウスピース治療の副作用はありますか?
まれに顎関節の痛みや歯の違和感が出ることがあります。調整や中止により改善することが多いため、医療機関での経過観察が重要です。
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👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療を含め、総合内科医として地域の皆様の健康を支える医療を提供しています。
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療を含め、総合内科医として地域の皆様の健康を支える医療を提供しています。