健診で腎機能が気になると言われた方へ|eGFR・クレアチニンの見方と安心のポイント

🔊 このページの要点

健診で「腎機能が少し悪い」と言われても、あわてる必要はありません。eGFRが60台でも、クレアチニンや尿検査の結果を合わせて評価すると
直ちに腎臓病とは限らないケースが多くあります。まずは再確認と生活習慣の見直しから進めましょう。

健診でeGFR60と指摘され不安な方へ、腎機能は慌てず評価をと医師が説明するイメージ
eGFRが60でも、適切な再評価とフォローで安心できるケースが多いことを示すイメージ

🪚 「腎機能が少し悪い」と言われて不安な方へ

健康診断で「腎機能が少し悪いですね」と言われる背景には、
血清クレアチニン(Cr)推算糸球体濾過量(eGFR) が基準からやや外れていた事実があります。
ただし、1回の数値だけでは確定診断はできません。体格や年齢、脱水、採血のタイミングなども影響します。

💡 「少し悪い」とは具体的に?

健診の所見は「病気の確定」ではなく、要注意項目の抽出が目的です。
eGFRが60前後でも、尿所見(尿たんぱく・潜血)や血圧・血糖が安定していれば、経過観察の対象となることが少なくありません。

📊 クレアチニンとeGFRは何を示す?

  • クレアチニン(Cr):筋肉の代謝産物。筋肉量が多いと高めに出ます。
  • eGFR:年齢・性別・Cr値から腎臓のろ過機能を推定した指標です。

例:40歳女性でCr 0.8、eGFR約60 は臨床で比較的よく見られる範囲です。尿たんぱく陰性・血圧安定なら、まずは継続観察で十分な場合があります。

🧠 なぜ「Cr高値」が怖く感じるのか?

検査票の「H(高値)」表示は不安をあおりがちですが、病気の確定ではありません
健診はスクリーニング(ふるい分け)です。再検査と総合評価が次の一歩です。

🔍 腎臓専門医の受診が必要な目安

  • 尿たんぱく陽性(特に持続する場合)
  • 血尿が持続する
  • eGFRが45未満に低下している
  • 腎エコーで構造的な異常を指摘された

しもやま内科では、必要に応じて船橋市立医療センター 腎臓内科と連携し、専門的な検査・加療にスムーズに繋げます。

🌱 軽度の変化は生活習慣の見直しから

  • 減塩:1日6g未満を目安に。外食・加工品は表示を確認。
  • 水分補給:1日1.2〜1.5Lを目安(心不全・腎不全治療中の方は個別調整)。
  • 有酸素運動:可能な範囲で継続。体重・血圧の安定に寄与します。

Crが0.8程度で、尿たんぱく陰性・血圧安定なら、「怖がりすぎず、定期的な確認」が基本方針です。

🔎 尿Na/K比(尿ナトカリ比)で減塩を“見える化”
食塩とカリウムのバランスを 尿Na/K比 で手軽に数値化し、改善効果をフォローできます。
目標は2未満(まずは4未満を現実的な目安に)。

❓ よくあるご質問(FAQ)

eGFRが60と言われましたが、腎臓が悪いのでしょうか?

eGFR60前後は「軽度の腎機能低下」とされることがありますが、体格や脱水で一時的に下がることも。直ちに深刻とは限りません。継続的なフォローが大切です。

eGFRが60だと腎不全や透析の心配はありますか?

eGFR60台(CKDステージ2〜3a相当)は多くの方で安定します。定期検査と生活習慣の見直しで進行リスクは抑えられます。

クレアチニンは正常なのにeGFRが低いのはなぜ?

eGFRは年齢・性別・体格を加味して算出されます。高齢・筋肉量が少ない方では、Crが正常でもeGFRが低めに出ることがあります。

健診で低めだっただけでも受診すべき?

まずはかかりつけ医での再評価をおすすめします。必要に応じて採血・尿検査や腎エコー、専門医紹介まで当院でサポートします。

食事で気をつけることは?

過剰な塩分やたんぱく質は控えめに。持病や薬の状況で適量が変わるため、個別の指導が安心です。

🏥 船橋市での腎機能チェック・ご相談

しもやま内科では、血液・尿検査による腎機能評価、生活指導、必要時の専門医連携まで一貫して対応します。まずはお気軽にご相談ください。

📌 このページの要点まとめ

  • eGFR60台=即腎不全ではない。一度の数値で判断せず継続確認を。
  • 尿たんぱく陰性・血圧安定なら、経過観察でよいケースが多い。
  • 再評価:採血・尿検査・必要時の腎エコー。生活習慣(減塩・水分・運動)も要点。
  • 専門医の受診目安:尿たんぱく/血尿持続、eGFR<45、腎エコー異常

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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本老年医学会 老年病専門医・指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医腎機能の早期異常に対する再評価・生活指導の実績が多数。必要時は腎臓内科と連携し、適切な検査・治療に繋げます。

健診で腎機能の異常を指摘された方へ まずは一度ご相談ください。


📞 047-467-5500

05/08/2025