橋本病と妊娠・出産|妊娠希望・妊娠中・授乳中の不安に専門医が解説|船橋市の甲状腺専門医

🔊 このページの要点

橋本病がある方が、結婚や妊娠を考えるとき、甲状腺機能の異常がどのような影響を与えるかご存じですか?

このページでは、妊活や妊娠中、そして育児期における甲状腺の役割や、注意すべきポイントについて、わかりやすく解説しています。

【橋本病と妊娠・出産、授乳期の関係をわかりやすく解説】
妊娠を希望している方、妊娠中・授乳中の方の中には、「甲状腺機能が気になる」「TSHが高いと言われた」「橋本病でも妊娠できる?」といった不安を抱える方が少なくありません。このページでは、妊活中から出産・授乳期までの甲状腺との関わりについて、TSH管理の目安・妊娠率への影響・赤ちゃんへの影響・検査タイミングなどを専門医が丁寧にご説明しています。
妊娠に向けて甲状腺をチェックしたい方や、橋本病と診断されて不安な方は、ぜひ参考にしてください。

🚶‍♀️ 結婚や妊娠を考え始めた方へ

結婚や妊娠、いわゆる妊活を意識し始めたタイミングで、初めて甲状腺の血液検査を受け、「甲状腺機能の異常」や「TSH(甲状腺刺激ホルモン)の高値」を指摘され、不安を感じる方が増えています。特に橋本病や甲状腺機能低下症と診断されると、「妊娠できるのか」「胎児に影響はあるのか」など、多くの疑問や心配が生まれます。

このページでは、「甲状腺ホルモンの働きが、妊娠のしやすさや出産・授乳にどう関わるのか」「TSH値が妊娠率や胎児の発育に与える影響はどの程度なのか」など、妊娠前から妊娠初期・出産後までのポイントをわかりやすく解説します。

また、将来の妊娠や出産に備えた検査のタイミング、治療の必要性、妊娠中や授乳中のホルモン管理、さらには産後に注意したい「産後甲状腺炎」まで、段階ごとに丁寧にご紹介します。

橋本病と妊娠・出産に関する情報|しもやま内科

🤰 橋本病と妊娠の関係とは?

橋本病は自己免疫性の甲状腺疾患で、多くは甲状腺機能低下症を引き起こします。妊娠を希望する女性にとって、甲状腺ホルモンは排卵や着床、胎児の発育に重要な役割を果たすため、橋本病の管理は極めて大切です。

特に妊娠初期は、胎児の甲状腺が未発達であるため、母体からの甲状腺ホルモンが唯一の供給源となります。母体のホルモンが不足すると、流産や胎児の神経発達への影響も懸念されます。

📊 妊娠前にチェックすべき項目

  • 甲状腺機能(TSH, FT4):TSHが高値(2.5μIU/mL以上)の場合、妊娠への影響が示唆されるため、事前に調整が望まれます。
  • 甲状腺自己抗体(TPOAb, TgAb):抗体陽性の方は、流産や早産のリスクが高まる可能性があると報告されています。

当院では、妊娠前の段階から甲状腺のスクリーニングを推奨しています。

🩺 妊娠中の管理と注意点

妊娠中はホルモンバランスが変化し、甲状腺機能も影響を受けやすくなります。TSHの目標値はトリメスター(妊娠週数)ごとに異なりますが、妊娠初期は2.5未満を目安とするのが一般的です(日本甲状腺学会ガイドライン2024参照)。

妊娠中の定期的な採血(4~6週ごと)が必要となり、甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン)の投与量も調整されます。

👶 授乳中の対応について

授乳中のレボチロキシン(チラーヂンS)は母乳への影響はほとんどなく、継続服用して問題ありません。ただし、産後はホルモンの変動が大きいため、改めて採血による評価が必要です。

橋本病の方の中には、出産後に産後甲状腺炎(無痛性甲状腺炎)を発症するケースもあり、症状に応じた診察が求められます。

🏥 当院での取り組み

しもやま内科では、甲状腺専門医が妊娠前から産後まで一貫した管理を行っています。婦人科と連携しながら、安心して妊娠・出産を迎えられるようサポートします。

  • 妊娠前の甲状腺機能チェック
  • 妊娠中のTSH管理と薬剤調整
  • 産後の再評価と再発予防

「妊娠しても大丈夫なのか不安」「薬は継続してよいのか知りたい」など、些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。

❓ よくあるご質問(FAQ)

橋本病があっても妊娠できますか?

はい、多くの方が妊娠・出産されています。ただし、甲状腺ホルモンの分泌が低下していると排卵障害や着床不全につながる可能性があるため、事前のホルモン調整が重要です。

妊娠希望の段階でTSHはどの程度を目指すべきですか?

一般にTSHは2.5μIU/mL未満が推奨されています(日本甲状腺学会ガイドライン)。当院ではFT4とのバランスも含めて評価し、必要に応じてチラーヂンSを調整します。

妊娠中にチラーヂンS(レボチロキシン)は飲み続けて大丈夫ですか?

はい、チラーヂンSは胎児に安全とされており、むしろ中止するとホルモン不足が胎児に悪影響を及ぼすため、適切な投与を続けることが重要です。

授乳中も治療を続けるべきでしょうか?

授乳中も治療は継続可能です。チラーヂンSは母乳中にわずかに移行するものの、臨床的に問題となることはほとんどありません。自己判断での中断は避けましょう。

出産後に甲状腺の状態が変化することはありますか?

はい、「産後甲状腺炎(無痛性甲状腺炎)」を発症する方もいます。出産後も甲状腺機能を定期的にチェックし、必要に応じて治療を見直すことが大切です。

👶 妊娠中・妊娠希望の方で橋本病に不安がある方へ

しもやま内科では、妊娠を希望される方や妊娠中・授乳中の橋本病の方に対して、専門的な甲状腺ホルモン管理を行っています。お気軽にご相談ください。


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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

22/07/2025