睡眠時無呼吸(SAS):妊娠中の検査とCPAP導入(産婦人科医向け初期対応)

このページの要点

  • 妊娠中のいびき・日中の眠気・高血圧は、睡眠時無呼吸(SAS)が背景にあることがあります。
  • 初期対応は「ハイリスクの拾い上げ」→「簡易検査」→「必要時CPAP導入」の流れを短時間で判断することです。
  • 紹介時に共有してほしい情報(症状・BMI・血圧・合併症)をチェックリスト化します。

本ページは、産婦人科外来で睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる妊婦さんに対して、
「まず何を確認し、どのタイミングで検査・CPAP導入の連携をするか」を整理した初期対応メモです。


1. まず疑う場面(妊娠中に増える相談)

  • 妊娠前はなかったいびき/家族からの無呼吸の指摘
  • 日中の強い眠気、朝の頭痛、熟眠感の欠如
  • 血圧が上がってきた、降圧でコントロールしにくい
  • 肥満(妊娠前BMI高値)、急な体重増加
  • 妊娠糖尿病(GDM)や既存糖尿病を合併

妊娠に伴う体重増加や上気道の浮腫により、SASが顕在化することがあります。
特に高血圧・GDM・肥満がある場合は、積極的な評価が有用です。


2. 外来で最初に確認すること(短時間でのスクリーニング)

① 症状と状況

  • いびき、無呼吸の目撃、夜間の息苦しさ
  • 日中の眠気(運転時の眠気、居眠り)
  • 朝の頭痛、起床時の口渇

② リスク因子

  • 妊娠前BMI、現在体重(増加ペース)
  • 高血圧(HDP/PEのリスク)、GDM/糖尿病
  • 甲状腺機能低下症など、眠気の鑑別に必要な合併症

※ 妊娠中は眠気が「妊娠だから」と見過ごされやすい一方で、運転リスク
高血圧の悪化につながることがあります。


3. 検査の基本方針(産科外来で迷わないための流れ)

  1. ハイリスクの拾い上げ(症状+肥満/高血圧/GDMなど)
  2. 簡易検査(自宅での睡眠検査:PG等)でスクリーニング
  3. 結果が重症域/症状が強い/判定が不十分 → 精密検査(PSG)を検討
  4. SASが確認され、治療適応があればCPAP導入

妊娠中は通院負担が大きいため、まずは自宅でできる簡易検査から開始するのが実務的です。


4. 「同日相談」や早期連携を考える赤旗(red flags)

  • 日中の眠気が強く、運転や仕事で居眠りがある
  • 高血圧が急に悪化、またはHDP/PEが疑われる
  • 夜間の呼吸苦・起坐呼吸、SpO2低下が疑われる
  • 重度肥満や既往に心疾患があり、周産期リスクが高い

5. CPAP導入を検討する目安(産科としての紹介判断)

CPAPの適応判断は検査結果(重症度)と症状で決まります。産科外来としては、
「治療が必要になりそうな時点で早めに内科へ紹介」が最もスムーズです。

  • 簡易検査でSASが疑われ、症状が強い(眠気・頭痛・血圧悪化など)
  • 妊娠高血圧やGDMなどの合併があり、全身管理が必要
  • 精密検査(PSG)が必要な判定・結果が不十分

6. 患者さんへの説明(不安を煽らない一言)

  • 「妊娠中はいびきが増えることがありますが、無呼吸があると血圧などに影響することがあります」
  • 「まずは自宅でできる簡単な検査で確認し、必要なら治療につなげます」
  • 「治療は赤ちゃんのためというより、お母さんの体を安全に保つ目的で行います」

7. 紹介時に共有していただきたい情報(チェックリスト)

  • 妊娠週数/分娩予定日
  • 主訴(いびき、無呼吸の指摘、眠気、朝の頭痛など)
  • 妊娠前BMI/現在体重、体重増加ペース
  • 血圧推移(家庭血圧があれば)
  • 合併症(HDP/PE、GDM/糖尿病、心疾患、甲状腺機能低下症など)
  • 内服薬・アレルギー

❓ よくある質問(FAQ)

Q.
妊娠中にSASを疑うべきサインは?

妊娠前はなかったいびき、家族からの無呼吸の指摘、日中の強い眠気、朝の頭痛、熟眠感の欠如に加え、
高血圧や肥満、妊娠糖尿病を伴う場合はSASを積極的に疑います。
Q.
産科外来で最初に行う評価は?

症状(いびき・無呼吸目撃・眠気・頭痛)とリスク因子(妊娠前BMI、体重増加、血圧、GDM/糖尿病など)を確認し、
必要に応じて自宅で行える簡易検査を手配します。
Q.
簡易検査から精密検査(PSG)へ進む目安は?

簡易検査で重症が疑われる場合、症状が強い場合(眠気による運転リスクなど)、判定が不十分な場合は
精密検査(PSG)を検討し、治療適応の判断につなげます。
Q.
どの時点で内科へ紹介するとスムーズですか?

簡易検査でSASが疑われ症状が強い場合、高血圧やGDMなど合併症があり全身管理が必要な場合、
PSGやCPAP導入が必要になりそうな時点で早めに紹介すると連携が円滑です。

※本FAQは、ページ内に表示される内容と整合する範囲で更新してください(FAQ構造化データも同内容に合わせます)。

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