妊娠高血圧症候群(PE):内科連携の判断ポイント

このページの要点

  • 妊娠高血圧(PE/HDP)が疑われたら、まず「重症所見の有無」と「臓器障害」を短時間で評価します。
  • 同日連携(紹介・搬送)を要する“赤旗”を明確化し、外来で迷わない判断軸を整理します。
  • 紹介時に共有してほしい情報(血圧推移・蛋白尿・採血)をチェックリスト化します。

本ページは、産婦人科外来で妊娠高血圧症候群(HDP)のうち、特にPE(preeclampsia)が疑われる状況に遭遇した際に、
「外来でまず何を確認し、どの時点で内科(循環器・腎臓・総合内科)と連携するか」に特化した初期対応メモです。


1. まず最初に確認すること(外来の初動)

① 血圧と症状(重症所見のスクリーニング)

  • 血圧:可能なら複数回測定(安静後の再測定)
  • 症状:強い頭痛、視覚障害(チカチカ/ぼやけ)、上腹部痛/右季肋部痛、息切れ・胸部症状、意識変容
  • 浮腫の増悪、急な体重増加(参考)

② 尿と採血(臓器障害の把握)

  • 尿:蛋白尿(定性/定量が可能なら)
  • 採血:血小板、肝酵素(AST/ALT)、腎機能(Cr)、必要に応じて尿酸・LDH

外来で最も重要なのは、診断名よりも「いま危険な状態かどうか」の見極めです。


2. 同日対応(紹介・搬送)を考える“赤旗(red flags)”

以下は同日連携(高次施設・救急搬送を含む)を強く考える所見です。

  • 著明な高血圧(重症域)または反復して高い
  • 神経症状:持続する強い頭痛、視覚症状、意識変容、けいれん疑い
  • 呼吸器症状:呼吸困難、SpO2低下、肺水腫疑い
  • 上腹部痛/右季肋部痛(肝障害・HELLP疑い)
  • 血小板低下、肝酵素上昇、Cr上昇など臓器障害を示唆
  • 胎児機能不全や母体・胎児の安全に関わる所見が疑われる

※数値の最終判断は各施設の基準に従いますが、「症状+臓器障害」が揃う場合は、
外来で抱えず早期に連携する方が安全です。


3. 「内科連携」を早めに入れるべき場面(搬送ではないが紹介を急ぐ)

  • 血圧が高値で推移し、家庭血圧も含めて評価が必要
  • 蛋白尿や腎機能の変化があり、腎障害の評価が必要
  • 糖尿病・甲状腺疾患・心疾患など合併症があり、全身管理が複雑
  • 降圧治療の適否や薬剤調整を含め、併診が望ましい

4. 外来で患者さんに伝える一言(不安を煽らない説明)

  • 「妊娠中は血圧が変動することがあり、母体と赤ちゃんの安全のために詳しく確認します」
  • 「必要に応じて内科と連携して、安全に経過をみる体制を整えます」
  • 「紹介=重症という意味ではなく、リスクを早めに減らすためです」

5. 紹介時に共有していただきたい情報(チェックリスト)

  • 妊娠週数/分娩予定日
  • 血圧推移(院内・家庭血圧があれば)
  • 症状(頭痛、視覚症状、上腹部痛、呼吸苦など)
  • 尿蛋白(定性/定量)
  • 採血:血小板、AST/ALT、Cr(可能なら尿酸/LDHも)
  • 既往歴・合併症(糖尿病、腎疾患、心疾患、甲状腺疾患など)
  • 内服薬・アレルギー


❓ よくある質問(FAQ)

Q. 外来で最初に確認すべきポイントは?
血圧の再測定(安静後を含む)と症状(頭痛、視覚症状、上腹部痛、呼吸苦など)を確認し、
尿蛋白と採血(血小板、AST/ALT、Crなど)で臓器障害の有無を短時間で把握します。
Q. 同日対応(紹介・搬送)を考える赤旗は?
著明な高血圧、持続する強い頭痛や視覚症状、意識変容、呼吸困難・SpO2低下、
上腹部痛/右季肋部痛、血小板低下や肝酵素上昇、Cr上昇など臓器障害を示唆する所見がある場合は、
同日連携を優先します。
Q. 内科連携を早めに入れるべき場面は?
血圧が高値で推移し家庭血圧も含めた評価が必要な場合、蛋白尿や腎機能変化があり腎障害評価が必要な場合、
合併症を伴い全身管理が複雑な場合は、早めの併診・紹介が有用です。
Q. 紹介時に共有してほしい情報は?
妊娠週数/分娩予定日、血圧推移(院内・家庭)、症状、尿蛋白、
採血(血小板・AST/ALT・Cr)、既往歴・合併症、内服薬・アレルギーを共有いただくと初診が円滑です。

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