内分泌内科

産婦人科の先生方へ|甲状腺・糖尿病の共同管理と連携窓口

14/09/2025

産婦人科の先生方へ

しもやま内科では、周産期における内分泌疾患の診療連携を重視しております。
妊娠に関わる内分泌疾患は母体・胎児双方に影響を及ぼしやすいため、産婦人科の先生と協力しながら、安全な管理を行ってまいります。
📞 047-467-5500 | FAX 047-467-7500

産婦人科の先生方へ|妊娠希望時のTSH管理・甲状腺疾患妊娠管理・妊娠糖尿病の診療連携

🔑 連携の柱

  1. 妊娠希望の方のTSH管理
    妊娠前の甲状腺ホルモン(TSH)コントロールは流産・不妊のリスクを減らすために重要です。TSH目標値を考慮し、妊娠成立に適した内分泌環境を整えるよう対応します。
  2. バセドウ病・橋本病の患者の妊娠管理
    抗甲状腺薬内服中や甲状腺機能低下症で加療中の方の妊娠は、胎児発育や母体合併症に直結することがあります。妊娠経過に応じた投薬調整と、周産期の母体・胎児管理を共同で進めます。
  3. 妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠
    妊娠中の血糖コントロールは、胎児発育や分娩時合併症に影響します。当院では分食指導・フリースタイルリブレによる血糖モニタリングを実施し、必要に応じてインスリン治療を導入します。

📈 妊娠初期の甲状腺機能亢進:鑑別フローチャート

妊娠初期のTSH低下:簡易鑑別フローチャート(妊娠悪阻に伴う一過性亢進か、バセドウ病かの判別)
妊娠初期のTSH低下に対する簡易鑑別フローチャート(しもやま内科作成)

🤱 授乳と抗甲状腺薬の要点

授乳中も多くの甲状腺薬は適切な用量であれば使用可能です。安全性に関する要点を以下にまとめます。

  • 授乳は原則可能:母乳中への移行は少量で、通常量では臨床的影響はほとんどありません。
  • チアマゾール(メルカゾール®):20mg/日以下であれば授乳可とされます。
  • プロピルチオウラシル(チウラジール®):授乳中も使用可能ですが、肝障害リスクのため長期大量使用は避けます。
  • 服薬直後の授乳を避ける:内服後3〜4時間は薬剤移行が高いため、その時間をずらして授乳するとより安全です。
  • 新生児の観察:念のため児の体重増加や発達を定期的に確認してください。

※ 日本甲状腺学会ガイドライン・ATA推奨を参考に整理。
※ 個々の症例では母体と児の状況を考慮して調整が必要です。

📑 ご紹介の流れ

紹介状をFAXいただければ、優先的に対応いたします。
初回診察後は、検査結果・治療方針を速やかに返書いたします。

📠 相談窓口・返書対応

医師直通の連携窓口を設置しております。
原則として紹介受診から1週間以内に返書をFAXにて送付いたします。
FAX番号:047-467-7500

📥 診療情報提供書のダウンロード(PDFのみ)

当院との連携にご活用いただける診療情報提供書(紹介状+検査項目欄+返書欄の3ページ構成)を、PDFで提供します。改変・二次配布はご遠慮ください。


📄 診療情報提供書(PDF・3ページ)

ご紹介の際は、当院からの返書欄も含めて3枚送信をお願いいたします。
※本資料はPDFのみで提供しています(改変・二次配布不可)。

ご紹介・ご相談はこちら
047-467-5500 | FAX 047-467-7500

※診療時間外はFAXにてご連絡ください。確認次第、折り返します。

船橋市の内分泌・糖尿病クリニック
しもやま内科では妊娠関連の糖尿病・甲状腺疾患に多数の診療実績があります。
産婦人科クリニック、船橋市立医療センター、大学病院と連携し、切れ目のない周産期管理を実現しています。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医糖尿病、甲状腺、副腎疾患など内分泌診療に長年従事し、地域密着型で診療を行っています。

📊 妊娠中のTSH管理目標と採血間隔

時期 目標TSH値 採血間隔の目安
妊娠前(妊活期) 2.5 μIU/mL未満 1〜2か月ごと
妊娠初期(〜12週) 0.1〜2.5 μIU/mL 4週ごと
妊娠中期(13〜27週) 0.2〜3.0 μIU/mL 6週ごと
妊娠後期(28週〜分娩) 0.3〜3.5 μIU/mL 6〜8週ごと
産後(授乳期) 非妊娠時の基準値に準拠 必要に応じて

※ 日本甲状腺学会「甲状腺疾患診断ガイドライン2021」およびATA推奨値を参考に作成。
※ 個別の臨床状況に応じて柔軟に調整してください。

❓ よくあるご質問(妊娠と内分泌/産婦人科の先生方へ)

緊急で甲状腺機能の評価が必要な場合はどうすれば良いですか?

可能な限り当日採血・エコーを行い、結果をFAXで速報いたします。

インスリン導入が必要な妊娠糖尿病患者は入院が必要ですか?

原則は外来導入を行います。重症例は連携病院へ紹介します。

妊娠希望の患者さんでTSHが軽度高値の場合、すぐ紹介した方が良いですか?

妊娠希望時のTSH基準値は一般より厳しく設定されます。早めにご紹介いただければ適切なホルモン補充の是非を検討できます。

抗甲状腺薬を内服中の方が妊娠した場合の対応は?

妊娠初期は特に催奇形性リスクへの配慮が必要です。薬剤選択や投与量調整を迅速に行いますので、判明時点でご紹介ください。

妊娠糖尿病の管理で食事指導はどうなりますか?

当院では医師が分食指導を行い、必要に応じてフリースタイルリブレで血糖変動を確認しながら個別化した管理を行っています。

本ページの資料は医療連携目的に限り使用可・商用利用不可・改変・再配布不可。

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