低血糖とは?症状・原因・対処法・予防のポイントを糖尿病専門医が解説|しもやま内科(船橋市)

🔊 このページの要点

このページは「低血糖」の総論ページです。原因・症状・対処法・予防のポイントを整理し、まず何に注意すべきかをわかりやすく解説します。

【要点まとめ】

  • 低血糖とは、血糖値が下がりすぎて脳や体がエネルギー不足になっている状態です。
  • 初期には冷や汗・手の震え・動悸などの自律神経症状が現れ、悪化すると意識障害やけいれんを起こすことがあります。
  • 軽い低血糖はブドウ糖や炭水化物で改善しますが、意識がない場合は経口摂取は避け、救急対応が必要です。

▶ HbA1cだけでは見えない評価軸:/dm/beyond_hba1c/
▶ 重症低血糖の対処・家族向けの備え:/diabetes/hypoglycemia-2/

「最近ふらつく」「急に冷や汗が出る」「食後に変なだるさがある」
糖尿病治療中の方では、それが低血糖のサインであることがあります。
このページでは、低血糖の症状・原因・対処法・予防のポイントを、糖尿病専門医の立場からわかりやすく解説します。


自宅で軽い低血糖の初期症状(冷や汗・ふらつき)に気づき、ブドウ糖タブレットを確認する中年日本人男性の写真|しもやま内科(船橋市)
低血糖のサインに気づき、ブドウ糖で対処しようとしている様子のイメージ|しもやま内科(船橋市)

低血糖とは?

低血糖とは、血糖値が下がりすぎて脳や全身がエネルギー不足になっている状態です。
一般には糖尿病治療中の方で血糖値70mg/dL未満になったときに低血糖を疑いますが、
「いつも高めの方」では 80〜90mg/dLでも症状が出る場合があります。

低血糖の症状(軽症〜中等症)

まずは、次のような症状に気づくことが大切です。

  • 冷や汗・手の震え
  • 動悸・ドキドキする感じ
  • 強い空腹感・気持ち悪さ
  • 顔色が悪い・ふらつき
  • ぼーっとする・集中できない・眠気
  • イライラ・不安感

「おかしいな」と感じたら、まず血糖を測るか、すぐにブドウ糖を摂ることが重要です。

重症低血糖のサイン(救急が必要な状態)

  • 呼びかけに反応しない・返事がおかしい
  • 立てない・ふらふらして歩けない
  • けいれんを起こしている
  • ぐったりしていて意識がもうろうとしている

こうした状態では経口摂取(口から何かを飲ませること)は厳禁です。誤嚥や窒息の危険があるため、救急車の要請が必要です。


低血糖の主な原因

糖尿病のタイプや治療内容によって原因は様々ですが、代表的なものは次の通りです。

  • インスリンや一部の経口糖尿病薬(SU薬など)の量が多すぎる
  • 薬はいつも通りなのに食事量が少なかった/食事を抜いた
  • 普段より激しい運動や長時間の歩行をした
  • 夕食の量が少ない+薬はいつも通り+夜間の運動/入浴
  • (参考)アルコール摂取により肝臓からの糖の放出が抑えられる ※詳しくは別ページで解説予定

何度も低血糖を起こす場合は、「薬・食事・運動」のバランスが合っていないサインですので、必ず主治医と相談してください。

軽い低血糖を起こしてしまったときの対処法

意識がはっきりしていて、自分で飲んだり食べたりできる場合は、次のような対処が基本です。

ブドウ糖の摂取(標準的な目安)

  • まずブドウ糖 10〜20gを摂取する(市販のブドウ糖タブレット・ゼリーなど)
  • 1gのブドウ糖で血糖はおよそ5mg/dL前後上昇すると言われます
  • 10〜15分ほど待ってから、症状・血糖値の改善を確認する

次の食事まで時間が空く場合

次の食事まで1時間以上あく場合は、ブドウ糖だけでは血糖が再び下がることがあります。
その場合は、以下のような炭水化物(糖質)10〜20g程度を追加します。

  • 小さめのおにぎり 1/2個
  • 食パン 6枚切り 1/2枚+牛乳
  • ビスケット・クラッカー 数枚 など

※チョコレートは脂肪分が多く吸収が遅れるため、「今すぐ上げたい」低血糖の場面には不向きです。

夜間低血糖について

夜中や明け方に起きる低血糖は、本人も家族も気づきにくく、放置すると危険です。

  • 寝汗・悪夢・明け方の頭痛
  • 朝起きたときの強い疲労感
  • 理由は分からないが「夜中に目が覚めてお菓子を食べてしまう」

こうした場合、実は夜間低血糖が背景にあることがあります。
必要に応じて、CGM(持続血糖測定)を用いた夜間血糖の評価も有用です。

繰り返す低血糖のリスク

  • 無自覚低血糖(症状が出にくくなる)
  • 転倒・外傷のリスク増加
  • 心血管イベント(心筋梗塞・脳卒中)のリスク増加

「HbA1c が良すぎる(6%台前半以下)」「毎日のように低血糖を起こす」ような場合は、
治療が“きつすぎる”可能性があります。目標値の見直しも含めて、遠慮なくご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 低血糖は何mg/dLからですか?
A. 一般には70mg/dL未満で低血糖を疑います。ただし、普段の血糖が高めの方では、80〜90mg/dLでも低血糖のような症状が出ることがあります。症状があるときは数値だけでなく状況も含めて判断します。
Q. 低血糖の初期症状にはどんなものがありますか?
A. 冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感、ふらつき、集中できない・眠気、イライラなどがあります。「いつもと違う」と感じたら、まず血糖測定やブドウ糖摂取を考えます。
Q. 低血糖のときは何をどれくらい食べればいいですか?
A. 意識がはっきりしていて自分で摂取できる場合、目安としてブドウ糖10〜20gを摂り、10〜15分後に症状や血糖の改善を確認します。次の食事まで時間が空く場合は、炭水化物を追加して再低下を防ぎます。
Q. 夜間低血糖はどうやって気づけばいいですか?
A. 寝汗、悪夢、明け方の頭痛、朝の強い疲労感などがヒントになります。必要に応じて、CGM(持続血糖測定)で夜間の血糖を確認すると、見逃しを減らせます。
Q. 低血糖を繰り返す場合はどうすればいいですか?
A. 薬・食事・運動のバランスが合っていないサインのことがあります。自己判断で薬を調整せず、低血糖の時間帯やきっかけを整理したうえで主治医に相談してください。治療目標や薬剤の見直しで改善できることがあります。

しもやま内科での対応

しもやま内科(船橋市)では、糖尿病専門医が以下のような視点で低血糖の評価と治療を行っています。

  • 低血糖の起こり方(時間帯・頻度・きっかけ)の整理
  • インスリン・経口薬の種類と量の見直し
  • 食事・運動・飲酒の習慣の確認
  • 必要に応じて持続血糖測定(CGM)の活用
  • 夜間低血糖・無自覚低血糖への対策

低血糖が気になる方・繰り返してしまう方へ
しもやま内科では、低血糖の原因を一緒に整理し、安全な血糖コントロールの方法を考えていきます。


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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医

糖尿病治療において、低血糖の予防と「無理のない血糖コントロール」を重視した診療を行っています。

20/07/2016