🔊 このページの要点
日本では糖尿病の患者さんや「予備群」が年々増えています。生活習慣や高齢化が背景にあり、早い段階で生活を整え、必要に応じて医療機関で評価を受けることが大切です。健診で血糖やHbA1cの異常を指摘された方は、放置せず内科・糖尿病専門医にご相談ください。
日本では、糖尿病の患者さんや「糖尿病予備群」が年々増え続けていると報告されています。
背景には、食生活や運動習慣の変化、高齢化、内臓脂肪型肥満の増加など、さまざまな要因が関係しています。
このページでは、糖尿病患者数の推移と増加の理由を整理しながら、「どの段階で受診したほうが良いのか」「予備群のうちに何をすべきか」を、糖尿病専門医の立場からわかりやすく解説します。

日本の糖尿病患者数はどれくらいいるのか
日本では、厚生労働省の調査などから、糖尿病が強く疑われる人と、糖尿病の可能性を否定できない人(いわゆる「予備群」)を合わせると、成人のかなりの割合を占めることが報告されています。
特に次のような点が重要です。
- 中高年層だけでなく、働き盛り世代にも糖尿病・予備群が多い
- 自覚症状がはっきりしないまま進行することが多い
- 健診での血糖・HbA1c異常を放置すると、数年のうちに本格的な糖尿病へ進行しうる
「なんとなく血糖が高め」「HbA1cが少し高いと言われた」程度でも、長期的に見ると合併症リスクに影響します。
「症状が出てから」ではなく、「健診で異常を指摘された時点」から、生活習慣の見直しと医療機関でのフォローを考えることが大切です。
なぜ糖尿病患者数は増え続けているのか
糖尿病が増えている背景には、いくつかの要因が重なっています。
① 食生活・運動習慣の変化
- エネルギー密度の高い食事(脂質・糖質の多い食事)が増えた
- 間食・甘い飲み物・コンビニ食・外食の頻度増加
- デスクワークの増加や、自動車・エレベーターの利用により日常の歩数が減少
一日のエネルギー摂取量はそれほど多くなくても、「夜遅い食事」「まとめ食い」「間食のとり方」などの影響で、インスリンが疲弊しやすいパターンになることがあります。
② 高齢化の進行
日本は世界有数の高齢化社会であり、加齢に伴うインスリン分泌の低下や、筋肉量の減少(サルコペニア)も糖尿病発症に関係します。
高齢になるほど、同じ生活習慣でも糖尿病を発症しやすくなるため、高齢者の糖尿病患者数も増えています。
③ 内臓脂肪型肥満・メタボリックシンドロームの増加
お腹まわり(ウエスト周囲径)が大きく、内臓脂肪が多いタイプの肥満は、インスリン抵抗性を強め、2型糖尿病のリスクを高めます。
- BMIがそれほど高くなくても、内臓脂肪が多い「隠れ肥満」タイプの方も要注意
- メタボリックシンドローム(高血圧・脂質異常症・高血糖の重なり)により、動脈硬化リスクも一緒に上昇
④ 「糖尿病予備群」が多く、気づかれにくい
「糖尿病が強く疑われる」まで進行していなくても、境界型(糖尿病予備群)の段階の方が非常に多いことも問題です。
- 空腹時血糖は正常~軽度高値でも、食後高血糖が目立つ方
- 健診で毎年「少し高め」と言われても、受診につながらないケース
- ストレス・睡眠不足・不規則な勤務形態(夜勤など)が重なる方
このような予備群の方々が、数年~十数年をかけて本格的な糖尿病へ移行していくため、患者数全体としては増え続ける形になります。
糖尿病の種類ごとの最近の傾向
糖尿病と一口に言っても、原因や経過にはいくつかのタイプがあります。
2型糖尿病(生活習慣病型)が圧倒的に多い
日本で最も多いのは、生活習慣や遺伝的素因が関わる「2型糖尿病」です。
中高年だけでなく、働き盛り・若い世代でも、肥満や運動不足が背景となって発症するケースが増えています。
1型糖尿病・その他のタイプも適切な治療が重要
自己免疫を背景とする1型糖尿病や、膵炎・ステロイド治療などに伴う二次性糖尿病も、適切なインスリン治療・血糖モニタリングが必要です。
最近は、
- フリースタイルリブレなどの持続血糖測定(CGM)
- インスリンポンプ(CSII・SAP)
など、血糖変動を細かく把握しながら治療できる選択肢が増えています。
詳しい解説は、以下のページもご参照ください。
「糖尿病予備群」の段階で止めることが大切です
糖尿病の患者数が増えている最大の理由の一つは、予備群の段階で十分な対策が取られていないことにあります。
境界型の段階で、次のような介入を行うと、糖尿病の発症を遅らせたり、予防できる可能性が高まります。
- 食事のとり方の見直し(早食い・夜遅い食事・間食の調整)
- 一日あたりの歩数や、立っている時間を増やす工夫
- 体重が増え続けている場合は、まず「増加を止める」ことから
- 睡眠不足や過度なストレスが続いていないかのチェック
しもやま内科では、必要に応じて、
- 追加の採血(インスリン分泌の目安、脂質・肝機能など)
- 生活習慣のポイントを絞ったアドバイス
- 合併症のリスクをふまえたフォローアップの計画
などを行い、「今どの段階にいるか」「どこを優先的に改善すると良いか」を一緒に考えていきます。
船橋市周辺にお住まいの方へ(地域のかかりつけ医として)
船橋市および近隣エリア(習志野市・八千代市・鎌ケ谷市など)でも、生活習慣病・糖尿病の患者さんは増加傾向にあります。
忙しいお仕事やご家庭の事情で、なかなか専門医受診まで踏み出せない方も多い印象です。
しもやま内科では、
- 総合内科専門医・糖尿病専門医による診療
- 合併症(腎症・心血管疾患など)を視野に入れた評価
- 必要時には近隣の基幹病院と連携した検査・入院治療のご紹介
などを通じて、「まず相談できる身近な窓口」としての役割を大切にしています。
📍 糖尿病・生活習慣病でお悩みの方へ|船橋市のしもやま内科
しもやま内科(千葉県船橋市)は、糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病を専門的に診療する内科クリニックです。
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医が在籍
- 心臓・血管・腎臓など、合併症も含めた総合的な評価が可能
- 船橋市・習志野市・八千代市・鎌ケ谷市など近隣エリアから通院しやすい立地
健診で血糖・HbA1cを指摘された方、「糖尿病かもしれない」と心配な方は、お一人で悩まずご相談ください。
受診を迷っている方へ|受診の目安
次のような場合は、一度内科・糖尿病専門医への受診をおすすめします。
- 健診で「血糖が高い」「HbA1cが基準値を超えている」と指摘された
- ここ数年、体重や腹囲が増え続けている
- 家族に糖尿病の方がいて、自分も心配になってきた
- 疲れやすい・喉が渇きやすい・尿の回数が増えた など気になる症状がある
- 以前「境界型」と言われたが、その後フォローされていない
早い段階で血糖コントロールを整えるほど、合併症を減らしやすく、治療の選択肢も広がります。
「まだ受診するほどではないかも…」という段階こそ、気軽にご相談ください。
📞 受診のご相談・お問い合わせ
お電話でお問い合わせください:
しもやま内科 代表電話 047-467-5500
(受付時間や休診日は、トップページ・診療案内をご確認ください)
糖尿病患者数・予備群に関するよくある質問
Q. 糖尿病の患者さんは本当に増えているのですか?
はい、日本では糖尿病が強く疑われる人と、糖尿病の可能性を否定できない人(予備群)を合わせると、成人のかなりの割合にのぼると報告されています。生活習慣の変化や高齢化などを背景に、長期的には増加傾向と考えられています。
Q. 「糖尿病予備群」と言われましたが、すぐに薬が必要ですか?
予備群の段階では、まず食事・運動・体重管理などの生活習慣の改善が基本になります。薬が必ず必要というわけではありませんが、血糖値の程度や合併症リスクによっては、医師が慎重に判断します。自己判断で様子を見続けるのではなく、一度ご相談ください。
Q. 空腹時血糖が少し高い程度でも、受診したほうがよいですか?
空腹時血糖が軽度高値でも、食後高血糖が目立つ場合や、将来の合併症リスクが高い場合があります。健診で毎年「少し高め」と言われている方は、早めに詳細な評価を受けることをおすすめします。生活習慣だけで改善できるかどうかも、専門医と一緒に検討できます。
Q. 若い世代にも糖尿病は増えているのでしょうか?
はい、若い世代でも、肥満や運動不足、夜型の生活などを背景に2型糖尿病を発症する方が増えています。若い方は自覚症状が出にくく、受診が遅れがちです。家族に糖尿病の方がいる場合や、体重増加・血液検査の異常がある場合は、早めのチェックがおすすめです。
Q. 糖尿病になっても、薬を飲まずに治せますか?
発症のごく初期であれば、生活習慣の改善だけで血糖が正常域に戻ることもあります。ただし、ある程度進行している場合は、薬物療法を併用した方が、合併症のリスクを減らせるケースが多く見られます。血糖値の程度やインスリンの働き方に応じて、適切な治療法を一緒に考えていきます。
Q. 健診のたびに「様子を見ましょう」と言われていますが、そのままで大丈夫ですか?
「様子を見ましょう」という言葉の中身は、医療機関や担当者によってニュアンスが異なります。毎年少しずつ血糖やHbA1cが上昇している場合は、そのままにせず、今の段階で何をすべきかを具体的に確認したほうが安心です。かかりつけ医がない場合も、お気軽にご相談ください。
Q. 船橋市周辺からでも、糖尿病の相談で受診できますか?
はい、船橋市内はもちろん、習志野市・八千代市・鎌ケ谷市など、近隣エリアからも多くの方が通院されています。健診異常の再確認から、すでに糖尿病と診断されている方の継続治療まで、幅広く対応しています。
👨⚕️ この記事の監修医師
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。