糖尿病内科

糖尿病患者数の推移と増加の理由|最新データと専門医解説|船橋市・しもやま内科

10/03/2019

🔊 このページの要点

日本では糖尿病の患者さんや「予備群」が年々増えています。生活習慣や高齢化が背景にあり、早い段階で生活を整え、必要に応じて医療機関で評価を受けることが大切です。健診で血糖やHbA1cの異常を指摘された方は、放置せず内科・糖尿病専門医にご相談ください。

日本では、糖尿病の患者さんや「糖尿病予備群」が年々増え続けていると報告されています。
背景には、食生活や運動習慣の変化、高齢化、内臓脂肪型肥満の増加など、さまざまな要因が関係しています。

このページでは、糖尿病患者数の推移と増加の理由を整理しながら、「どの段階で受診したほうが良いのか」「予備群のうちに何をすべきか」を、糖尿病専門医の立場からわかりやすく解説します。


糖尿病患者数の推移グラフを示しながら説明する日本人医師のイメージ
糖尿病患者数の推移と増加をイメージした図(しもやま内科で作成)

日本の糖尿病患者数はどれくらいいるのか

日本では、厚生労働省の調査などから、糖尿病が強く疑われる人と、糖尿病の可能性を否定できない人(いわゆる「予備群」)を合わせると、成人のかなりの割合を占めることが報告されています。

特に次のような点が重要です。

  • 中高年層だけでなく、働き盛り世代にも糖尿病・予備群が多い
  • 自覚症状がはっきりしないまま進行することが多い
  • 健診での血糖・HbA1c異常を放置すると、数年のうちに本格的な糖尿病へ進行しうる

「なんとなく血糖が高め」「HbA1cが少し高いと言われた」程度でも、長期的に見ると合併症リスクに影響します。
「症状が出てから」ではなく、「健診で異常を指摘された時点」から、生活習慣の見直しと医療機関でのフォローを考えることが大切です。

なぜ糖尿病患者数は増え続けているのか

糖尿病が増えている背景には、いくつかの要因が重なっています。

① 食生活・運動習慣の変化

  • エネルギー密度の高い食事(脂質・糖質の多い食事)が増えた
  • 間食・甘い飲み物・コンビニ食・外食の頻度増加
  • デスクワークの増加や、自動車・エレベーターの利用により日常の歩数が減少

一日のエネルギー摂取量はそれほど多くなくても、「夜遅い食事」「まとめ食い」「間食のとり方」などの影響で、インスリンが疲弊しやすいパターンになることがあります。

② 高齢化の進行

日本は世界有数の高齢化社会であり、加齢に伴うインスリン分泌の低下や、筋肉量の減少(サルコペニア)も糖尿病発症に関係します。
高齢になるほど、同じ生活習慣でも糖尿病を発症しやすくなるため、高齢者の糖尿病患者数も増えています。

③ 内臓脂肪型肥満・メタボリックシンドロームの増加

お腹まわり(ウエスト周囲径)が大きく、内臓脂肪が多いタイプの肥満は、インスリン抵抗性を強め、2型糖尿病のリスクを高めます。

  • BMIがそれほど高くなくても、内臓脂肪が多い「隠れ肥満」タイプの方も要注意
  • メタボリックシンドローム(高血圧・脂質異常症・高血糖の重なり)により、動脈硬化リスクも一緒に上昇

④ 「糖尿病予備群」が多く、気づかれにくい

「糖尿病が強く疑われる」まで進行していなくても、境界型(糖尿病予備群)の段階の方が非常に多いことも問題です。

  • 空腹時血糖は正常~軽度高値でも、食後高血糖が目立つ方
  • 健診で毎年「少し高め」と言われても、受診につながらないケース
  • ストレス・睡眠不足・不規則な勤務形態(夜勤など)が重なる方

このような予備群の方々が、数年~十数年をかけて本格的な糖尿病へ移行していくため、患者数全体としては増え続ける形になります。

糖尿病と一口に言っても、原因や経過にはいくつかのタイプがあります。

2型糖尿病(生活習慣病型)が圧倒的に多い

日本で最も多いのは、生活習慣や遺伝的素因が関わる「2型糖尿病」です。
中高年だけでなく、働き盛り・若い世代でも、肥満や運動不足が背景となって発症するケースが増えています。

1型糖尿病・その他のタイプも適切な治療が重要

自己免疫を背景とする1型糖尿病や、膵炎・ステロイド治療などに伴う二次性糖尿病も、適切なインスリン治療・血糖モニタリングが必要です。
最近は、

  • フリースタイルリブレなどの持続血糖測定(CGM)
  • インスリンポンプ(CSII・SAP)

など、血糖変動を細かく把握しながら治療できる選択肢が増えています。

詳しい解説は、以下のページもご参照ください。

「糖尿病予備群」の段階で止めることが大切です

糖尿病の患者数が増えている最大の理由の一つは、予備群の段階で十分な対策が取られていないことにあります。

境界型の段階で、次のような介入を行うと、糖尿病の発症を遅らせたり、予防できる可能性が高まります。

  • 食事のとり方の見直し(早食い・夜遅い食事・間食の調整)
  • 一日あたりの歩数や、立っている時間を増やす工夫
  • 体重が増え続けている場合は、まず「増加を止める」ことから
  • 睡眠不足や過度なストレスが続いていないかのチェック

しもやま内科では、必要に応じて、

  • 追加の採血(インスリン分泌の目安、脂質・肝機能など)
  • 生活習慣のポイントを絞ったアドバイス
  • 合併症のリスクをふまえたフォローアップの計画

などを行い、「今どの段階にいるか」「どこを優先的に改善すると良いか」を一緒に考えていきます。

船橋市周辺にお住まいの方へ(地域のかかりつけ医として)

船橋市および近隣エリア(習志野市・八千代市・鎌ケ谷市など)でも、生活習慣病・糖尿病の患者さんは増加傾向にあります。
忙しいお仕事やご家庭の事情で、なかなか専門医受診まで踏み出せない方も多い印象です。

しもやま内科では、

  • 総合内科専門医・糖尿病専門医による診療
  • 合併症(腎症・心血管疾患など)を視野に入れた評価
  • 必要時には近隣の基幹病院と連携した検査・入院治療のご紹介

などを通じて、「まず相談できる身近な窓口」としての役割を大切にしています。

📍 糖尿病・生活習慣病でお悩みの方へ|船橋市のしもやま内科

しもやま内科(千葉県船橋市)は、糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病を専門的に診療する内科クリニックです。

  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医が在籍
  • 心臓・血管・腎臓など、合併症も含めた総合的な評価が可能
  • 船橋市・習志野市・八千代市・鎌ケ谷市など近隣エリアから通院しやすい立地

健診で血糖・HbA1cを指摘された方、「糖尿病かもしれない」と心配な方は、お一人で悩まずご相談ください。

受診を迷っている方へ|受診の目安

次のような場合は、一度内科・糖尿病専門医への受診をおすすめします。

  • 健診で「血糖が高い」「HbA1cが基準値を超えている」と指摘された
  • ここ数年、体重や腹囲が増え続けている
  • 家族に糖尿病の方がいて、自分も心配になってきた
  • 疲れやすい・喉が渇きやすい・尿の回数が増えた など気になる症状がある
  • 以前「境界型」と言われたが、その後フォローされていない

早い段階で血糖コントロールを整えるほど、合併症を減らしやすく、治療の選択肢も広がります。
「まだ受診するほどではないかも…」という段階こそ、気軽にご相談ください。

📞 受診のご相談・お問い合わせ

お電話でお問い合わせください:
しもやま内科 代表電話 047-467-5500
(受付時間や休診日は、トップページ・診療案内をご確認ください)

糖尿病患者数・予備群に関するよくある質問

Q. 糖尿病の患者さんは本当に増えているのですか?

はい、日本では糖尿病が強く疑われる人と、糖尿病の可能性を否定できない人(予備群)を合わせると、成人のかなりの割合にのぼると報告されています。生活習慣の変化や高齢化などを背景に、長期的には増加傾向と考えられています。

Q. 「糖尿病予備群」と言われましたが、すぐに薬が必要ですか?

予備群の段階では、まず食事・運動・体重管理などの生活習慣の改善が基本になります。薬が必ず必要というわけではありませんが、血糖値の程度や合併症リスクによっては、医師が慎重に判断します。自己判断で様子を見続けるのではなく、一度ご相談ください。

Q. 空腹時血糖が少し高い程度でも、受診したほうがよいですか?

空腹時血糖が軽度高値でも、食後高血糖が目立つ場合や、将来の合併症リスクが高い場合があります。健診で毎年「少し高め」と言われている方は、早めに詳細な評価を受けることをおすすめします。生活習慣だけで改善できるかどうかも、専門医と一緒に検討できます。

Q. 若い世代にも糖尿病は増えているのでしょうか?

はい、若い世代でも、肥満や運動不足、夜型の生活などを背景に2型糖尿病を発症する方が増えています。若い方は自覚症状が出にくく、受診が遅れがちです。家族に糖尿病の方がいる場合や、体重増加・血液検査の異常がある場合は、早めのチェックがおすすめです。

Q. 糖尿病になっても、薬を飲まずに治せますか?

発症のごく初期であれば、生活習慣の改善だけで血糖が正常域に戻ることもあります。ただし、ある程度進行している場合は、薬物療法を併用した方が、合併症のリスクを減らせるケースが多く見られます。血糖値の程度やインスリンの働き方に応じて、適切な治療法を一緒に考えていきます。

Q. 健診のたびに「様子を見ましょう」と言われていますが、そのままで大丈夫ですか?

「様子を見ましょう」という言葉の中身は、医療機関や担当者によってニュアンスが異なります。毎年少しずつ血糖やHbA1cが上昇している場合は、そのままにせず、今の段階で何をすべきかを具体的に確認したほうが安心です。かかりつけ医がない場合も、お気軽にご相談ください。

Q. 船橋市周辺からでも、糖尿病の相談で受診できますか?

はい、船橋市内はもちろん、習志野市・八千代市・鎌ケ谷市など、近隣エリアからも多くの方が通院されています。健診異常の再確認から、すでに糖尿病と診断されている方の継続治療まで、幅広く対応しています。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

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