糖尿病内科

妊娠糖尿病と言われた妊婦さんへ

18/02/2018

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常のことを言います。

妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に“明らかな糖尿病”と診断された場合は妊娠糖尿病には含めません。

妊娠前から糖尿病が判明している場合は、妊娠糖尿病より血糖が悪くなりやすいですから、血糖をより厳密に管理する必要があります。また妊娠前に糖尿病と診断されている場合は、血糖を十分に管理し、糖尿病の合併症(網膜症や腎症)がある場合、その状態の評価を行った上で計画的に妊娠することが、健康な赤ちゃんを産むために非常に大切です。

血糖の厳重な管理が最も大切で、食前100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標に管理します。妊娠中は運動療法があまり出来ないため、まず食事療法を行います。食事療法では、お母さんと赤ちゃんがともに健全に妊娠を継続でき、食後の高血糖を起こさず、空腹時のケトン体産生を亢進させないよう配慮します。4~6分割食にしても血糖管理が十分に出来ない場合は、赤ちゃんに悪影響を与えないインスリン注射を用いて管理します。妊娠が進むにつれ、インスリンの使用量が増えますが、ほとんどの場合産後には減量あるいは中止できるケースが多いです。

産後6-12週間後に再びブドウ糖負荷試験をうけ、妊娠糖尿病が治っているかどうか評価してもらいましょう。また、治っていても妊娠糖尿病になった方は、妊娠糖尿病のなかった人に比べ、約7倍の高頻度で糖尿病になりますので、その後も定期的な検診が必要です。

妊娠糖尿病と言われて、落ち込んでいませんか?貴女は悪くありません。

妊娠糖尿病は、もともと糖尿病ではない女性にも起こりえます。妊娠中に、「血糖が高めです。」「尿糖が陽性です。」といったご指摘を受けた患者さんは、ぜひ当院にご相談下さい。

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