糖尿病内科

糖尿病性腎症(DKD)とは? 検査・治療・食事療法まで専門医が解説|船橋市 しもやま内科

12/02/2025

🔊 このページの要点

このページは「糖尿病性腎症(DKD)」の総合ガイドとして、検査(尿中アルブミン・eGFR)から治療(血糖・血圧・薬)、食事(減塩・たんぱく調整)までをまとめ、腎機能低下を防ぐための全体像を解説します。

  • DKDは尿中アルブミンeGFRで評価し、早期から対策するほど進行を抑えやすくなります。
  • 治療の柱は血糖管理・血圧管理に加え、減塩などの生活調整です。
  • 食事療法は重要ですが、病期(ステージ)に応じて内容が変わるため、自己判断の制限は避けます。
  • HbA1cだけでは見えない低血糖・血糖変動も含めて評価すると、安全性が高まります。

▶︎ HbA1cだけでは見えない評価軸:/dm/beyond_hba1c/

糖尿病性腎症(DKD)の検査(尿中アルブミン・eGFR)と治療・減塩を医師が解説するイメージ
糖尿病性腎症(DKD)は、尿中アルブミンとeGFRで評価し、血糖・血圧管理と減塩で進行を抑えることが重要です。

糖尿病性腎症(DKD)は、糖尿病に伴って腎臓に負担がかかり、尿中アルブミンの増加腎機能(eGFR)の低下が進む状態です。放置すると慢性腎臓病(CKD)が進行し、心血管リスクも高まります。

DKDの治療では、血糖管理・血圧管理に加え、減塩を中心とした食事療法が重要な役割を果たします。とくに尿中アルブミン陽性となった段階(早期腎症〜顕性腎症)では、生活の工夫で進行を抑えることが期待できます。


糖尿病性腎症(DKD)で「まず確認する検査」

  • 尿中アルブミン(アルブミン尿):腎障害の“早期サイン”
  • eGFR(腎機能):腎臓の「働き」の目安
  • 血圧:腎・心血管を守るために極めて重要
  • 血糖(HbA1cだけでなく血糖変動も):低血糖や乱高下にも注意
ポイント

DKDは「腎臓だけの問題」ではなく、心血管イベントのリスクとも関連します。尿・腎機能・血圧・血糖をセットで見直すことが大切です。

治療の基本:血糖管理・血圧管理・生活(食事)

  • 血糖管理:HbA1cだけでなく、低血糖や血糖変動も含めて安全に最適化
  • 血圧管理:腎機能低下の抑制に直結
  • 生活・食事:減塩、体重管理、必要に応じたたんぱく調整

▶︎ 薬物療法を含む治療戦略を深掘り:DKDの治療戦略(4ピラーズ/四本柱)


ステージ別:食事療法の考え方(目安)

  • ステージ1〜2(正常〜早期腎症):糖尿病食を基本に、血糖・血圧・脂質管理を徹底。まずは減塩を最優先。
  • ステージ3(顕性腎症)以降:病期に応じて、たんぱく質・塩分・カリウム・リンの調整が重要になります。

食事療法の基本方針

  • 血糖コントロールが大前提
  • 塩分制限:目安として1日6g未満を意識(血圧コントロールに直結)
  • たんぱく質調整:病期に応じて医師の指示で調整(例:0.8〜1.0 g/kg/dayなど)
  • エネルギー確保:制限で体重が落ちすぎないように
  • カリウム・リンの管理:腎機能に応じて調整(自己判断の強い制限は避ける)

食事の工夫と具体例

減塩の工夫

  • 香辛料・酸味・だし(旨味)を活用
  • 加工食品・外食は塩分過多になりやすい → 回数と選び方を工夫

▶︎ 減塩のコツ(具体策):/diabetes/salt/

たんぱく質の選び方

  • 魚、卵、大豆製品など「質の良い」たんぱく質を、適切な量で
  • 「制限しすぎず、コントロールする」意識が大切

エネルギー源の工夫

  • 良質な油脂(植物油、魚油など)を適切に取り入れる
  • ごはん・パンなどの主食は“適度に”(血糖と体重の両方を見て調整)

サポートを受けながら続けましょう

食事療法は必ず個別対応が必要です。腎機能や血糖の状態に応じた調整が不可欠で、自己流の強い制限は体調不良につながることがあります。

しもやま内科では、患者さま一人ひとりの生活に合わせて「続けられる方法」を一緒に考えます。ご不安な方はご相談ください。

📞 糖尿病性腎症(DKD)の管理でお悩みの方へ

尿中アルブミンが陽性と言われた方、血圧や減塩、薬のことが不安な方は、早めに整理すると安心につながります。

047-467-5500

よくある質問(FAQ)

Q. 尿中アルブミンが陽性と言われました。もう腎不全が近いのでしょうか?
A. 多くの場合、尿中アルブミン陽性は「早期のサイン」です。早い段階から血糖・血圧・減塩などを整えることで、進行を抑えられる可能性があります。数値の推移(持続しているか)とeGFRを合わせて評価することが大切です。
Q. eGFRが保たれていれば、アルブミン尿があっても大丈夫ですか?
A. eGFRが保たれていても、アルブミン尿は腎障害や心血管リスクと関連する重要な所見です。「eGFRだけ」「アルブミンだけ」で判断せず、両方をセットで見て、生活や治療を早めに調整するのがおすすめです。
Q. たんぱく質制限はいつから始めるべきですか?
A. たんぱく質の「強い制限」は、腎機能や病期によって適否が変わります。早期(ステージ1〜2)ではまず減塩・体重管理・血糖/血圧管理が優先で、ステージ3以降などで医師の判断のもと調整することがあります。自己判断での過度な制限は、筋肉量低下や体調不良につながることがあるため注意が必要です。
Q. 減塩はどのくらい必要ですか?
A. 目安として1日6g未満を意識すると、血圧管理に役立ち、腎臓を守る方向につながります。外食や加工食品で塩分が増えやすいので、「回数」「選び方」「汁物を残す」など、続けられる工夫から始めるのが現実的です。
Q. HbA1cが良いのに腎症が進むことはありますか?
A. あり得ます。HbA1cは平均値のため、食後高血糖や低血糖、血糖変動(乱高下)が隠れている場合があります。また血圧や脂質、体重、喫煙なども影響します。HbA1cだけでなく、尿・eGFR・血圧・生活をセットで見直すことが重要です。
Q. どんなタイミングで腎臓専門医(腎臓内科)に紹介が必要ですか?
A. eGFRの低下が進む、アルブミン尿が増える、血圧コントロールが難しい、電解質(カリウムなど)の異常がある、合併症や薬剤調整が複雑な場合などは、腎臓内科での評価が有用なことがあります。状況に応じて最適なタイミングを一緒に判断します。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医

糖尿病、腎疾患など生活習慣病の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。食事療法を通じた病態管理にも力を入れています。

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