🔊 このページの要点
このページは「糖尿病性腎症(DKD)」の総合ガイドとして、検査(尿中アルブミン・eGFR)から治療(血糖・血圧・薬)、食事(減塩・たんぱく調整)までをまとめ、腎機能低下を防ぐための全体像を解説します。
- DKDは尿中アルブミンやeGFRで評価し、早期から対策するほど進行を抑えやすくなります。
- 治療の柱は血糖管理・血圧管理に加え、減塩などの生活調整です。
- 食事療法は重要ですが、病期(ステージ)に応じて内容が変わるため、自己判断の制限は避けます。
- HbA1cだけでは見えない低血糖・血糖変動も含めて評価すると、安全性が高まります。
▶︎ HbA1cだけでは見えない評価軸:/dm/beyond_hba1c/

糖尿病性腎症(DKD)は、糖尿病に伴って腎臓に負担がかかり、尿中アルブミンの増加や腎機能(eGFR)の低下が進む状態です。放置すると慢性腎臓病(CKD)が進行し、心血管リスクも高まります。
DKDの治療では、血糖管理・血圧管理に加え、減塩を中心とした食事療法が重要な役割を果たします。とくに尿中アルブミン陽性となった段階(早期腎症〜顕性腎症)では、生活の工夫で進行を抑えることが期待できます。
糖尿病性腎症(DKD)で「まず確認する検査」
- 尿中アルブミン(アルブミン尿):腎障害の“早期サイン”
- eGFR(腎機能):腎臓の「働き」の目安
- 血圧:腎・心血管を守るために極めて重要
- 血糖(HbA1cだけでなく血糖変動も):低血糖や乱高下にも注意
DKDは「腎臓だけの問題」ではなく、心血管イベントのリスクとも関連します。尿・腎機能・血圧・血糖をセットで見直すことが大切です。
治療の基本:血糖管理・血圧管理・生活(食事)
- 血糖管理:HbA1cだけでなく、低血糖や血糖変動も含めて安全に最適化
- 血圧管理:腎機能低下の抑制に直結
- 生活・食事:減塩、体重管理、必要に応じたたんぱく調整
▶︎ 薬物療法を含む治療戦略を深掘り:DKDの治療戦略(4ピラーズ/四本柱)
ステージ別:食事療法の考え方(目安)
- ステージ1〜2(正常〜早期腎症):糖尿病食を基本に、血糖・血圧・脂質管理を徹底。まずは減塩を最優先。
- ステージ3(顕性腎症)以降:病期に応じて、たんぱく質・塩分・カリウム・リンの調整が重要になります。
食事療法の基本方針
- 血糖コントロールが大前提
- 塩分制限:目安として1日6g未満を意識(血圧コントロールに直結)
- たんぱく質調整:病期に応じて医師の指示で調整(例:0.8〜1.0 g/kg/dayなど)
- エネルギー確保:制限で体重が落ちすぎないように
- カリウム・リンの管理:腎機能に応じて調整(自己判断の強い制限は避ける)
食事の工夫と具体例
減塩の工夫
- 香辛料・酸味・だし(旨味)を活用
- 加工食品・外食は塩分過多になりやすい → 回数と選び方を工夫
▶︎ 減塩のコツ(具体策):/diabetes/salt/
たんぱく質の選び方
- 魚、卵、大豆製品など「質の良い」たんぱく質を、適切な量で
- 「制限しすぎず、コントロールする」意識が大切
エネルギー源の工夫
- 良質な油脂(植物油、魚油など)を適切に取り入れる
- ごはん・パンなどの主食は“適度に”(血糖と体重の両方を見て調整)
サポートを受けながら続けましょう
食事療法は必ず個別対応が必要です。腎機能や血糖の状態に応じた調整が不可欠で、自己流の強い制限は体調不良につながることがあります。
しもやま内科では、患者さま一人ひとりの生活に合わせて「続けられる方法」を一緒に考えます。ご不安な方はご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 尿中アルブミンが陽性と言われました。もう腎不全が近いのでしょうか?
Q. eGFRが保たれていれば、アルブミン尿があっても大丈夫ですか?
Q. たんぱく質制限はいつから始めるべきですか?
Q. 減塩はどのくらい必要ですか?
Q. HbA1cが良いのに腎症が進むことはありますか?
Q. どんなタイミングで腎臓専門医(腎臓内科)に紹介が必要ですか?
👨⚕️ この記事の監修医師
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、腎疾患など生活習慣病の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。食事療法を通じた病態管理にも力を入れています。