糖尿病内科

朝だけ血糖が高いのはどっち?暁現象とソモジー効果の見分け方|糖尿病専門医が解説

07/09/2016

🔍 この記事のポイント(まずここだけでOK)

  • 朝だけ血糖が高い原因は、「暁現象」か「ソモジー効果」の2つが代表的です。
  • 暁現象では夜間低血糖はなく、早朝にホルモンの影響で血糖が上昇します。
  • ソモジー効果では夜間低血糖が先に起こり、その反動で朝に高血糖になります。
  • 見分けのポイントは、深夜2〜3時頃の血糖を確認することです。
  • CGM(リブレなど)を使うと、夜間低血糖の有無を可視化できます。
  • 自己判断で治療を変更せず、必ず主治医に相談することが重要です。

朝だけ血糖が高い──そんなとき、原因は「暁現象」か「ソモジー効果」の2つが考えられます。
対応を間違えると、かえって血糖が不安定になることもあります。

このページでは、夜間低血糖の有無・リブレの見方・治療の違いを、糖尿病専門医の視点で整理して解説します。

暁現象とソモジー効果の違い(夜間低血糖の有無と起床時高血糖の見分け方)
※見分けには夜間の血糖(CGMや深夜測定)が重要です。自己判断で治療変更せず、主治医に相談してください。

暁現象とは?

暁現象:夜間低血糖がなく、早朝から血糖が上がるパターン

暁現象(Dawn phenomenon)は、早朝4〜6時頃に成長ホルモンやコルチゾールなどの影響でインスリンの効きが悪くなり、血糖値が自然に上昇する現象です。夜間に低血糖が目立たず、起床時に血糖が高くなります。

ソモジー効果とは?

ソモジー効果:夜間低血糖の反動で起床時に高血糖になるパターン

ソモジー効果(Somogyi effect)は、主にインスリン治療中に、夜間の低血糖をきっかけにアドレナリンやグルカゴンなどが分泌され、その反動で起床時に高血糖になる状態です。背景に「夜のインスリンが多すぎる」ことがあるため、高血糖だからといって安易に増量しないことが重要です。

起こりやすいきっかけ:

  • 夕食量が少ない/炭水化物が不足していた
  • 就寝前の運動量が多かった
  • アルコール摂取

夜間の低血糖が自覚できない場合、次のようなサインが出ることがあります:

  • 悪夢を見る
  • 寝汗をかく
  • 朝起きた時に頭痛やだるさを感じる

朝の血糖が高い場合にソモジー効果を疑うには、深夜(2〜3時頃)の血糖を確認するのが有効です。深夜の血糖が低ければ(一般に70mg/dL未満など)、ソモジー効果の可能性が高くなります。

出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019」p.97–98、糖尿病治療ガイド2022–2023 p.79–80、UpToDate(2024)

違いを見極めるには?

最大の違いは、先行する低血糖の有無です。暁現象では深夜(2〜3時頃)に低血糖は見られにくく、ソモジー効果では深夜低血糖が先に起こり、その反動で朝に高血糖になりやすい、という「原因が正反対」の関係があります。

CGM(持続血糖モニタリング)で可視化

FreestyleリブレやDexcom G7などのCGMを使えば、夜間の血糖変化を連続的に把握できます。「深夜に低血糖が起きていないか」を確認するのに非常に有効です。

よくある質問(FAQ)

朝だけ血糖が高いのはなぜですか?
朝だけ血糖が高い場合、主に「暁現象」または「ソモジー効果」の2つが考えられます。原因によって対応が異なるため、夜間の血糖推移(深夜の血糖やCGM)を確認することが重要です。
暁現象とは何ですか?
暁現象とは、早朝4〜6時頃に成長ホルモンやコルチゾールの影響でインスリンの効きが悪くなり、夜間低血糖がないまま血糖が上昇する現象です。起床時に血糖が高くなるのが特徴です。
ソモジー効果とは何ですか?
ソモジー効果とは、夜間に低血糖が起こり、その反動としてアドレナリンやグルカゴンなどが分泌され、朝に高血糖になる状態です。インスリン量が多すぎる場合に起こることがあります。
暁現象とソモジー効果はどうやって見分けますか?
見分けるポイントは、深夜2〜3時頃の血糖です。深夜に低血糖がなければ暁現象、低血糖が確認されればソモジー効果の可能性が高くなります。
リブレなどのCGMは役に立ちますか?
はい。CGM(持続血糖モニタリング)を使うことで、夜間の血糖変動や低血糖の有無を連続的に確認でき、暁現象とソモジー効果の判別に非常に有用です。
朝の血糖が高いとき、自己判断でインスリンを増やしてもいいですか?
自己判断で治療を変更することはおすすめできません。特にソモジー効果の場合、インスリンを増やすと夜間低血糖が悪化する可能性があります。必ず主治医に相談してください。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

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