日本人2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬カナグリフロジンの肝機能への影響:臨床試験のプールおよびサブグループ解析
Effects of canagliflozin, an SGLT2 inhibitor, on hepatic function in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus: pooled and subgroup analyses of clinical trials.
J Gastroenterol. 2018 Jan;53(1):140-151.
目的
高ALT患者(ALT>30U/L)におけるカナグリフロジンの有効性およびその安全性を調査することを目的とした。
方法
2型糖尿病患者におけるカナグリフロジンのこの事後分析は、試験1(12および24週間のプラセボ対照単剤試験のプール分析)および試験2(52週間の単独療法/併用療法試験)。カナグリフロジン100mg群データを、プラセボまたはベースラインALTサブグループ(ベースラインALT> 30または≦30U/L)データと比較した。プライマリエンドポイントは、ベースラインからのALTレベルの変化であった。二次エンドポイントは、効力関連パラメータの変化であった。有害事象(AE)を評価した。
結果
高ALTサブグループのカナグリフロジン対プラセボ群では、12週間の平均ALT変化は-10.3±11.7および-3.2±17.6U / Lであった(P=0.0206)。低ALTサブグループ(研究1)に有意差は示されなかった。両方のALTサブグループにおいて、グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)および体重は、カナグリフリジン対プラセボ群で有意に減少した(すべてP<0.0001)。52週目におけるALTの平均変化は、高ALTサブグループにおいて-16.0±18.8U/Lであった(P<0.0001、試験2)。カナグリフロジン群の高ALTサブグループにおけるAEまたは重篤AEの発生率は、プラセボ群(試験1)または低ALT亜群(試験1および2)と同様であった。
結論
肝機能障害を有する2型糖尿病患者では、カナグリフロジンは肝機能を改善し、HbA1cおよび体重を減少させ、認容性も良好であった。