糖尿病内科

DPP-4阻害薬に関連する水疱性類天疱瘡の日本人5例の報告

02/06/2018

DPP-4阻害薬と関連した水疱性類天疱瘡:5例の報告。


Bullous pemphigoid associated with dipeptidyl peptidase-4 inhibitors: A report of five cases.

J Diabetes Investig. 2018 Mar;9(2):445-447.

水疱性類天疱瘡は、自己免疫性水疱性皮膚疾患である。最近、DPP-4阻害薬によって誘導される水疱性類天疱瘡が懸念されている。これまで、DPP-4阻害薬はその認容性の高さから日本市場において圧倒的シェアを占有するに至っていた。糖尿病内科においても同様の傾向が見られる。DPP-4阻害薬は、その安全性および有効性のためにアジア人集団において一般的に使用されるが、DPP-4阻害薬と関連する水疱性類天疱瘡は、臨床的状況において時々見られる。ここでは、DPP-4阻害薬に関連する水疱性類天疱瘡の日本人5例を報告する。これらの症例では、水疱性類天疱瘡は高齢者において、水疱性類天疱瘡、性別、血糖コントロールおよび糖尿病期間の潜伏期間に関して様々な臨床症状を示した4種類のDPP-4阻害薬を用いたことで発生した。

水疱性類天疱瘡の画像

(a)症例1の紅斑による水疱性発疹の播種。

(b)皮膚の顕微鏡像(HE染色、20倍)

DPP-4阻害薬を中止することで、水疱性類天疱瘡の改善がみられ、経口ステロイド投与および静脈内免疫グロブリン療法を必要とする場合でも寛解を達成した。我々はこの合併症の早期診断の重要性に注目し、DPP-4阻害薬の迅速な中止をすべきである。

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