脈圧( 血圧の上と下の差)が大きいのは危険です

16/08/2019

脈圧(血圧の上と下の差のこと)が大きいのは良くないサインです。

脈圧が大きいのは、動脈硬化のリスクが高いことを意味します。脈圧の値ですが、正常血圧の場合、40~50前後の値を示すとされます。ある研究では、脈圧65以上の場合は心筋梗塞や脳血管疾患**の危険性が高くなるという報告もあります。

*J Am Heart Assoc. 2018 Apr 17;7(8).
**J Hypertens. 2011 Feb;29(2):319-24.

血圧には上の血圧と下の血圧がありますね。

上の血圧のことを、収縮期血圧といいます。下の血圧のことを、拡張期血圧といいます。

上下の血圧の差を脈圧といいます。

脈圧とは、上の血圧と下の血圧の差です。

脈圧は大動脈硬化の程度を反映します。

大動脈とは何でしょうか。大動脈は心臓から全身に血液を送り出す、最も太い動脈です。

大動脈の走行

大動脈は横隔膜を境に大きく胸部大動脈と腹部大動脈に分かれます。

胸部大動脈では、心臓から出てすぐの最も太い動脈を上行大動脈といいます。頭や腕へ血液を送る頚動脈などの中動脈を分枝しながら大きくUターンします。このUターン部を弓部大動脈といいます。次の胸の中で心臓の後ろをお腹に向かって降りてくる部位を下行大動脈と言います。

さらに、横隔膜を貫き腹部大動脈となります。腹部大動脈は肝臓、胃腸、腎臓などの腹部の臓器に血液を送りだす枝を出し、臍の高さで、骨盤内の内臓や左右の足を栄養する左右総腸骨動脈に分かれます。

大動脈が硬くなると脈圧が高くなる(=動脈硬化です)

この大動脈に動脈硬化が起こり、伸展性がなくなると、大動脈壁の血流緩衝作用が失われるので、血液を駆出している収縮時の血圧は高くなり、血液が駆出されていない心臓の拡張時の血圧は著しく低下してきます。つまり、血圧の上と下の差が開くということは大動脈硬化が進行していることを意味します。

大動脈硬化は加齢によって起こります。誰にでも起こるものなのですが、進行を遅らせるためには、それ以外の動脈硬化のリスクを下げましょう。

具体的には、血圧を下げること、悪玉コレステロール(LDL-C)を下げ、善玉コレステロール(HDL-C)を上げること、糖尿病を予防する、または治療すること、禁煙することなどが重要です。

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