甲状腺と不妊治療|妊活・不妊治療で知っておきたい甲状腺の話|船橋市のしもやま内科

🔎 要点まとめ

  • 甲状腺ホルモンは妊娠・不妊治療の成功に大きく関わる
  • TSHの高値や抗TPO抗体陽性は着床率・流産率に影響
  • 潜在性甲状腺機能低下症でも管理が重要
  • 当院では産婦人科と連携して甲状腺ホルモンを管理

不妊治療や妊活中の方にとって、甲状腺ホルモンのバランスは非常に重要です。
ホルモン異常は排卵や着床に影響するだけでなく、流産のリスクを高める可能性があると報告されています。
専門医による早期のチェックと管理で、安心して妊娠に向き合えるサポートをいたします。

妊活中のTSH管理は大丈夫?|甲状腺専門医が詳しく解説|船橋市のしもやま内科

甲状腺と不妊治療の関係

妊娠を希望する方にとって、甲状腺ホルモン(TSH・FT4)は排卵機能や子宮内膜の環境、着床に密接に関わります。
特に潜在性甲状腺機能低下症(TSH 2.5〜4.0程度)でも不妊治療に影響を及ぼすとされ、管理が重要です。

  • TSH高値 ➡ 排卵障害・黄体機能不全
  • 抗TPO抗体陽性 ➡ 着床率低下・流産率上昇の可能性

(出典:日本甲状腺学会 妊娠甲状腺ガイドライン2023、Poppe K et al. Thyroid. 2007、Negro R et al. N Engl J Med. 2010)

どんな検査が必要?

  • TSH(甲状腺刺激ホルモン)
  • FT4(遊離型サイロキシン)
  • 抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体
  • 甲状腺エコー(結節・腫大の評価)

治療方針について

潜在性甲状腺機能低下症でも、TSHが2.5μIU/mLを超える場合には
レボチロキシン(チラーヂン)補充療法を検討します。
治療により着床率の改善や流産予防の可能性があるため、不妊治療と並行して管理するケースが多いです。
(出典:日本甲状腺学会 妊娠甲状腺ガイドライン2023)

当院の診療体制

しもやま内科では日本甲状腺学会認定の甲状腺専門医が在籍し、
産婦人科(くらもちレディースクリニック・船橋市立医療センター産婦人科など)と密に連携しながら
妊娠前から妊娠成立後まで一貫した甲状腺ホルモン管理を行っています。

📄 よくある質問(FAQ)

不妊治療前に甲状腺の検査は必要ですか?

TSH・抗TPO抗体などの評価は妊活の大事な項目です。

抗体陽性だけで治療が必要ですか?

TSHが正常なら経過観察の場合もありますが、不妊治療中は慎重にフォローします。

レボチロキシンを飲むと妊娠しやすいですか?

潜在性低下症が補正されると妊娠率が向上するという報告があります。

妊娠中も薬は続けますか?

必要に応じて継続し、用量を調整します。医師の指示に従ってください。

自己判断で休薬しても大丈夫ですか?

危険です。自己中断は流産や胎児発育不全のリスクがあります。

妊活・不妊治療で甲状腺が気になる方は専門医へご相談ください
しもやま内科では甲状腺専門医が婦人科と連携して妊娠成立をサポートしています。
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妊娠中・妊娠希望時の潜在性甲状腺機能低下症の管理
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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

30/06/2025