好酸球性副鼻腔炎

「一年中鼻づまりが続く」「粘り気の強い鼻水や後鼻漏」「においがほとんど分からない」──このような症状が長く続く場合、通常の副鼻腔炎とは異なる好酸球性副鼻腔炎の可能性があります。このページでは、症状の特徴・通常の副鼻腔炎との違い・治療の方向性と受診の目安を、内科の立場からわかりやすく解説します。

好酸球性副鼻腔炎は、近年注目されているアレルギー性・難治性の副鼻腔炎です。通常の副鼻腔炎と比べて再発しやすく、強い鼻づまりやにおいの低下が長く続くのが特徴です。

耳鼻咽喉科での専門的な治療が中心となりますが、喘息やアレルギー、好酸球増多など全身の病態が背景にあることも多く、内科での評価・併存症管理も重要です。
このページでは、好酸球性副鼻腔炎の基礎知識と、しもやま内科で行うサポートについてまとめました。

鼻づまり・好酸球性副鼻腔炎で悩む女性|しもやま内科(船橋市)

🏥 船橋市で「長引く鼻づまり」にお困りの方へ

「風邪が治っても鼻づまりだけ残っている」「市販薬を続けても良くならない」「においが分かりにくい状態が何か月も続いている」──このようなとき、単なる風邪や花粉症だけでなく、好酸球性副鼻腔炎などの慢性疾患が隠れていることがあります。

しもやま内科では、血液検査(好酸球・アレルギー・喘息の評価など)や合併症チェックを行い、必要に応じて耳鼻咽喉科での精密検査・手術治療が受けられるよう、地域の医療機関と連携して診療を進めています。

🦠 好酸球性副鼻腔炎とは?

好酸球性副鼻腔炎は、副鼻腔(鼻の周囲にある空洞)の粘膜に好酸球という炎症細胞が多く集まり、慢性的な炎症を起こす病気です。
通常の細菌性副鼻腔炎と比べて再発しやすく、長期にわたる鼻づまりや嗅覚低下が特徴です。

  • 原因:アレルギー体質や喘息、アスピリン喘息などと関連が深いとされています。
  • 病態:好酸球が粘膜に集まり、ポリープ(鼻茸)ができやすく、粘り気の強い鼻汁や後鼻漏が続きます。
  • 経過:薬だけでは治りきらず、よくなったり悪くなったりを繰り返すことも多いです。

🤧 主な症状

好酸球性副鼻腔炎では、次のような症状が長く続きやすくなります。

  • 一年を通じて続く強い鼻づまり(左右どちらか、あるいは両側)
  • 粘り気のある鼻水、透明〜黄白色のどろっとした鼻汁
  • 鼻の奥から喉に垂れてくる後鼻漏(のど違和感・咳込みの原因になることも)
  • においが分かりにくい・全く分からない(嗅覚低下・嗅覚消失)
  • 頬・目の下・額などの圧迫感や痛み
  • ポリープ(鼻茸)を指摘されたことがある
  • 喘息やアスピリン喘息、アレルギー性鼻炎を合併している

「花粉症シーズン以外でもずっと鼻が詰まっている」「においだけが戻らない」といった場合は、好酸球性副鼻腔炎が隠れている可能性があります。

🔍 通常の副鼻腔炎との違い

通常の(細菌性)副鼻腔炎との違いを、ポイントで整理します。

  • 原因:通常の副鼻腔炎は細菌感染が主体、好酸球性副鼻腔炎はアレルギーや免疫応答が中心
  • 症状の持続:通常の副鼻腔炎は数週間〜数か月で改善することが多いのに対し、好酸球性副鼻腔炎は慢性的に長期間続きやすい
  • 嗅覚低下:好酸球性副鼻腔炎ではにおいの障害が目立ちやすい
  • 再発性:手術や薬物治療を行っても再発を繰り返しやすい
  • 合併症:喘息・アスピリン喘息などを合併することが多く、全身病として捉える必要があります。

このような特徴から、好酸球性副鼻腔炎は「鼻だけの病気」ではなく、全身のアレルギー・炎症と関わる病態として考えられています。

🩺 診断の流れ(内科での評価と耳鼻咽喉科との連携)

  1. 症状の聞き取り
    鼻づまりの期間、季節性の有無、鼻水の性状、嗅覚の状態、顔面痛の有無、喘息・アレルギー歴などを詳しく伺います。
  2. 身体診察
    鼻や咽頭の観察に加え、胸部聴診や呼吸状態、皮膚のアレルギー所見など全身の状態も確認します。
  3. 血液検査
    好酸球の増加、IgE値、アレルギー関連検査、慢性炎症の有無をチェックし、喘息や好酸球性肺疾患など他の合併症がないかを評価します。
  4. 耳鼻咽喉科での精密検査
    必要に応じて、耳鼻咽喉科での鼻内視鏡検査や副鼻腔CTなどを依頼し、ポリープの有無や副鼻腔の状態を詳しく確認します。

しもやま内科では、内科的な評価(喘息・アレルギー・好酸球増多など)を行ったうえで、専門的な治療が必要と判断した場合は耳鼻咽喉科と連携した診療を行います。

💊 治療の基本方針

1)薬物療法

  • ステロイド薬:内服・点鼻などで好酸球炎症を抑えます。
  • 抗アレルギー薬・ロイコトリエン受容体拮抗薬:アレルギー性炎症を和らげます。
  • 生物学的製剤(抗体薬):重症例では、耳鼻咽喉科や呼吸器内科で生物学的製剤が検討されることがあります。

2)鼻洗浄・局所治療

  • 生理食塩水などによる鼻洗浄で、粘り気の強い鼻汁やアレルゲンを洗い流します。
  • ステロイド点鼻薬を正しい方法で使用し、局所の炎症を抑えます。

3)手術療法

ポリープが大きい場合や薬物療法で十分な効果が得られない場合には、耳鼻咽喉科で内視鏡下副鼻腔手術が検討されます。
手術後も、再発予防のための薬物療法や鼻洗浄が重要です。

4)合併症(喘息など)のコントロール

喘息やアスピリン喘息、アレルギー性鼻炎などの合併が多いため、呼吸器内科・アレルギー専門医との連携も重要です。
内科での全身管理と耳鼻咽喉科での局所治療を組み合わせていくイメージの病気です。

🧺 日常生活でできる工夫

  • 医師の指示に従ったステロイド点鼻薬・内服薬の継続
  • 鼻洗浄(鼻うがい)を習慣化し、粘稠な鼻汁やアレルゲンを洗い流す
  • 煙草の煙・粉じん・強い香りなど、刺激物をできるだけ避ける
  • 喘息のある方は、吸入薬などの治療を自己判断で中断しない
  • 睡眠不足・疲労をためすぎない、適度な運動を心がける

📅 このようなときは受診をご検討ください

  • 3か月以上、強い鼻づまりや後鼻漏が続いている
  • においが分かりにくい・ほとんど分からない状態が続いている
  • 市販薬や一般的な治療を続けても改善が乏しい
  • 喘息やアスピリン喘息、アレルギー性鼻炎を指摘されている
  • 鼻づまりに加えて、咳や息切れ、ぜーぜー音など呼吸器症状も気になる

受診先に迷う場合は、まず内科で全身状態やアレルギー・喘息の評価を行い、そのうえで耳鼻咽喉科と連携して治療方針を立てていくのがおすすめです。

📞 鼻づまりや嗅覚低下でお困りの方へ

「鼻づまりが当たり前になっている」「においがほとんど分からない」──そんな状態を放置せず、一度原因を整理してみませんか。
好酸球性副鼻腔炎を含め、全身のアレルギー・喘息の有無も含めて評価し、必要に応じて耳鼻咽喉科と連携して治療を進めていきます。

代表電話:047-467-5500

(しもやま内科|船橋市 芝山)

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本老年医学会 老年病専門医・指導医
  • 日本甲状腺学会 甲状腺専門医

生活習慣病や甲状腺疾患に加え、喘息やアレルギー疾患、長引く鼻症状などの診療にも携わっています。
必要に応じて耳鼻咽喉科や呼吸器内科と連携しながら、好酸球性副鼻腔炎を含む慢性の鼻づまり・嗅覚低下についても総合的な評価と治療方針の検討を行っています。

20/03/2025