亜鉛不足・亜鉛欠乏症の食事療法:原因と対策、効率的な摂取方法を解説【船橋市の内科が解説】

19/02/2025

亜鉛は、味覚の維持免疫機能の向上皮膚や髪の健康新しい細胞の生成など、体に不可欠なミネラルです。

しかし、偏った食事や特定の疾患、薬剤の影響により不足すると、以下のような亜鉛欠乏症の症状が現れます:

  • 味覚障害
  • 皮膚炎
  • 脱毛
  • 食欲不振

この記事では、亜鉛欠乏症の改善と予防に役立つ食事療法について、わかりやすく解説します。

1. 亜鉛を豊富に含む食品を積極的に摂る

まずは、亜鉛が多く含まれる食品を日々の食事に取り入れることが基本です。特に魚介類・肉類が効果的です。

食品 亜鉛含有量(100gあたり)
牡蠣(かき) 14.0 mg
豚レバー 6.9 mg
牛肉(赤身) 4.8 mg
きな粉 4.1 mg
鶏レバー 3.3 mg
うなぎ(蒲焼) 2.7 mg
納豆 1.9 mg
卵黄 4.2 mg
アーモンド 3.7 mg
プロセスチーズ 3.2 mg

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

メニュー例
夕食の主菜に「牡蠣のソテー」「牛赤身肉のステーキ」、副菜に「ほうれん草の納豆和え」などがおすすめです。

2. 亜鉛の吸収率を高める食べ合わせ

亜鉛の吸収率は約30%。以下の栄養素と一緒に摂取すると吸収率が高まります。

吸収を助ける栄養素

  • 動物性たんぱく質: 肉・魚・卵・乳製品
  • ビタミンC: ピーマン・ブロッコリー・柑橘類
  • クエン酸: 梅干し・レモン・お酢

食事例
「レモン汁をかけた牡蠣」「パプリカと牛肉の炒めもの」など、意識した食べ合わせがおすすめです。

3. 亜鉛の吸収を妨げる要因に注意

一方、以下の成分は亜鉛の吸収を妨げます。

成分 影響
フィチン酸 穀物・豆類に含まれ、亜鉛と結合して吸収を阻害(発酵食品は影響が少ない)
食物繊維 過剰摂取は吸収を阻害
タンニン コーヒー・緑茶・紅茶(食事中や直後の大量摂取は控える)
食品添加物 ポリリン酸塩(加工食品に多い)
アルコール 亜鉛の消費と排出を促す
カルシウムの過剰摂取 サプリメント過剰摂取は要注意

4. 具体的な食事メニュー例

和食献立例

  • 主食: 胚芽米ごはん
  • 主菜: 豚レバーのニラ炒め
  • 副菜: 牡蠣と豆腐のすまし汁、きゅうりとワカメの酢の物

洋食献立例

  • 主食: 全粒粉パン
  • 主菜: 牛肉とパプリカのオイスターソース炒め
  • 副菜: ブロッコリーと卵のサラダ(レモンドレッシング)

重要な注意点

医療機関への相談

亜鉛欠乏症の疑いがある場合は、必ず医師の診断を受けましょう。食事療法のみでは改善が難しい場合は、医師の指導下で亜鉛製剤(薬物療法)を行うこともあります。

バランスの取れた食事

亜鉛だけに偏らず、多様な栄養素を意識した食事を心がけましょう。

まとめ

日々の食事を少し意識するだけでも、亜鉛欠乏症の改善・予防につながります。

船橋市周辺で亜鉛欠乏症が気になる方、味覚異常や皮膚症状などが気になる方は、ぜひしもやま内科にご相談ください。

糖尿病専門医/内科医が、食事指導と治療をサポートいたします。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医

糖尿病、内科一般、脂質異常症、亜鉛欠乏症などの栄養管理にも幅広く対応。
地域密着型の総合内科医として診療を行っています。