亜鉛は私たちの体内で幅広く働いている欠かせないミネラルです。
味覚、免疫、皮膚や髪の健康、細胞の修復や再生などに関与しており、不足すると様々な不調が現れます。
ところが、亜鉛不足は初期には自覚しにくく、知らず知らずのうちに「低下症」の状態に陥ることもあります。
このページでは、亜鉛低下症のリスクが高い方が意識すべき食事の工夫と、サプリメント活用の注意点をわかりやすく解説します。
亜鉛不足になりやすいのはどんな人?
次のような方は特に亜鉛不足に注意が必要です:
- 高齢者(食事量・吸収力が低下しやすい)
- 妊娠中・授乳中の方(必要量が増える)
- 成長期の子ども・若年層(成長に多く使われる)
- 胃腸疾患のある方(吸収不良のリスク)
- 糖尿病のある方(尿中への排泄増加)
- 過度な飲酒をされる方
- 偏食・極端なダイエットをされている方
亜鉛不足がもたらす影響
- 免疫低下 → 風邪をひきやすくなる
- 味覚異常 → 食欲減退につながる
- 皮膚トラブル → 湿疹・かゆみが出やすい
- 脱毛・薄毛の進行
- 創傷治癒の遅れ
気になる症状が複数あてはまる場合は、早めの医師相談がおすすめです。
亜鉛を効率よく摂取する食事の工夫
1日10mg前後の亜鉛摂取が目安とされています(成人男性10mg、女性8mg程度)。
食事の組み立て例(シンプルVer.)
食事の場面 | 亜鉛を取り入れる工夫例 |
---|---|
朝食 | 胚芽米ごはん+納豆+卵 |
昼食 | 牛肉入り野菜炒め+小鉢に豆腐 |
夕食 | 魚介(牡蠣、うなぎなど)+野菜たっぷりスープ |
ポイント
- 魚介類・肉類・卵・豆類など「動物性たんぱく+植物性食品」を組み合わせる
- 発酵食品(納豆、味噌など)を活用する
サプリメント活用は慎重に
食事だけで十分摂取が難しい場合、サプリメントの活用も選択肢になります。
ただし、サプリメントの品質や用量には大きな差があるため注意が必要です。
- 品質のばらつき:吸収の良い形態(グルコン酸亜鉛、酵母由来など)が推奨
- 過剰摂取に注意:上限摂取量(男性40〜45mg/日程度)を超えると鉄や銅の吸収が妨げられることがある
- 安価なサプリは吸収率が悪かったり、不純物が含まれていることも
当院の考え方
サプリメントを選ぶ際は医師・薬剤師と相談したうえで、信頼できる製品を適切な量で使用することが重要です。
「とりあえずネットで安いものを買う」はおすすめできません。
医師への相談が必要なケース
以下のような場合は、自己判断でサプリメントを追加する前に必ず医師へ相談してください:
- 持病(特に腎疾患、肝疾患、糖尿病など)のある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 他のサプリメントや薬を多用している方
- 明らかな皮膚トラブル・味覚異常・脱毛などが出ている場合
まとめ
- 亜鉛は不足しやすいミネラル。気づきにくい体調不良の原因になっていることも。
- 食事からの摂取が基本だが、ライフステージによっては補助的にサプリメントも選択肢になる。
- サプリメントは「ピンからキリまで」存在するため、品質と用量を重視して慎重に活用する。
- 症状がある場合や持病のある方は、必ず医師に相談を。
亜鉛対策、始めませんか?
しもやま内科では、食事療法に豊富な経験を持つ医師が、患者さまの生活に寄り添ったアドバイスを行っています。
「続けられる亜鉛対策」を一緒に考え、無理なく改善をサポートします。
👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。
栄養・食事療法のサポートにも力を入れています。
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。
栄養・食事療法のサポートにも力を入れています。
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