「手や足がしびれる」——これも外来で本当によく聞く症状です。「脳梗塞の前触れじゃないか」と心配される方も多いですが、実際には手首や肘の神経の圧迫、糖尿病の影響など、原因はさまざま。今回はしびれの原因と見分け方をお伝えします。
しびれの原因——ざっくり分けると4つ
① 神経の圧迫(最も多い)
手根管症候群(手首の神経圧迫)・肘部管症候群(肘の神経圧迫)・頚椎ヘルニアなど。特定の指だけがしびれるのが特徴。「朝起きたら手がしびれてる」「スマホを長時間使ったあとに指がしびれる」——これらは典型的な神経圧迫です。
② 糖尿病による神経障害
糖尿病が長期間続くと、手足の先から「靴下を履いたみたい」「手袋をしたみたい」な感覚の鈍さが出てきます。両側対称にしびれるのが特徴。糖尿病の方がこういう症状を感じたら、まずは血糖コントロールの見直しが必要です。
③ 脳・脊髄の病気
脳梗塞の場合は「体の半分だけしびれる」「急に発生する」のが特徴。ただし「ちょっとしびれるな」程度で脳梗塞ということは稀です。とはいえ、急に始まった片側のしびれは要注意。
④ 甲状腺の病気
甲状腺機能低下症(橋本病)でも、手足のしびれやこわばりが出ることがあります。採血で簡単にわかるので、原因不明のしびれではチェックする価値があります。
「これは急いで受診」というパターン
- 顔の半分+片方の手足がしびれる
- しびれと一緒に言葉が出にくい・ろれつが回らない
- 急に始まった(数分〜数時間単位)
- しびれと一緒に歩けない・力が入らない
これらは脳卒中の可能性があるので、ためらわずに受診してください。
そうでもなければ、こんな感じでOK
- 「朝起きたら手がしびれてる」→ 手根管症候群の可能性。夜間に手首が曲がった姿勢で寝てると神経が圧迫されます。
- 「デスクワークで肘をついてるときに小指がしびれる」→ 肘部管症候群。肘当てを使うと改善します。
- 「両足の裏がモワモワする」→ 糖尿病性神経障害や腰部脊柱管狭窄症の可能性。
❓ よくある質問
Q1. 手のしびれは「年齢のせい」と考えていいのでしょうか?
加齢に伴う変化が影響していることはありますが、糖尿病性神経障害・頚椎症・手根管症候群・脳卒中の前ぶれなど、治療が必要な病気が隠れていることも少なくありません。特に、しびれが長く続く・少しずつ悪化する・力が入りにくい、といった変化がある場合は、一度医療機関での評価をおすすめします。
Q2. どの程度のしびれなら、すぐ受診した方がよいですか?
数週間〜数か月しびれが続いている・範囲が広がっている場合や、物を落とす・ボタンが留めづらいなど細かい動作に支障が出てきた場合、また糖尿病・甲状腺疾患などの持病がある場合は早めの受診をおすすめします。片側の脱力・顔のゆがみ・ろれつ困難を伴う場合は、救急受診を検討してください。
Q3. 整形外科か内科か、どちらを受診すべきか迷います。
首や肩の痛みが強く、腕全体のしびれや痛みが目立つ場合は整形外科も選択肢ですが、糖尿病や甲状腺疾患など内科的な背景が疑われる場合は、まず内科で全身評価を行うのも良い方法です。しもやま内科では、内科的原因の有無を確認したうえで、必要に応じて整形外科・脳神経内科などへご紹介しています。
Q4. 糖尿病があります。手のしびれは糖尿病のせいでしょうか?
糖尿病性神経障害はしびれの原因としてよく見られますが、すべてのしびれが糖尿病のせいとは限りません。血糖コントロールの状況やほかの原因の有無を総合的に判断する必要がありますので、一度ご相談ください。
Q5. 手のしびれだけで、MRIやCTは必要になりますか?
危険なサイン(片側の脱力・ろれつ困難・視野障害など)がある場合や、神経学的診察で脳や脊髄の病気が疑われる場合には、画像検査が必要になることがあります。しもやま内科では、必要に応じて連携医療機関で検査が受けられるよう調整いたします。
Q6. 手のしびれは自然に治ることもありますか?
一時的な姿勢や圧迫が原因のものは改善することもありますが、症状が続く・悪化する場合は病気が進行している可能性があります。早期に評価を受け、適切な対処をすることが大切です。