「最近、抜け毛が多くて…シャンプーのたびに排水口に髪の毛が溜まる」——女性の患者さんから本当によく聞く悩みです。脱毛の原因はストレス・栄養不足・ホルモンバランスの乱れなど様々。特に甲状腺と鉄欠乏は見逃されがちなので、今回はそのあたりを中心にお話しします。
脱毛の3大原因(内科的に)
① 甲状腺の病気
橋本病(甲状腺機能低下症)でもバセドウ病(機能亢進症)でも、髪の毛に影響が出ます。甲状腺ホルモンは毛包の成長サイクルに関わっているからです。「なんとなく髪のパサつきが気になる」「眉毛の外側が薄くなった」という方は、甲状腺のチェックをおすすめします。
② 鉄欠乏性貧血(隠れ貧血)
髪の毛の材料になるのはたんぱく質ですが、その生成に鉄も必要です。フェリチン(貯蔵鉄)が低下すると、体は「髪の毛より大事な臓器に鉄を回そう」とするので、髪の成長が止まって抜け毛が増えます。特に生理のある女性は要注意。「貧血ですね」と言われたことがなくても、貯蔵鉄が足りていないケースは多いです。
③ 亜鉛不足
亜鉛も髪の成長に必須のミネラルです。偏食・ダイエット・お酒の飲み過ぎで不足しがち。採血で簡単に調べられます。
その他、よくある原因
- ストレス(休止期脱毛)——大きなストレスの2〜3ヶ月後に、大量の髪が抜けることがあります。自然に治ることが多いですが、半年以上続くなら精査を。
- 加齢——女性も年齢とともに髪の量は減ります。男性型脱毛症(AGA)の女性版もあります。
- 更年期——女性ホルモンの減少が脱毛に影響します。
- 薬の副作用——一部の血圧の薬・抗うつ薬・ピルなど。
❓ よくある質問
脱毛症で内科を受診していいの?
もちろんです。脱毛の原因として甲状腺・貧血・栄養不足は非常に多いので、まずは血液検査でそれらを除外するのが第一歩です。皮膚科と連携して治療することもあります。
サプリを飲めば改善する?
原因が鉄不足なら鉄剤、亜鉛不足なら亜鉛サプリは有効です。でも「とりあえず何となく飲んでみる」はおすすめしません。まずは血液検査で何が不足しているかを確認してから、必要なものを補うのが効率的です。