血糖測定のやり方・針の深さの目安と手順|穿刺器具の使い方・SMBG完全ガイド|船橋市 しもやま内科

血糖測定を「正しく・痛みを少なく・正確に」行うための実践ガイド

自己血糖測定(SMBG)は、糖尿病の治療で非常に重要なツールです。しかし「針を刺すのが怖い」「血が出ない」「値がばらつく」といったお悩みをよく伺います。

このページでは、糖尿病専門医が実際の機器を使って指導している内容をもとに、血糖測定のやり方・針の深さの目安・穿刺器具の使い方・血が出ない時の対処法などをわかりやすくまとめました。初めての方でも、この1ページで自己血糖測定の正しい手順をマスターできます。

血糖測定の目的:血糖測定は単なる「数値を知るため」ではなく、治療の効果を確認し、低血糖や高血糖を早期に発見するための重要な手段です。正しい測定方法を身につけることで、より安全で効果的な糖尿病治療が可能になります。

血糖測定に必要な物品一覧(早見表)

血糖測定を始める前に、以下の物品を揃えておきましょう。すべて市販の糖尿病用キットに含まれているものばかりです。

物品 役割 ポイント
血糖測定器本体 血糖値を表示 定期的に精度確認を
センサー(試験紙) 血液を吸い込んで測定 有効期限・保存状態に注意
穿刺器具(ランセット) 指に小さな穴を開ける 深さ調整機能が付いたものが便利
穿刺針(ランセット針) 実際に皮膚を穿刺する針 必ず1回使い切り
アルコール綿 穿刺部位の消毒 アルコールが完全に乾いてから測定
針廃棄用容器 使用済み針の安全な廃棄 硬いプラスチック容器(空ペットボトル等)

穿刺部位の選び方(おすすめランキング)

血糖測定の針の深さを決める前に、まずどの指のどこを刺すかを知っておくことが大切です。穿刺する場所によって痛みの感じ方や血の出やすさが変わります。

順位 部位 理由・注意点
🏆 1位 指先の側面(爪の両脇) 神経が少なく痛みが最も少ない。穿刺の針の深さも浅めで済む。
2位 指腹のやや外側 標準的だが中央よりは痛みが少ない。深さは3〜4程度が目安。
❌ 避ける 指の腹の中央・親指・人差し指の腹 痛みが強く、日常生活でよく使う部位は避ける。

おすすめの指のローテーション:小指・薬指・中指の側面を中心に、10本の指を順番に使うと特定の指に負担がかかりません。毎回違う指・違う場所を選ぶのが理想的です。

血糖測定の手順|ステップバイステップ

ここでは、血糖測定器と穿刺器具を使った具体的な測定手順を9つのステップで解説します。初めての方も、順番に進めるだけで正しく測定できます。

1必要な物品を揃えて、手を洗いましょう

上記の物品をすべて揃えたら、まず石鹸で手をよく洗います。温水で洗うと血行が良くなり、血が出やすくなります。

重要:果物や甘い飲み物を扱った後、手を洗わずに測定すると、果汁や糖分が指先に付着して実際より極端に高い値が出ることがあります。必ず測定の前には手洗いを徹底してください。

血糖測定の前に手を洗う

2穿刺の針の深さを調節しましょう

血糖測定の針の深さは、測定のしやすさと痛みに直結します。指先の皮の硬さは人によって違うため、穿刺器具の深さ調整ダイヤルを自分に合った値に設定します。

当院で使用している穿刺器具での目安:

1〜2
皮が柔らかい人
(子ども・高齢者)
3〜4
普通の人
(標準的な成人)
5〜6
皮が硬い人
(指にタコがある等)

指の側面(爪の両脇)なら浅め(1〜2)で十分なことが多いです。深すぎると痛みが強くなり、青あざの原因になります。「血が出ないから」といきなり最大にせず、まずは3から始めて調整するのがおすすめです。

穿刺器具の深さ調整ダイヤル

3穿刺器具に新しい穿刺針をセットします

穿刺針(ランセット針)は必ず新品を使います。再利用すると痛みが増し、感染リスクも高まります。

コツ:針を机の上に横向きに置き、穿刺器具を上からかぶせるように片手で挿入すると失敗しにくいです。確認窓で針が正しく収まっているか確認しましょう。

新しい穿刺針をセットする方法

4穿刺針の保護キャップを取ります

正しく針がセットできたら、保護キャップを外します。

NG:保護キャップを無理に引っ張って外そうとすると、針が飛び出して危険です。

OK:半回転以上回してから引き抜くとスムーズに外せます。回す方向は左右どちらでも大丈夫です。

穿刺針の保護キャップの外し方

5センサー(試験紙)を測定器に挿入します

センサー容器から1枚取り出したら、すぐに容器のふたをしっかり閉めて湿気を防ぎます。

ポイント:センサーは灰色の電極のついた面を手前にして測定器に挿入します。正しく挿入されると自動で電源が入り、測定待機状態になります。

血糖測定器にセンサーを挿入

6指先を穿刺します

穿刺器具の先端を、指先の側面(爪の両脇の部分)にしっかり当て、ボタンを押します。「カチッ」という音とともに針が出ます。

うまく刺さらなかった場合:ツマミを引き戻すと、同じ針でもう一度穿刺できます(1回の針で再穿刺できるのは2〜3回まで)。

穿刺後、少量の血液がにじみ出ます。最初は小さな一滴ですが、測定に必要な量ではありません。反対の手の指で穿刺部位のやや上から優しく押し出すようにして、ゴマ粒より大きい一滴にしてください。

注意:強く絞りすぎると組織液が混ざり、測定値が実際より低くなることがあります。優しく押し出すようにしましょう。

指先の側面を穿刺する様子

7血液を測定器のセンサーに吸引させます

ゴマ粒大の血液の滴に、センサーの先端(吸入口)を軽く接触させます。毛細管現象で血液が吸い込まれ、吸引音(「ピッ」)が鳴ります。

成功の合図:「ピッ」と音が鳴り、測定器がカウントを始めます。数秒〜十数秒で血糖値が画面に表示されます。

エラー表示が出た場合:血液量が不足しています。同じ指をもう一度優しく押し出して、より大きな一滴を作り、新しいセンサーで再試行してください。

血液を測定器のセンサーに吸引させる

8血糖値を記録し、使用済みセンサーを廃棄します

表示された血糖値を、自己管理ノートやアプリに記録します。日付・時間・食事との関係(食前・食後)も一緒に書くと、後で見返すときに役立ちます。

本体側面の破棄レバーを赤い矢印の方向にスライドさせると、センサーが外れます。

センサーの廃棄:使用済みのセンサー(試験紙)は一般ゴミ(家庭ごみ・可燃物)として廃棄できます。血液が付着していますが、ごく微量なので通常のゴミ処理で問題ありません。

破棄レバーでセンサーを外す

9使用済み穿刺針を安全に廃棄します

使用済みの穿刺針は医療廃棄物に該当します。一般ゴミとしてそのまま捨てることはできません。

正しい廃棄手順:

  1. 空のペットボトルや洗剤ボトルなどの硬いプラスチック容器を用意する
  2. 使用済み針をその容器に入れる
  3. ふたをしっかり閉めて「危険・針あり」と明記する
  4. 調剤薬局に提出する(しもやま内科では針の回収は行っておりませんので、ご了承ください)

穿刺器具ジェントレットの使用済み針を空のペットボトルに捨てる手順

❓ よくある失敗と対処法

測定結果が異常に高い(300以上)
手を洗わずに測定した可能性が高いです。果汁や糖分が指先に付着していると、実際より高い値が出ます。手をよく洗ってから再度測定しましょう。それでも同じ値なら高血糖の可能性があるので医師に相談してください。
エラー表示が出る
血液量が不足、またはセンサーの挿入不良が原因です。指をもう一度優しく押し出して、ゴマ粒より大きい一滴を作り直しましょう。新しいセンサーで再試行し、吸入口にしっかり血液を接触させてください。
指が痛い・青あざになる
穿刺の針の深さが深すぎる、または同じ指の同じ場所を繰り返し刺している可能性があります。深さ調整ダイヤルを1つ浅く設定し(例:4→3)、穿刺する場所を毎回変えましょう。指の側面(爪の両脇)を使うと痛みが軽減します。
測定値が不安定(ばらつきが大きい)
センサーの保存状態(高温・多湿はNG)、測定タイミング(食後は血糖が上昇中)、手指の清潔さが影響します。測定条件をなるべく一定にしましょう。それでも改善しない場合は測定器の精度確認や電池交換を検討してください。
血が出ない・血が止まらない
血が出ない場合は①穿刺の深さを1段階深くする②指を下に向けて揉みほぐす③温かいお湯で手を温めてから再試行、の順で対処します。血が止まらない場合は止血をしっかり行い、それでも止まらない場合は医療機関を受診してください。

🚨 低血糖が疑われるときはすぐに測定を

次のような症状がある場合、低血糖(血糖値70mg/dL未満)の可能性があります。迷わずすぐに血糖測定を行ってください。

強い空腹感
冷や汗・動悸
手の震え
めまい・ふらつき
意識がボーっとする
頭痛・集中力低下

低血糖が見つかったら:血糖値70mg/dL未満なら、すぐにブドウ糖(ブドウ糖錠3〜5錠・100円ショップのブドウ糖でも可)または砂糖入り飲料(ジュース半杯)を摂取してください。15分後に再測定し、改善がなければもう一度補食を。意識障害がある場合は周囲の人が救急車を呼んでください(🚑119番)。

インスリン治療中やSU薬(グリメピリド等)を服用中の方は特に低血糖リスクが高いため、常に測定器を持ち歩き、異変を感じたらすぐに測定できるようにしておきましょう。

💡 血糖測定を快適に行うコツ

  • 手を温める:測定前に温水で手を洗うと血行が良くなり、血が出やすくなります
  • 針の深さは最初は浅めに:いきなり5〜6にせず、まず3から試して調整する
  • 指は毎回ローテーション:10本の指を順番に使うと痛みが分散します
  • 測定時間を決める:食前・食後2時間など、毎日同じタイミングで測ると比較しやすい
  • アルコールは完全に乾かす:湿った状態で穿刺すると値が不正確になります
  • 記録を習慣に:数値だけでなく、食事内容や体調もメモしておくと治療に役立ちます
  • 困ったら医療機関に相談:しもやま内科では測定方法の個別指導を行っています

よくある質問(FAQ)

血糖測定のやり方は?
①手を石鹸でよく洗う②穿刺器具の針の深さを調整する③新しい穿刺針をセットする④センサーを測定器に挿入する⑤指先の側面を穿刺し、血液を出す⑥血液をセンサーに吸引させる⑦表示された数値を記録する⑧使用済みセンサーと針を適切に廃棄する。以上の流れで行います。詳しくはこのページのステップバイステップをご覧ください。
血糖測定の針の深さはどのくらい?
穿刺器具の目盛りで「2〜4」が標準的な目安です。皮膚が柔らかい人や指の側面を穿刺する場合は1〜2、標準的な成人は3〜4、皮膚が硬い人や指の腹を穿刺する場合は5〜6を目安にしてください。最初は「3」に設定して、血の出やすさや痛みを見ながら調整するのがおすすめです。深すぎると痛みや内出血の原因になります。
血糖測定器の使い方を教えてください
①清潔な手でセンサー(試験紙)を1枚取り出し、灰色の電極面を手前にして測定器に挿入します(自動で電源ON)②穿刺器具で指先に穴を開け、ゴマ粒大の血液を作ります③センサー先端を血液に接触させ、「ピッ」という吸引音が鳴るのを確認します④数秒後、画面に血糖値が表示されます。測定器によってボタン操作やコード入力が必要な機種もありますので、お手元の機器の取扱説明書も併せてご確認ください。
穿刺器具の使い方は?
①深さ調整ダイヤルを回して自分の肌に合った深さに設定する②新しい穿刺針をセットし、確認窓で正しく収まっていることを確認する③保護キャップを半回転以上回してから抜く④穿刺器具の先端を指先の側面にしっかり当て、ボタンを押す⑤「カチッ」という音とともに針が出て穿刺完了。使用後は針を安全に廃棄してください。針は必ず1回使い切りです。
血糖測定の手順を教えて
大まかな流れは「準備(物品・手洗い)→穿刺の深さ調整→針セット→センサー挿入→穿刺→血液吸引→記録→廃棄」の8ステップです。初めての方は多少時間がかかりますが、慣れれば1回2〜3分で完了します。しもやま内科では、初回の患者さんに実際の機器を使った指導を15分程度で行っていますので、不安な方はご来院ください。
自己血糖測定の正しい方法は?
正しい方法のポイントは3つ:(1)穿刺前に必ず手を洗い、アルコールが完全に乾いてから穿刺する(2)おすすめの穿刺部位は小指〜中指の側面(爪の両脇)で、毎回違う指をローテーションする(3)血液はゴマ粒より大きい一滴を確保し、強く絞りすぎない。この3つを守るだけで測定精度が大きく向上します。
指のどこを刺せばいい?
指先の側面(爪の両脇)がベストです。この部位は神経が少なく、痛みが最も軽減されます。指の腹の中央は神経が集中しているため痛みが強く、親指と人差し指は日常生活での使用頻度が高いためできるだけ避けましょう。小指・薬指・中指の側面を中心に、10本をローテーションしながら使うのが理想的です。
血が出ない時の対処法は?
①穿刺の深さを1〜2段階深く調整する②指を下に向けて重力で血流を促す③穿刺部位の少し上から優しくマッサージする④指先を温水で温めて血行を良くする⑤別の指に変えてみる。それでも出ない場合は、新しい穿刺針に交換してください(針先が鈍っている可能性があります)。強く絞りすぎると組織液が混ざるので注意しましょう。
血糖測定のコツは?
①測定前の手洗いは温水で(血行促進+清潔)②穿刺は指の側面(神経が少なく痛みが軽い)③深さは最初「3」からスタートして微調整④血液はゴマ粒大を目安に、優しく押し出す⑤センサーは吸入口を横から軽く接触させる⑥測定条件(時間・タイミング)を統一する。この6つを意識するだけで、痛みが減り、正確な値が得られるようになります。
使用済みの針はどう捨てればいいですか?
使用済み穿刺針は医療廃棄物です。空のペットボトルや洗剤ボトルなどの硬いプラスチック容器に入れ、ふたを閉めて「危険・針あり」と明記した上で、調剤薬局に提出してください。しもやま内科では針の回収は行っておりませんのでご了承ください。一般ゴミにそのまま捨てることは絶対にしないでください(清掃員の方がケガをする恐れがあります)。
低血糖の症状が出たらどうすればいい?
冷や汗・動悸・手の震え・強い空腹感などがある場合は、すぐに血糖測定をしてください。血糖値が70mg/dL未満なら、ブドウ糖(ブドウ糖錠3〜5錠)や砂糖入り飲料(ジュース半杯)を摂取し、15分後に再測定します。改善しない場合はもう一度補食を。意識障害がある場合は周りの人がすぐに救急車(119番)を呼んでください。インスリン治療中の方は特に注意が必要です。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)

しもやま内科 院長

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本老年医学会 老年科専門医・指導医
  • 日本甲状腺学会 甲状腺専門医

糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。血糖自己測定(SMBG)の指導は開院以来継続して行っており、初めての方でも安心して始められるよう丁寧にサポートしています。

🏥 しもやま内科のSMBG指導

当院では、糖尿病専門医・指導医が、患者さん一人ひとりに合わせたSMBG指導を行っています。「何回測定すべきか」「目標の血糖値はどれくらいか」「測定結果をどう記録すればいいか」――こうした疑問に、図を使いながら丁寧にお答えします。

✅ 測定器の使い方指導
✅ 測定スケジュールの作成
✅ 目標血糖値の設定
✅ 記録方法のアドバイス

診療時間:月・火・木・金 9:00~12:00 / 14:45~17:30、土 9:00~12:00(水日祝休診)
電話:047-467-5500
アクセス:京成電鉄松戸線「高根木戸駅」・東葉高速鉄道線「飯山満駅」から各々徒歩15分 駐車場7台完備

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最終更新日:2026-08-23

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

20/01/2020