血糖測定のやり方・手順|針の深さ・穿刺器具の使い方|船橋市 しもやま内科

血糖測定を「正しく・痛みを少なく・正確に」行うための実践ガイド

自己血糖測定(SMBG)は、糖尿病の治療で非常に重要なツールです。しかし「針を刺すのが怖い」「血が出ない」「値がばらつく」といったお悩みをよく伺います。

このページでは、糖尿病専門医が実際の機器を使って指導している内容をもとに、以下の点をわかりやすくまとめました。

  • 血糖測定に必要な物品一覧
  • 穿刺器具の正しい使い方と針の深さの目安
  • おすすめの穿刺部位と避けるべき部位
  • 血が出にくい・痛いときの対処法
  • 測定値の信頼性を高めるコツ

穿刺部位の選び方(おすすめランキング)

順位 部位 理由・注意点
1位 指先の側面(爪の両脇) 痛みが少なく、神経が少ない
2位 指腹のやや外側 標準的だが少し痛みやすい
避ける 指の腹の中央・親指・人差し指の腹 痛みが強く、日常生活で使いやすい部位を避ける

血糖測定に必要な物品一覧(早見表)

物品 役割 ポイント
血糖測定器本体 血糖値を表示 定期的に精度確認を
センサー(試験紙) 血液を吸い込む 有効期限に注意
穿刺器具(ランセット) 指に穴を開ける 深さ調整機能があるものが便利
穿刺針(ランセット針) 実際に刺す針 1回使い切り
アルコール綿 消毒 必ず乾いてから測定
廃棄用容器 使用済み針の廃棄 安全第一

「先生、血糖測定って毎日何回もやらないといけないんですか?指先が痛くて……」——先日、50代の女性患者さんが、測定器を見せながら相談されました。糖尿病歴3年で、医師に「毎日測って」と言われたそうですが、実は毎日何回も測定する必要があるのはインスリン治療中の方など一部の方だけ。内服薬のみの方は、週に2〜3回の「ペア測定」(食前と食後)で十分な場合が多いんです。

「先生、血糖測定って痛いし、毎日やるの大変そうで……」

先月、新しくインスリン治療を始めることになった60代の女性患者がそう言っていました。確かに、最初は「針を指に刺す」という行為に抵抗がある方が多いです。でも、実際にやってみると、「思ったより痛くなかった」「5分もかからない」という声を、ほとんどの患者さんから聞きます。

しもやま内科では、糖尿病専門医・指導医が正しい自己血糖測定(SMBG)の方法を、実際の機器を使って丁寧に指導しています。初めての方でも、1回の指導で自信を持って測定できるようになります。

このページでは、当院で使用している血糖測定器と穿刺器具を使った具体的な手順を、ステップごとに写真付きで解説します。

1必要な物品を揃えたら、手を洗いましょう


穿刺器具

血糖測定器

センサー

穿刺針

針捨て容器

自己管理ノート

これらの物品を揃えたら、次に石鹸でよく手を洗いましょう

注意:果物を食べた後、手を洗わずに指先で血糖測定をすると、果汁が混入して驚くほど高い血糖値が出ることがあります。血糖自己測定の前には必ず手をよく洗いましょう。

血糖測定の前に手洗い

血糖自己測定の前には必ず手を洗いましょう。

2深さ調整ダイヤルを操作して穿刺の深さを調節しましょう

指先の皮の硬さは人によって違います。当院で使用している穿刺器具では、以下の目安で調整します:

1〜2
皮が柔らかい人
3〜4
普通の人
5〜6
皮が硬い人

深さ調整ダイヤルを回して、自分に合った深さに設定しましょう。

深さ調整ダイヤルを操作

深さ調整ダイヤルを操作して穿刺の深さを調節しましょう

3穿刺器具に新しい穿刺針をセットします

意外と難しい作業ですが、コツがあります:

コツ:針を机の上に置いて、片手で挿入すると失敗しにくいです。正しく挿入されているかどうかは、確認窓で確認できます。

新しい穿刺針をセットする

新しい穿刺針をセットする

4穿刺針の保護キャップを取ります

正しく挿入できたら、穿刺針の保護キャップを取ります。

NG:保護キャップを引っ張ってはいけません。

OK:半回転以上回転させると上手に取ることができます。回す方向は左右どちらでも大丈夫です。

穿刺針の保護キャップを取ります

穿刺針の保護キャップを取ります

5センサーを挿入します

血糖測定器のセンサーを容器から1枚取り出します。容器のふたをしっかり閉めます。

ポイント:センサーは灰色の電極のついた面を手前にして挿入します。正しく挿入されると、血糖測定器の電源が自動で入ります。

センサーを挿入します

センサーを挿入します

6穿刺器具を指先の腹にあてて穿刺します

穿刺器具の先端を指先の腹(中央ではなく、少し横側)に当て、ボタンを押します。

うまく刺さらなかった場合:ツマミを引っ張ると、もう一度穿刺できます。

穿刺できたら、少しだけ血が出ます。せいぜい1mm程度の小さな一滴が盛り上がりますが、それでは少なくて測定できません。反対の手の指で押し出すようにして、ゴマ粒より大きいくらいの一滴にします。

穿刺器具を指先にあてて穿刺します

穿刺器具を指先にあてて穿刺します

7血液を測定器に吸引させます

先ほど作った、ゴマ粒ほどの血液の一滴に、センサーの先端を軽く接触させます。そうすると血液が吸引され(赤い部分が満ちていき)、「ピッ」という音がします。

成功:「ピッ」と音が鳴れば成功です。数秒で血糖値が表示されます。

エラー:血液の量が少なすぎるとエラーになり、測定できません。もう一度指を押し出して、大きめの一滴を作り直しましょう。

血液を測定器に吸引させます。

血液を測定器に吸引させます。

8血糖値をノートに記入したら、破棄レバーを押してセンサーを捨てます

本体の側面についている破棄レバーを赤い矢印の方向にスライドさせると、センサーが外れます。

廃棄方法:使用済みのセンサーは一般ゴミ(家庭ごみ、可燃物)として廃棄できます。

破棄レバーを押してセンサーを捨てる

破棄レバーを押してセンサーを捨てる

9使用済み穿刺針の廃棄方法

使用済み穿刺針は医療廃棄物です。可燃ごみとして普通に捨てることはできません。

注意:穿刺針は空いたペットボトルなどの硬いプラスチック容器に入れ、調剤薬局に提出してください。しもやま内科では針の回収は行っておりません。

穿刺器具「ジェントレット」の使用済み針を空のペットボトルに捨てる手順の説明画像。「⑨つまみを押し、針を空きのペットボトルに捨てます」というテキストとともに、器具のつまみを押す様子と、ペットボトルの口に針を落とす様子が描かれています。

よくある失敗と対処法

測定結果が異常に高い(300以上)
手を洗わずに測定した可能性があります。果汁や糖分が付着していると、実際より高い値が出ます。手を洗って再度測定しましょう。
エラー表示が出る
血液の量が少なすぎます。指をもう一度押し出して、ゴマ粒より大きい一滴を作り直しましょう。センサーの先端を血液にしっかり接触させてください。
指が痛い・青あざになる
穿刺が深すぎる、または同じ指の同じ場所を繰り返し刺している可能性があります。深さ調整ダイヤルを1つ浅く設定し、刺す場所を毎回変えましょう。
測定値が不安定(ばらつきが大きい)
センサーの保存状態(湿気・高温)、測定時間(食後すぎると血糖が上昇)、手指の状態(水分・汚れ)が影響します。測定条件を統一しましょう。

しもやま内科のSMBG指導

当院では、糖尿病専門医・指導医が、患者さん一人ひとりに合わせたSMBG指導を行っています。

「何回測定すべきか」「目標の血糖値はどれくらいか」「測定結果をどう記録すればいいか」――こうした疑問に、図を使いながら丁寧にお答えします。

測定器の使い方指導
測定スケジュールの作成
目標血糖値の設定
記録方法のアドバイス

診療時間:月・火・木・金 9:00~12:00 / 14:45~17:30、土 9:00~12:00(水日祝休診)
電話:047-467-5500
アクセス:京成電鉄松戸線「高根木戸駅」・東葉高速鉄道線「飯山満駅」から各々徒歩15分 駐車場7台完備

さらに詳しく知りたい方へ

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よくある質問(FAQ)

血が出ないときはどうすればいいですか?
①穿刺の深さを深くする(器具の調整)②指を下に向けて重力を利用する③指先を軽くマッサージして血行を良くする④穿刺部位を変える(指の側面がおすすめ)。それでも出ない場合は、新しい針に交換してみてください。
針の深さはどれくらいが適切ですか?
一般的には「2〜3」程度が目安です。皮膚の厚さには個人差があり、指先の側面なら浅め(1〜2)、指腹ならやや深め(3〜4)に調整します。深すぎると痛みが強く、浅すぎると血が出にくくなります。自分に合った深さを見つけてください。
どの指を刺せば痛くないですか?
小指・薬指・中指の側面(爪の両脇)が最も痛みが少ないです。親指と人差し指は日常生活でよく使うため、痛みを避けるためにも他の指をおすすめします。10本の指をローテーションさせながら使うのが理想です。
測定値がいつもと違うのはなぜですか?
①指先に水分(アルコールや汗)が残っている②血を強く絞りすぎた(組織液が混じる)③試験紙の有効期限切れ④測定器の汚れや故障⑤ストレスや感染症などの体調変化。これらが原因で数値が変動することがあります。
使用済みの針はどう捨てればいいですか?
使用済みの針は「医療用廃棄物」として、空いたペットボトルや洗剤のボトルなどの硬いプラスチック容器に入れ、蓋を閉めてください。そして調剤薬局に提出すると、適正に回収・廃棄してくれます。しもやま内科では針の回収は行っていませんので、ご了承ください。
穿刺器具の交換時期はいつですか?
穿刺針は1回使い切りが基本です。再利用すると痛みが強くなり、感染リスクも高まります。穿刺器具本体は定期的に清掃し、不具合があれば交換してください。針の先が曲がっている、刺さりにくいと感じたらすぐに交換しましょう。

最終更新日:2026-06-07

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

20/01/2020