糖尿病の食事療法|血糖コントロールの専門医が解説|しもやま内科

「先生、糖尿病の食事療法って、何をどれくらい食べたらいいんですか?難しい計算が必要なんじゃないかと思って…」——先日、初診の50代女性患者さんがそう言われました。実は、糖尿病の食事療法に「正解」はなく、「自分に合ったバランス」が大切です。今日は、難しい話は抜きにして、今日から始められる食事のポイントをお伝えします。

糖尿病の食事療法、基本は「3つのバランス」

食事療法と聞くと「カロリー計算」「糖質制限」など難しいイメージがありますよね。でも基本は意外とシンプルです。

① 食べる順番を変える

「野菜→タンパク質→主食(ご飯・パン)」の順で食べるだけで、血糖の急上昇を抑えることができます。これをベジファーストと言います。先日の患者さんに「夕食の最初に味噌汁の具とサラダを食べてみて」とお伝えしたら、2週間後に「食後の眠気が減った」と喜んでいらっしゃいました。

② 炭水化物の量を意識する

ご飯は「茶碗1杯(150g)」を目安に。パンなら6枚切り1枚、うどんなら1人前(200g)程度。麺類は汁ごと食べると塩分も多いので要注意です。先日の患者さんは「おかわりしないようにして、お腹が空いたら豆腐を食べるようにしました」と報告してくれました。

③ 油を控えめに

揚げ物は週に1回まで、炒め物は油の量を半分に。肉の脂身はカットして食べる——これだけで、カロリーと脂質をかなり減らせます。「天ぷらは大好きだけど、家では焼き魚に変えました」と言われた患者さんは、3か月で体重が3kg減り、HbA1cも0.5%下がりました。

具体的な1日の食事例

朝食:ご飯小盛り、味噌汁、焼き魚、ほうれん草のおひたし

昼食:玄米おにぎり1個、鶏むね肉のサラダ、野菜スープ

夕食:ご飯茶碗1杯、お刺身、煮物、サラダ

間食:ヨーグルト、ナッツ少々、フルーツ(1/2個分)

これはあくまで一例です。外食が多い方は「定食屋でご飯少なめ、味噌汁と野菜多め」とお願いするだけでOKです。

食事療法でやりがちな失敗

  • 糖質を極端に減らす(リバウンドしやすい)
  • 「糖尿病食」を特別な料理だと思い込む(普通の和食が基本)
  • 間食を完全にやめる(低血糖リスク、ストレスで暴飲暴食に)
  • 「今日は我慢したから明日は食べていい」と考える(毎日のバランスが大切)

❓ よくある質問

糖質制限は必要?
極端な糖質制限は必要ありません。炭水化物を減らしすぎると、脳や赤血球にエネルギーが届かず、かえって体調不良を起こすことがあります。「ご飯を茶碗1杯にして、野菜とタンパク質を増やす」——このくらいの調整が続きやすく、効果も出やすいです。
甘いものは絶対ダメ?
絶対ダメではありません。ただし「量」と「タイミング」が大切です。食後に少量なら血糖への影響は少なくなります。「毎日ではなく、週に1回特別な日に」というルールを決めると、我慢しすぎず、リバウンドも防げます。
外食の時はどうすればいい?
定食屋なら「ご飯少なめ、味噌汁と野菜多め」をお願いするだけでOK。ファストフードは避ける、お酒は食事と一緒に少量——これを守れば、外食でも血糖は安定しやすくなります。ラーメン屋では「麺半分、野菜増量」を頼むのも一手です。

「食事療法って難しい?」——基本はバランスの良い和食。特別なことは何もいりません。

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22/02/2026