「インスリンを打っているお腹に、コリコリしたしこりができたんだけど大丈夫?」——これ、インスリン治療を続けている方からよく聞かれます。結論から言うと、多くの場合は「脂肪肥厚(リポディストロフィー)」というもので、適切なケアで予防できます。
インスリン注射でできるしこりの正体
① 脂肪肥厚(しぼうひこう)——最も多いタイプ。同じ場所に繰り返し注射をすることで、皮下脂肪が盛り上がって硬くなる。触るとコリコリ・ゴツゴツした感触。
② 脂肪萎縮(いしゅく)——脂肪が萎縮して皮膚が凹む。最近のインスリンでは稀。
これらの問題は、見た目だけでなく、インスリンの吸収にも影響します。しこりの部分に打つとインスリンの吸収が悪くなって、血糖コントロールが乱れる原因になります。
予防のためのローテーション(注射部位の順番)
予防策はただひとつ——毎回同じ場所に打たないこと。
おすすめのローテーション方法:
- お腹を「4つのエリア」に分けて、順番に使う
- 同じエリアでも、前回打った場所から少なくとも2〜3cm離す
- 左右交互に打つ
- お腹だけでなく、腕や太ももも使う(医師や看護師に相談してから)
ノートやスマホに「どこに打ったか」を記録しておくのも効果的です。
しこりができてしまったら
- そのしこりには注射をしない
- しこりから離れた場所に打つ
- しこりのほとんどは、時間とともに自然に消えていきます
- 気になる場合は医師に相談を
❓ よくある質問
しこりがある場所に打ち続けるとどうなる?
吸収が不安定になり、血糖値のコントロールが乱れます。「最近血糖値が高いな」と思ったら、しこりに打っていないか確認してみてください。
お腹以外に打ってもいいの?
インスリンはお腹・太もも・腕・お尻に打てます。吸収スピードはお腹>腕>太もも>お尻の順。部位によって吸収が違うので、基本的には同じ部位の中でローテーションするのが無難です。