「健康診断で『脂肪肝』と言われたんですが、糖尿病もあるので、どう管理すればいいですか?」
50代の男性患者さんが、そう尋ねて来院されました。糖尿病と診断されて3年、薬を飲みながら管理していましたが、先月の健康診断で「肝臓のエコーが白くなっている」と指摘されたそうです。「肝臓まで悪くなるのは怖い」と不安そうでした。
実は、糖尿病と脂肪肝は切っても切れない関係です。特に2型糖尿病の方の約50〜70%に、何らかの形で脂肪肝が合併しています。当院では、糖尿病の管理と同時に肝臓の状態もチェックしています。
糖尿病と脂肪肝の関係
糖尿病の方は、インスリン抵抗性が高く、肝臓に脂肪が溜まりやすくなります。これをMASLD(代謝関連脂肪性肝疾患)と呼びます。以前は「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」と呼ばれていました。
脂肪肝を放置すると、肝臓の炎症が進んで「脂肪性肝炎(MASH)」になり、さらに進行すると肝硬変や肝がんのリスクも高まります。だからこそ、早期から管理することが大切です。
当院での管理方法
当院では、糖尿病の定期検査の一環として、肝機能(AST・ALT・γ-GTP)と肝臓エコーを定期的にチェックしています。
- 血液検査:肝機能と血糖値を同時に確認。肝臓の炎症が進行していないかモニタリングします。
- エコー検査:肝臓の脂肪蓄積の程度を確認。必要に応じてFibroScan(肝臓の硬さを測る検査)も行います。
- 生活習慣指導:体重を5〜10%減らすことで、肝臓の脂肪が大幅に減少します。食事と運動の指導を行います。
先日の患者さんで、HbA1cが8.0%で脂肪肝もあった60代の女性がいらっしゃいました。「体重を3kg減らして、夕食後に20分歩くようにしたら、3か月後に肝機能の数値が正常化しました」と報告してくれました。小さな変化でも、肝臓は確実に反応します。
脂肪肝改善のポイント
脂肪肝を改善するには、以下の3つが効果的です。
- 体重を5%減らす:これだけで肝臓の脂肪が大幅に減少します。極端なダイエットは逆効果なので、無理のない範囲で減らします。
- 糖質を適度に減らす:果糖が多い飲み物(ジュースなど)は特に注意。お酒も控えめにします。
- 運動を週に150分以上:有酸素運動が肝臓の脂肪燃焼に効果的です。ウォーキングや水泳など、続けられる運動を選びましょう。
「糖尿病があると、肝臓まで気を使わないといけないんですね」と言われる方が多いです。でも、血糖管理と肝臓の管理は同じ方向で進められるので、一緒に改善していきましょう。
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