2型糖尿病とはどんな病気か。
2型糖尿病は遺伝的要因に生活習慣が加わることによって、主に40代から発病してくる糖尿病です。いわゆる普通の糖尿病で、ほとんどの方がこれに該当します。
2型糖尿病
糖尿病の患者さんのうち、実に10人に9人以上は2型糖尿病です。遺伝的に(肉親で糖尿病の人がいる人)が肥満・運動不足・ストレスなどが加わってインスリンの効き目が落ちること(=インスリン抵抗性の増大)で発病します。諸悪の根源はインスリン抵抗性です。
インスリン抵抗性の前に、インスリンについて説明します。インスリンは、膵臓で作られるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。(インスリンとは)
インスリンの作用の仕方は インスリンの働きがわかると糖尿病がわかる に詳しく解説したのでご参照ください。
2型糖尿病の患者さんの体の中では何が起きているのか?
肝臓や筋肉などの組織がインスリンの働きに対して鈍感になり、インスリンがある程度分泌されているのにもかかわらず、効きにくくなる(インスリン抵抗性)
膵臓の働きが弱くなりインスリンの分泌量が低下(インスリン分泌低下)
この2つが起きています。人によってその割合はさまざまです。インスリンが驚くほど出ているがインスリン抵抗性がやたら高い方、1型じゃないの?と思うくらいいインスリンが出ていない方など。十人十色です。
遺伝的素因のある人が、肥満や運動不足や食べすぎといった、生活習慣の乱れが加わることによって、まず「インスリン抵抗性」が引き起こされます。その間は膵臓がオーバーワークしてインスリンを大量に分泌します。やがて膵臓は疲弊し、インスリンを分泌するβ細胞が死んでいきます。そしてインスリンの分泌不足につながって、ついには2型糖尿病を発症します。2型糖尿病の発症前(糖尿病レベルに達する前の予備軍の段階と言った方が正しいでしょうか)から膵臓のβ細胞は減り始めることがわかっています。
2型糖尿病の治療は必然的に、「インスリン抵抗性」や「インスリン分泌低下」を改善することに主眼が置かれます。
それには治療の3本柱である「食事」「運動」「内服薬または、GLP-1受容体作動薬、インスリン」が挙げられます。
1型糖尿病か2型糖尿病かはどうしたらわかるのか。
ご自分が1型か2型かは、わずか数mlの血液検査のみでわかります。
これまで検査をされたことがないという方は検査が必要です。
なぜなら、先ほどのお話の通り、1型糖尿病か2型糖尿病かによって治療方法が全く変わってくるからです。
1型糖尿病の患者さんに内服薬だけで治療をしても効果はありません。治療しているにもかかわらず、数値はますます悪化してしまいます。
そうならないためにも、ご自身が1型糖尿病か2型糖尿病か判別するための検査は必ず受けてください。