2型糖尿病とNAFLDの合併
糖尿病内科の患者さんに少なくないのが、非アルコール性脂肪性肝疾患(Non-alcholic fatty liver disease:NAFLD)です。
NAFLDは2型糖尿病発病のリスクファクターであることが知られています*。肝臓から分泌されるサイトカインを「ヘパトカイン」と称しますが、これが耐糖能障害に関与していると考えられているのです。糖尿病患者さんにお伝えしたいことです。
Fukuda T,et al: The impact of non-alcholic fatty liver disease on incident type2 diabetes mellitus in non-overweight individuals.
Liver Int,2015
糖尿病罹病歴が明らかでない症例でも、NAFLDをみたら日常診療において定期的にHbA1c,血糖をチェックすること、75g OGTTを検討することが望ましいと言えます。
耐糖能障害に関与するヘパトカインの代表に selenoprotein P (SeP), leukocyte cell-derived chemotaxin 2 (LECT2), Fetuin-Aがあります。
Selenoprotein P はインスリン抵抗性を誘導し、血管新生を抑制します。LECT2は骨格筋におけるインスリン抵抗性を誘導します。Fetuin-Aは慢性炎症を引き起こします。
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