🔊 このページの要点
- 糖尿病でも運動は重要!ただし低血糖や足病変に注意
- 血糖値の自己チェックと医師の助言をもとに安全に行いましょう
- 歩行・筋トレ・ストレッチなど継続しやすい方法がカギ
糖尿病と診断されると、「運動しても大丈夫?」「何をどのくらいやればいいの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
適度な運動は、血糖コントロールの改善やインスリン感受性の向上、生活習慣病の予防にもつながります。 しかし、糖尿病の状態によっては注意が必要なケースもあります。
このページでは、糖尿病の方が安全に運動を続けるためのポイントや、自己チェック方法、避けたほうがよい運動などについて、糖尿病専門医の視点から解説します。

✅ 糖尿病と運動の関係
- 運動はインスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる効果があります
- 2型糖尿病の治療の柱のひとつとして位置付けられています
- 1型糖尿病の方は低血糖リスクに特に注意が必要です
📋 運動前にチェックすべき項目
- 最近の血糖値(特に空腹時と食後)
- HbA1cの値とコントロール状況
- 低血糖の既往があるかどうか
- 糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経障害)の有無
- 足に傷やしびれ、血流障害がないか
👟 おすすめの運動メニュー
- ウォーキング(1日20~30分を目安に)
- 軽い筋力トレーニング(自重スクワットやチューブ運動など)
- ヨガ・ストレッチ(柔軟性アップやリラックス効果)
⚠️ 注意が必要な運動・状況
- 空腹時血糖が250mg/dL以上のとき
- 中等度以上の糖尿病網膜症がある場合(激しい運動は避ける)
- 足にしびれや傷、血流障害がある場合
- インスリン使用中で補食をせず運動すると低血糖のリスク
✅ 安全に続けるためのヒント
- 運動前後に血糖測定を行う(できればフリースタイルリブレなどの使用も)
- 空腹での運動を避ける。軽く補食をしてから行う
- 低血糖時に備え、ブドウ糖を携帯する
- 足に合った靴を選び、足の観察を習慣にする
🧾 出典・参考文献
- 日本糖尿病学会 編『糖尿病診療ガイドライン2024』
- 日本糖尿病療養指導士認定機構『糖尿病療養指導ガイドブック』
📄 セルフチェックシートはこちら
糖尿病 運動療法セルフチェックシート(1週間用):加瀬勝之(理学療法士)監修。
以下のチェック項目に毎日記入してください。
有酸素運動(早歩き、ジョギングなど)は週150分を目標にしましょう。
運動の実施時間(食前・食後など)や体調(痛みの有無)も振り返ることで、安全かつ効果的な運動が継続できます。
日付 | 有酸素運動 (20分以上) ※時間帯(開始~終了) |
筋トレ・体操 (5分以上) ※時間帯(開始~終了) |
運動前後に 血糖測定した |
運動中に 体調不良はなかった |
痛みの有無 (どこが、どれくらい痛いか) |
---|---|---|---|---|---|
月 | |||||
火 | |||||
水 | |||||
木 | |||||
金 | |||||
土 | |||||
日 |
🗒️ 1週間のふりかえり
- 運動ができた日数:___日
- 運動で感じた効果や気づき:
- 次週の目標・注意点:
👉 糖尿病 運動療法セルフチェックシートをダウンロード(PDF)
A4横向きで印刷可能。実施時間・痛みの有無・ふりかえり欄もあり、1週間の自己管理に役立ちます。
💬 よくあるご質問(FAQ)
Q. 運動すると低血糖が起きませんか?
起こる可能性があります。特にインスリンやSU薬を使用中の方は注意が必要で、運動前に補食したり、運動直前・直後の血糖を測定することが大切です。
Q. 糖尿病でも筋トレをしていいですか?
はい、適切な筋トレはインスリン感受性を高める効果が期待されます。無理のない強度で週2~3回を目安に行いましょう。
Q. 空腹時にウォーキングしても大丈夫?
空腹時は低血糖リスクが高まります。軽く補食(バナナやクラッカーなど)をとってからの運動がおすすめです。
Q. 足にしびれがありますが、運動しても大丈夫?
糖尿病性神経障害がある可能性があります。専門医に相談し、適切な靴を履いて、安全に配慮した運動を選びましょう。
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👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。