糖尿病内科

糖尿病と運動療法|安全に続けるコツ・セルフチェックシート付き|しもやま内科(船橋市)

13/05/2025

🔊 このページの要点

  • 糖尿病でも運動は重要!ただし低血糖や足病変に注意
  • 血糖値の自己チェックと医師の助言をもとに安全に行いましょう
  • 歩行・筋トレ・ストレッチなど継続しやすい方法がカギ

糖尿病と診断されると、「運動しても大丈夫?」「何をどのくらいやればいいの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

適度な運動は、血糖コントロールの改善やインスリン感受性の向上、生活習慣病の予防にもつながります。 しかし、糖尿病の状態によっては注意が必要なケースもあります。

このページでは、糖尿病の方が安全に運動を続けるためのポイントや、自己チェック方法、避けたほうがよい運動などについて、糖尿病専門医の視点から解説します。

糖尿病と運動療法のポイント|低血糖や足病変への注意も解説|しもやま内科(船橋市)

✅ 糖尿病と運動の関係

  • 運動はインスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる効果があります
  • 2型糖尿病の治療の柱のひとつとして位置付けられています
  • 1型糖尿病の方は低血糖リスクに特に注意が必要です

📋 運動前にチェックすべき項目

  • 最近の血糖値(特に空腹時と食後)
  • HbA1cの値とコントロール状況
  • 低血糖の既往があるかどうか
  • 糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経障害)の有無
  • 足に傷やしびれ、血流障害がないか

👟 おすすめの運動メニュー

  • ウォーキング(1日20~30分を目安に)
  • 軽い筋力トレーニング(自重スクワットやチューブ運動など)
  • ヨガ・ストレッチ(柔軟性アップやリラックス効果)

⚠️ 注意が必要な運動・状況

  • 空腹時血糖が250mg/dL以上のとき
  • 中等度以上の糖尿病網膜症がある場合(激しい運動は避ける)
  • 足にしびれや傷、血流障害がある場合
  • インスリン使用中で補食をせず運動すると低血糖のリスク

✅ 安全に続けるためのヒント

  • 運動前後に血糖測定を行う(できればフリースタイルリブレなどの使用も)
  • 空腹での運動を避ける。軽く補食をしてから行う
  • 低血糖時に備え、ブドウ糖を携帯する
  • 足に合った靴を選び、足の観察を習慣にする

🧾 出典・参考文献

  • 日本糖尿病学会 編『糖尿病診療ガイドライン2024』
  • 日本糖尿病療養指導士認定機構『糖尿病療養指導ガイドブック』

📄 セルフチェックシートはこちら

糖尿病 運動療法セルフチェックシート(1週間用):加瀬勝之(理学療法士)監修。

以下のチェック項目に毎日記入してください。
有酸素運動(早歩き、ジョギングなど)は週150分を目標にしましょう。
運動の実施時間(食前・食後など)や体調(痛みの有無)も振り返ることで、安全かつ効果的な運動が継続できます。

日付 有酸素運動
(20分以上)
※時間帯(開始~終了)
筋トレ・体操
(5分以上)
※時間帯(開始~終了)
運動前後に
血糖測定した
運動中に
体調不良はなかった
痛みの有無
(どこが、どれくらい痛いか)

🗒️ 1週間のふりかえり

  • 運動ができた日数:___日
  • 運動で感じた効果や気づき:
  • 次週の目標・注意点:

👉 糖尿病 運動療法セルフチェックシートをダウンロード(PDF)
A4横向きで印刷可能。実施時間・痛みの有無・ふりかえり欄もあり、1週間の自己管理に役立ちます。

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💬 よくあるご質問(FAQ)

Q. 運動すると低血糖が起きませんか?
起こる可能性があります。特にインスリンやSU薬を使用中の方は注意が必要で、運動前に補食したり、運動直前・直後の血糖を測定することが大切です。
Q. 糖尿病でも筋トレをしていいですか?
はい、適切な筋トレはインスリン感受性を高める効果が期待されます。無理のない強度で週2~3回を目安に行いましょう。
Q. 空腹時にウォーキングしても大丈夫?
空腹時は低血糖リスクが高まります。軽く補食(バナナやクラッカーなど)をとってからの運動がおすすめです。
Q. 足にしびれがありますが、運動しても大丈夫?
糖尿病性神経障害がある可能性があります。専門医に相談し、適切な靴を履いて、安全に配慮した運動を選びましょう。

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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

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