糖尿病内科

アルコール多飲で低血糖

20/02/2016

アルコール多飲で低血糖

アルコール依存症と糖尿病

アルコールと糖尿病

エタノールは肝において、アセトアルデヒド→酢酸へと酸化される。最終的にはアセチル–CoAとなる。
上記の過程で肝ミトコンドリアのNAD(nicotinamide adenine dinucleotide)はNADHに還元される。長期的なアルコール摂取により肝ミトコンドリアにNADHが蓄積する。

アルコール多飲する者において、NADH/NAD比が高まる。NADH/NAD比が上昇することで、糖新生やTCA回路が抑制される。このエタノール代謝過程で肝グリコーゲンが消費されるため、肝グリコーゲン貯蔵量が減少する。グリコーゲンの回復に24時間程度の時間がかかり、速やかに回復することはない。

これらの要因よって糖新生がなされにくくなり、またグリコーゲン不足になり、血糖降下の局面においてリカバリーする力が失われる。

健常者において、数時間の絶食後には正常では糖新生が促進されるが、飲酒のあとではこれが起こらず低血糖が遷延することがある。さらにアルコールは低血糖症状を認識しにくくし、インスリン拮抗ホルモン分泌も低下させ、警告症状なしの重症低血糖が発現するリスクがある。

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