橋本病とは|船橋市の甲状腺専門医が解説|しもやま内科

📍 船橋市で甲状腺疾患の専門診療を行う甲状腺専門医です。

健診で甲状腺が腫れていると言われた方や、なんとなく体がだるい・むくむ・疲れやすい…と感じる方は、橋本病(慢性甲状腺炎)が隠れている可能性があります。
自己免疫の異常によって甲状腺に慢性炎症が起こり、進行すると甲状腺ホルモンの低下が起こります。
しもやま内科では日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医が診療を担当し、診断・治療・妊娠中管理まで専門的に対応しています。

橋本病は慢性甲状腺炎とも呼ばれ、自己免疫の異常による内分泌疾患の一つです。ホルモンバランスの乱れから代謝の低下が進行し、様々な症状が現れます。

橋本病とは|船橋市の甲状腺専門医が解説

橋本病の原因

橋本病は自己免疫の異常によって甲状腺に慢性的な炎症が起こる疾患です。本来は外敵から体を守る免疫が、誤って自分自身の甲状腺を攻撃してしまいます。なぜ自己免疫の異常が起きるのかはまだ完全には解明されていません。

橋本病は特に女性に多い疾患で、男女比は約1対20〜30と圧倒的に女性が多く、好発年齢は30〜40代です。

以下の自己抗体が関与しており、血液検査で調べます:

  • 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)
  • 抗サイログロブリン抗体

炎症が進行すると甲状腺機能低下症に移行します。実際には次のような割合です:

  • 明らかな甲状腺機能低下症…全体の約10%
  • 軽度低下(自覚症状なし)…約20%
  • 正常機能…約70%

どんな症状が出ますか?

甲状腺機能が正常なら無症状ですが、機能低下が進むと以下のような甲状腺機能低下症特有の症状が出現します。

  • 顔や手足のむくみ
  • 寒がり
  • 体重増加
  • 脈が遅くなる
  • 気力が減退・うつ傾向
  • 皮膚の乾燥・脱毛
  • 便秘
  • 月経過多

また、甲状腺の腫大により首の違和感や圧迫感(しこり感)を自覚することもあります。疲労感・倦怠感が長引くケースも特徴です。

診断の方法

以下を組み合わせて診断します:

  • 血液検査:TSH、FT4、抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体
  • 甲状腺超音波検査(エコー):腫大・内部構造の確認

治療法

機能が正常なら経過観察が基本。低下が進行すれば甲状腺ホルモン補充療法(チラーヂンSなど)を行います。

妊娠と橋本病

妊娠中は甲状腺ホルモン需要が増えるため、機能低下に注意が必要です。妊娠前から専門医の管理が望ましいです。

生活習慣病との関連と経過観察の重要性

橋本病は生活習慣病や脂質異常症、高血圧との関連も指摘されており、定期フォローアップが重要です。抗体陽性でもホルモンが正常な時期には生活管理が中心となります。

まとめ

橋本病は、早期診断・適切な治療で長期安定管理が可能な病気です。健診で甲状腺腫大を指摘された方や、疲れ・むくみ・体重増加が気になる方はご相談ください。

📝 よくあるご質問(FAQ)

橋本病は治りますか?

自己免疫の異常自体を根本治療することは難しいですが、甲状腺ホルモン補充で症状は十分コントロール可能です。

毎年検査が必要ですか?

安定していても年1回程度の血液・エコー検査による経過確認をおすすめします。

出産後に悪化することはありますか?

出産後は免疫バランスが変動し悪化することがあります。妊娠中から専門医の管理が重要です。

甲状腺腫瘍やがんと関係ありますか?

橋本病の方に良性腫瘍や稀に乳頭癌が併発することがあります。定期的な超音波フォローが大切です。

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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。