健診で「甲状腺のしこり」を指摘された方へ|受診の目安・検査・手術の必要性を専門医が解説|しもやま内科(船橋市)

🔊 このページの要点

  • 健診で「甲状腺のしこり(結節)」を指摘されたら、まずは採血(TSH/FT4/FT3・抗体)と甲状腺エコーで評価します[1][2]。
  • 多くは良性ですが、超音波所見やサイズで穿刺吸引細胞診(FNA)適応を判断します[1][2]。
  • 当院(船橋市)は甲状腺エコーを当日実施可。FNAや手術が必要な場合は連携医療機関へ迅速に紹介します。
  • 急な増大・声がれ・飲み込みづらさ・痛み+発熱などは早めの受診が目安です[3]。
  • 妊娠希望・妊娠中でもエコーは安全に実施可能です(放射線不使用)[1]。

健診で甲状腺のしこりを指摘されたら|専門医が受診の目安を解説|しもやま内科(船橋市)

健診で「甲状腺のしこり(結節)」を指摘される方は少なくありません。多くは良性ですが、まれに治療や厳密な経過観察が必要なことがあります[1][2]。
船橋市のしもやま内科では、初診当日に採血と甲状腺エコーを行い、必要時は穿刺吸引細胞診(FNA)や手術に対応できる連携医療機関へ迅速にご紹介します。


受診の目安(迷ったらご相談を)

  • 健診や人間ドックで甲状腺腫大/結節を指摘[1]
  • しこりが大きくなってきた・首の左右差が分かる
  • 飲み込みづらさ・圧迫感・声がれが出てきた[3]
  • 痛み+発熱(出血や炎症が疑われることがあります)
  • 甲状腺ホルモンの異常(TSH異常)を同時に指摘
  • 妊娠を希望/妊娠中で評価が必要[1]

当院での診療フロー

  1. 問診・触診(症状・期間・既往・家族歴・薬剤)
  2. 採血:TSH、FT4、FT3、TPOAb/TgAb など[1]
  3. 甲状腺エコー:結節のサイズ・形・境界・内部エコー・石灰化・血流・リンパ節を評価[1][2]
  4. 総合判定:良性~悪性疑いと増大リスクを整理
  5. 方針決定経過観察/FNA精査/外科紹介のいずれかを提案
  6. フォロー:経過観察は通常3~12か月間隔でエコーと必要な採血を実施

超音波(エコー)で見るポイント

  • 境界不整・浸潤像・微細石灰化・低エコー・縦長形状などは注意所見[1][2]
  • 反対に均一な内部・薄い被膜・嚢胞性成分優位などは良性を示唆
  • 頸部リンパ節の形・皮質肥厚・微細石灰化の有無も併せて評価

穿刺吸引細胞診(FNA)の目安

FNAは針で細胞を採取して良悪性を評価する検査です。適応はエコー所見とサイズを総合して判断します(下図は一般的な目安)[1][2]。

甲状腺結節のFNA適応フローチャート|悪性疑い所見があればFNA、所見が乏しくてもサイズ(概ね2cm以上)や増大傾向でFNA検討、小型で良性所見は経過観察
図:FNA適応の一般的な目安(最終判断は個々の画像所見・年齢・合併症・ご希望を踏まえて専門医が行います)
  • エコーで悪性が疑われる所見がある結節:サイズに関わらずFNA推奨
  • 等~低リスク所見でもサイズ2cm以上または増大傾向があればFNA検討
  • 小型かつ良性所見の場合は経過観察(通常3〜12か月で再評価)

※ガイドラインや施設基準により運用は異なることがあります。最適な方針は診察時に個別にご提案します。

妊娠を希望/妊娠中の方へ

  • エコーは被曝なしのため妊娠中でも安全に実施可能[1]
  • FNAは必要性・安全性を評価し時期を調整(多くは外来で可)
  • アイソトープ治療は妊娠中不可。外科の要否は専門施設と連携して検討

📚 参考文献

  1. 日本甲状腺学会 編. 甲状腺結節の診療ガイドライン 2022. 日本甲状腺学会, 2022.
  2. Haugen BR, et al. 2015 American Thyroid Association Management Guidelines for Adult Patients with Thyroid Nodules and Differentiated Thyroid Cancer. Thyroid. 2016;26(1):1-133.
  3. Cooper DS, et al. Evaluation and management of thyroid nodules. UpToDate. Accessed Aug 2025.

❓ よくあるご質問

健診で「甲状腺のしこり」と言われました。まず何をすれば良いですか?

慌てず受診し、採血(TSH・FT4・抗体)と甲状腺エコーで性状や大きさを評価します。

しこりは全部がんですか?

いいえ。多くは良性ですが、まれに悪性の場合もあります。超音波の所見でリスクを判定します。

FNA(穿刺吸引細胞診)は痛いですか?

細い針で採取するため痛みは軽度で、通常は局所麻酔なしで外来で行えます。

FNAは全員必要ですか?

必要なのは疑わしい超音波所見がある場合や、大きさが一定以上の時です。小さくて良性所見なら経過観察も可能です。

妊娠中でも検査はできますか?

超音波は被曝がないため妊娠中でも安全です。必要に応じて検査・方針を調整します。

良性と診断されたら放置して良いですか?

放置は推奨されません。半年〜1年ごとにエコーや採血で変化がないか確認します。

手術が必要になるのはどんな時ですか?

悪性が疑われる場合、大きくなり圧迫症状がある場合、急速増大する場合などです。

当日にエコーまでできますか?

当院では当日実施可能です(混雑状況により前後あり)。必要時は細胞診や手術へ迅速に紹介します。

🏥 船橋市で「甲状腺のしこり」精査は当院へ

しもやま内科(船橋市)は甲状腺エコーと採血を当日ワンストップで実施します。必要時は細胞診・手術を行う連携医療機関へ迅速にご紹介。市川・習志野・鎌ケ谷・八千代エリアからも多くの方が受診されています。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

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19/07/2025