甲状腺の症状でお困りの方へ|まず受診すべきか迷ったら

🔍 要点まとめ

  • 甲状腺の異常は「喉の腫れ」「動悸」「だるさ」などの症状で見つかることが多い
  • 症状があっても、検査しないと分からないケースもある
  • しもやま内科では、専門医によるエコーと血液検査でその場で診断が可能
甲状腺の症状に気づいた女性のイラスト|喉の腫れ・動悸・倦怠感などが気になる方へ

📋 こんな症状、ありませんか?

  • 首元が腫れている気がする/鏡でのどに違和感
  • 疲れやすい、息切れ、倦怠感
  • 動悸やイライラ、手の震えがある
  • 急に太った/痩せた(ダイエットしてないのに)
  • 便秘やむくみ、冷えが気になる

その他の特徴的な症状

⚡ 甲状腺中毒性周期性四肢麻痺(TPP)とは?

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺(thyrotoxic periodic paralysis:TPP)は、主にバセドウ病などの甲状腺機能亢進症の男性に多い、一過性の四肢麻痺を繰り返す病態です。

  • 主に20~40代男性に好発(女性例もまれにあり)
  • 甲状腺機能亢進に伴って細胞内へカリウムが移動し、血清カリウムが急激に低下
  • 夜間・明け方、運動後、高炭水化物食後に発症しやすい
  • 急激な筋力低下(両下肢→上肢へ進行、呼吸筋は通常保たれる)
  • 四肢の腱反射は減弱または消失

カリウム補正により多くは速やかに回復しますが、繰り返すこともあるため、甲状腺機能亢進症の治療が根本対策です。
診断は血中カリウム低値と甲状腺機能亢進所見の同時確認が重要です。

✅ 症状の経過が一過性で回復するからといって油断せず、
甲状腺ホルモン異常の精査が必要です。
甲状腺の検査内容はこちら

出典:日本内科学会雑誌「甲状腺中毒性周期性四肢麻痺の診断と治療」2020年/MSDマニュアル「周期性四肢麻痺」

🧠 図解:甲状腺中毒性周期性四肢麻痺とは

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺の原因と症状、治療をまとめた図解(しもやま内科)

💊 アミオダロン誘発性甲状腺炎(AIT)

アミオダロン(抗不整脈薬)はヨウ素を多く含むため、甲状腺機能に影響を与えることが知られています。AITは2つのタイプに分類され、治療方針が大きく異なるため、適切な鑑別が重要です。

アミオダロン誘発性甲状腺炎のタイプ別分類
  • Type 1:ヨウ素誘発性の甲状腺機能亢進症
    バセドウ病や多結節性甲状腺腫を背景に、アミオダロンに含まれる大量のヨウ素によって誘発されます。抗甲状腺薬を中心に、難治例ではステロイドの併用が検討されます。
  • Type 2:破壊性甲状腺炎タイプ
    甲状腺細胞の破壊により一過性の甲状腺機能亢進が生じるタイプ。ステロイド(プレドニゾロン)による治療が有効とされます。

鑑別には、甲状腺シンチグラフィ・ドプラエコー・IL-6測定などの検査が有用とされています。

出典:日本内分泌学会雑誌「内分泌代謝 2024」Vol.59-Suppl.1より要約

🧬 甲状腺ホルモン不応症(甲状腺ホルモン抵抗症)とは?

甲状腺ホルモン不応症(resistance to thyroid hormone: RTH)は、体内の甲状腺ホルモンに対して細胞が反応しにくい、非常にまれな遺伝性疾患です。

  • TSH高値+FT4/FT3高値が特徴(通常はこの組み合わせはありえない)
  • 甲状腺ホルモン受容体β(TRβ)遺伝子の異常によって起こる
  • 家族性に発症することもあり
  • 通常は無治療で経過観察が多いが、ADHD様症状・頻脈などには対症療法が検討される

出典:日本甲状腺学会 甲状腺Q&A(https://www.japanthyroid.jp/qa/)/UpToDate “Resistance to thyroid hormone”

💡 症状の背景にはどんな甲状腺疾患が?

甲状腺には、機能の「亢進」または「低下」、あるいは「しこり・腫瘍」といったさまざまな異常があります。

  • バセドウ病:ホルモンが過剰→動悸・汗・体重減少など
  • 橋本病:ホルモン低下→疲労感・冷え・むくみなど
  • 甲状腺結節・腫瘍:良性から悪性まで。喉の腫れ・圧迫感

ホルモン異常がなくても、しこりだけで見つかる場合もあります。

甲状腺機能低下症(橋本病を含む)について

甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、全身の代謝が落ちてしまう状態です。もっとも多い原因は橋本病(慢性甲状腺炎)で、中高年の女性に多くみられます。

よくある症状

  • 疲れやすい、だるい
  • 体重が増える、むくみやすい
  • 寒がり、皮膚の乾燥、便秘
  • 気分の落ち込み、集中力の低下
  • 月経異常、不妊傾向

上記の症状が複数当てはまる場合、甲状腺機能低下が背景にあることがあります。

治療について

不足している甲状腺ホルモンを、チラーヂンS(レボチロキシン)などの内服薬で補充する治療が行われます。適切な量を調整することで、症状は多くの場合で改善します。

当院では、採血検査(TSH・FT4・自己抗体など)や甲状腺エコーを組み合わせて診断し、専門医が治療方針を立てています

🏥 しもやま内科でできる検査・診断

  • 甲状腺エコー(当日可)…結節の大きさ・性状を観察
  • 採血(ホルモン・抗体・腫瘍マーカー)…機能を評価

必要に応じて、連携医療機関での精密検査(FNAなど)をご案内します。

🩺 受診を迷っている方へ

「この症状、甲状腺かも?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。

当院では甲状腺専門医が丁寧に診察・検査を行い、症状に応じた治療方針をご提案します。

❓ よくあるご質問(甲状腺の症状)

Q. 喉が腫れている気がします。甲状腺の病気でしょうか?

A. 甲状腺の腫れ(甲状腺腫)は、バセドウ病や橋本病、腫瘍などさまざまな原因があります。当院では超音波検査と採血でその場で評価が可能です。

Q. 症状があっても甲状腺異常がないことはありますか?

A. はい、同様の症状が他の内科疾患で起きることもあります。逆に、甲状腺の異常があっても症状が軽い場合もありますので、検査が大切です。

Q. 甲状腺の検査は予約が必要ですか?

A. 甲状腺の超音波検査と採血は予約なしで当日対応が可能です。症状のある方はお気軽にご相談ください。

Q. 女性に多いと聞きましたが、男性でも甲状腺疾患になりますか?

A. はい、男性にも起こります。ただし女性に比べて頻度は低く、発見が遅れやすい傾向があります。

📞 気になる症状はお気軽にご相談ください

甲状腺専門医による診察をご希望の方は、お電話でご予約ください。

☎ 047-467-5500 に電話する

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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

13/07/2025