進化するバセドウ病治療 〜最新の選択肢と今後の展望〜
バセドウ病治療の今
- 抗甲状腺薬(ATDs)の長期使用の増加:近年、放射性ヨウ素療法(RAI)よりも抗甲状腺薬が初期・長期治療に選ばれる傾向が強まっています。甲状腺機能低下のリスクを避けたいという希望や、寛解を目指す方が増えていることが背景です。
Thyroid.org /
PMC論文 - 放射性ヨウ素療法の再評価:初期治療としては減少傾向にあるものの、再発例などでは依然有効な選択肢です。
Thyroid.org - 手術療法:甲状腺全摘術も治療法のひとつとして引き続き選択されています。
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
注目される新しい治療法
- 免疫調節療法(リツキシマブ):自己免疫反応を抑制する免疫調節薬の臨床試験が進行中。特に若年層への有効性が期待されており、ATDとの併用も研究されています。
BTF記事 /
PMC論文 - FcRn阻害薬:新たな作用機序で注目される治療薬。自己抗体を分解し、病態改善を目指す研究が進んでいます。
Clinical Research News
甲状腺眼症(TED)への対応
- 活動性TEDへの対応:抗甲状腺薬が優先されることが多く、RAIを使用する場合にはステロイドの併用が推奨されます。
参考文献 - 新薬テプロツムマブ:分子標的薬であるTeprotumumabがTEDに対して高い効果を示し、今後の主流治療になる可能性があります。
touchOPHTH論文
今後の展望
従来の治療法に加え、免疫療法や分子標的治療など新たなアプローチが加わることで、バセドウ病治療はより個別化され、副作用の少ない未来へと向かっています。