自立性機能性甲状腺結節

自立性機能性甲状腺結節(autonomously functioning thyroid nodule; AFTN)とは、甲状腺結節が自律的に甲状腺ホルモンを分泌するものです。中毒性腺腫(Toxic adenoma; TA)と中毒性多結節性甲状腺腫(TMNG)があります。日本ではTMNGは稀で、単発性のTAをプランマー病(Plummer)と呼ぶことが多いです。バセドウ病と合併したものをMarine-Lenhart症候群と呼びます。

甲状腺中毒症状(体重減少、動悸、振戦)をきたしますが、程度は軽度であることが多いです。

超音波検査、血液検査に加えてシンチグラフィ(放射性ヨウ素もしくはテクネシウム)で診断します。シンチグラフィでは、甲状腺ホルモンを作る腫瘍に放射性ヨウ素やテクネシウムが多く取り込まれ、腫瘍が濃く描出されます。

治療の原則は手術で腫瘍を摘出することです。経皮的エタノール注入療法も適応があります。手術前のコントロールに無機ヨウ素剤や抗甲状腺薬が使用されます。アイソトープ治療は甲状腺機能を正常化させるのに時間がかかる、大きな腫瘍では効果が乏しい、将来的に甲状腺機能低下症をきたすなどの短所があります。