甲状腺癌とは|種類・症状・検査・治療を専門医が詳しく解説|船橋市の甲状腺専門医しもやま内科

🔎 要点まとめ

  • 甲状腺癌は大半が予後良好な乳頭癌・濾胞癌が主体
  • 超音波エコーと穿刺吸引細胞診(FNA)が診断の要
  • 多くは手術治療が基本だが、経過観察が選択される例もある
  • 船橋市のしもやま内科では専門医が適切な評価と連携治療を提案

健診で甲状腺のしこりを指摘され「癌かもしれない」と不安になっていませんか?
甲状腺癌は早期発見が可能で、適切な診断と治療により良好な経過が期待できる病気です。当院では甲状腺専門医が丁寧に診断を行い、患者様の不安に寄り添います。

甲状腺癌の種類・検査・治療|乳頭癌・濾胞癌・髄様癌・未分化癌を甲状腺専門医が解説|船橋市のしもやま内科

甲状腺癌の種類

  • 乳頭癌(最も多い):予後良好・進行も緩やか
  • 濾胞癌:転移に注意が必要
  • 低分化癌:まれ・治療成績はやや慎重に評価
  • 髄様癌:遺伝性の関与がある場合も
  • 未分化癌:非常にまれ・進行が速い

診断に必要な検査

  • 甲状腺超音波(エコー)検査:結節の大きさ、形状、血流、石灰化を評価[1]
  • 穿刺吸引細胞診(FNA):良悪性鑑別に有用[2]
  • 血液検査:ホルモン、腫瘍マーカー(カルシトニン・CEA)を測定[1][3]
  • 遺伝子検査(RET遺伝子など):髄様癌疑い時に実施[3]
  • CT・MRI・PET:局所浸潤・遠隔転移の評価に使用[4]

治療の基本方針

  • 手術(甲状腺全摘または葉切除)が標準治療[1]
  • 必要に応じて放射性ヨウ素治療を追加[1]
  • 微小癌や高齢者では経過観察を選択する場合もある[5]
  • 定期的な超音波・採血で再発チェックが重要[1]
  • 高度な治療が必要な場合は高次医療機関と連携[2]


[1] 日本甲状腺学会 甲状腺腫瘍診療ガイドライン 2022
[2] 日本内分泌外科学会 甲状腺癌取扱い規約 第9版
[3] NCCN Guidelines® Thyroid Carcinoma. Version 2.2024
[4] 日本超音波医学会 甲状腺超音波ガイドライン 2023
[5] Ito Y, et al. World J Surg. 2010; 34(1):28-35.

📄 よくあるご質問(FAQ)

甲状腺癌は治りますか?

乳頭癌・濾胞癌は予後良好で、治癒が十分期待できます。

がん検診で見逃されることはありますか?

微小癌は無症状で見つかりにくいこともありますが、エコー検査で早期発見が可能です。

手術は必ず必要ですか?

基本は手術適応ですが、一部の微小癌では経過観察が選択されることもあります。

穿刺吸引細胞診は痛みますか?

わずかな痛みで短時間で終了します。局所麻酔を使うこともあります。

転移が心配です

乳頭癌はリンパ節転移が多いですが遠隔転移は少なく、管理可能です。

再発する可能性は?

術後は定期フォローが重要ですが、多くは再発せず長期安定します。

妊娠希望でも大丈夫ですか?

治療計画に合わせて妊娠可能です。主治医にご相談ください。

家族性の影響はありますか?

髄様癌では遺伝性が関与することもあり、家族歴確認が必要です。

仕事や日常生活に支障は出ますか?

術後はホルモン補充で通常通り生活できます。

どの病院を受診すれば良いですか?

甲状腺専門医による初期診断が重要です。当院でも対応します。

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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

23/06/2025