糖尿病内科

本当は怖い脂肪肝

11/10/2016

脂肪肝は恐ろしい

肝臓は沈黙の臓器

肝臓は沈黙の臓器といわれます。体内にある臓器のうち質量が最も重く食事に含まれる成分の分解や疲労の回復など、体調を整える重要な役割があります。肝炎などの症状が進んでも痛みなど苦痛が出にくく治療が遅れることもあるからです。このような肝臓の治療戦略が変わろうとしています。これまで肝臓がんの原因の大半を占めていたウイルス性肝炎の治療薬が登場したためです。

ウイルス性肝炎は治る時代

C型肝炎ウイルスを体内からほぼ取り除ける米製薬企業による治療薬の販売が2015年から始まりました。まだウイルスをほぼ取り除いた後に病気の進行が止まるかどうかは不明であるという指摘もありますが、今後はウイルス性肝炎が原因となる肝臓がんの患者が抑えられると期待されています。

今後は脂肪肝による肝臓癌が増える

ウイルス性に代わって患者の増加が心配されるのが脂肪肝による肝臓癌です。肥満や高齢化で脂肪肝になる患者が増えれば、脂肪肝から肝臓がんになるケースが増加する恐れがあります。脂肪肝は自覚症状が乏しく進行性かどうかを見分けにくいため治療が遅れることも多いです。脂肪肝に向けた新しい診断や治療薬の開発が期待されています。糖尿病患者に脂肪肝が隠れていることは多く、肝細胞癌の原因になりえます。地雷のようなものです。腹部に埋められた地雷を除去したくありませんか?

いくつかの糖尿病薬が脂肪肝の治療に有効であるとされています。例えば、SGLT2阻害薬です。イプラグリフロジンルセオグリフロジンなどが脂肪肝を改善するデータがあります。

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