糖尿病内科

糖尿病性神経障害の薬物療法

糖尿病性神経障害の薬物療法

糖尿病性末梢神経障害(DPN)は、糖尿病の長期的な合併症の一つであり、神経障害により手足の痛みやしびれ、感覚異常が引き起こされることがあります。DPNに対する治療は、症状の軽減と神経障害の進行を遅らせることを目的としています。以下に、DPNの治療に使用される薬剤の種類と、そのエビデンスについて説明します。

1. 抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬: SSRI、三環系抗うつ薬)

  • : アミトリプチリン、デュロキセチン

  • 作用機序: これらの薬剤は、セロトニンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害することにより、痛みの感受性を低下させます。

  • エビデンス:

    • アミトリプチリン: アミトリプチリンはDPNによる痛みの軽減に有効とされています。複数の臨床試験で、アミトリプチリンは痛みの改善に役立つことが示されていますが、副作用(口渇、眠気、便秘など)が報告されています。

    • デュロキセチン: デュロキセチンはSSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)で、DPNによる痛みに対して有効性が確認されています。特に痛みの軽減に関するエビデンスが多く、FDAにも認可されています。

2. 抗けいれん薬(ガバペンチン、プレガバリン)

  • : ガバペンチン、プレガバリン

  • 作用機序: 神経の過剰な興奮を抑制し、痛みの伝達を遮断します。

  • エビデンス:

    • ガバペンチン: ガバペンチンは、神経障害性疼痛に対して効果的であることが多くの研究で示されています。痛みの軽減やしびれの改善に有効です。

    • プレガバリン: プレガバリンは、DPNによる神経障害性疼痛に対して非常に効果的であり、FDAに承認されています。プレガバリンは、痛みの軽減だけでなく、睡眠の質向上にも寄与します。

      ガバペンチンは、プレガバリン、デュロキセチンより改善度が高い。プレガバリンとデュロキセチンは差なし
      副作用は、ガバペンチン(1.7%)、プレガバリン(6.7%)と比較して、デュロキセチン(23.3%)で頻度高い。
      J Diabetes Complications. 2025 Apr;39(4):109001.

3. カルシウムチャンネルブロッカー

  • : リリス、フェニルエチルアミン

  • 作用機序: 神経伝達を調節し、痛みを軽減します。

  • エビデンス:

    • 複数の研究でカルシウムチャンネルブロッカーの有効性が示唆されていますが、主に症例ごとの効果が異なるため、他の治療と併用されることが多いです。

4. オピオイド(モルヒネ、オキシコドン)

  • : オキシコドン

  • 作用機序: 中枢神経系に作用して痛みを抑えます。

  • エビデンス:

    • オピオイドは強力な鎮痛効果がありますが、依存症のリスクや副作用が大きいため、DPNの治療には慎重に使用されるべきです。

5. 局所治療薬(リドカインパッチ、カプサイシンクリーム)

  • : リドカインパッチ、カプサイシンクリーム

  • 作用機序: 局所的に神経の痛みを緩和する。

  • エビデンス:

    • リドカインパッチ: 神経痛に対して局所的に有効で、局所的な麻酔作用を通じて痛みを軽減します。

    • カプサイシンクリーム: カプサイシンは痛みの伝達を減少させ、痛みを緩和します。使用後の効果は時間がかかることがあります。

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