【要点まとめ】
- インスリンポンプ療法(CSII)は、24時間持続的にインスリンを注入する治療法です。
- ボタン操作で追加インスリンも投与でき、血糖コントロールの精度が向上します。
- 血糖変動が大きい方、妊娠中、小児などに特に有効です。
インスリンポンプ療法(CSII)とは
CSII(Continuous Subcutaneous Insulin Infusion)は、携帯型のインスリンポンプを使って、皮下に留置したカニューレから超速効型インスリンを24時間持続的に注入する治療法です。
食事の際には、ボタン操作で追加インスリン(ボーラス)を投与できます。より自然なインスリン分泌に近づけることで、血糖コントロールの精度を高められます。
CSIIの種類
CSIIには以下の2種類があります:
- CSII単独型:インスリンポンプのみを使用
- SAP型(Sensor Augmented Pump):持続血糖モニタリング(CGM)機能を追加
日本国内で使用されている主な機器:
- ミニメド™780Gインスリンポンプ(日本メドトロニック)
- メディセーフウィズ(テルモ)
- ミニメド™780Gシステム(SAP型)
CSIIのメリット
① 基礎インスリンの細かな調整が可能
時間帯ごとに注入量を細かく設定でき、夜間の低血糖や早朝の高血糖(暁現象)にも対応しやすくなります。
② 食事インスリンの柔軟な投与
内容や量に応じて0.1単位刻みで追加投与ができ、食事や生活パターンの変化に柔軟に対応できます。
③ 注射回数の軽減
1日数回の注射が必要な従来療法に比べて、2~3日に1回のカニューレ交換で済むため、患者の負担が軽減されます。
適応となる方
CSIIは以下のような方に適しています:
- 血糖変動が大きく、コントロールが困難な方
- 夜間低血糖や暁現象が頻繁な方
- 妊娠中、または妊娠を希望される方
- 小児・思春期の方
- より正確な血糖コントロールを希望される方
ご相談ください
しもやま内科では、インスリンポンプ(CSII)療法の導入を希望される方に、適切なアドバイスと継続支援を行っています。
関心のある方は、お気軽にご相談ください。
関連情報
- 劇症1型糖尿病とは|診断基準・治療・症状を専門医が解説
- 緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)とは|症状・診断基準・治療を専門医が解説
- 1型糖尿病: きめ細やかな治療が必要
- 1型糖尿病
- CGM
- インスリンポンプ療法 CSII
- カーボカウントのやり方と計算方法|糖尿病管理をサポート|しもやま内科(船橋市)
- SAP:センサー付きインスリンポンプ療法を始めてみませんか
- センサー付きインスリンポンプ療法(SAP療法)のよくある質問と回答
- カーボカウントとは?糖尿病の食事療法Q&A|しもやま内科(船橋市)