イミダプリルは高血圧患者のインスリン抵抗性と線溶能をカンデサルタンよりも改善する

26/11/2009

イミダプリルは高血圧患者のインスリン抵抗性と線溶能をカンデサルタンよりも改善する

ARBとACEIの使い分けに関して過去の記事で触れてきたが、興味の尽きないテーマである。ACE阻害薬はACEを阻害してブラジキニンの不活化を抑制する作用、ARBにはAT1受容体を直接阻害してAT2受容体を刺激する作用がある。この違いが両者の薬理作用の違いをもたらしている。

ブラジキニンは一酸化窒素(NO)、プロスタサイクリン、プラスミノーゲン・アクチベータ(tPA)の産生増加させるなどして血管新生促進作用を持つ。この違いが作用の違いとなって現れてくると思われるが、アンギオテンシンⅣの関与もある。

アンギオテンシンⅣとはどんな物質だろうか?まずアンギオテンシンについておさらいする。

アンギオテンシノーゲンからレニンの作用によってアンギオテンシンI が作り出され、これがアンギオテンシン変換酵素の働きによってアンギオテンシンII に変換される。但し、アンギオテンシンIは昇圧作用を有さない。アンギオテンシンIIが最も活性が強い。(アンギオテンシンIIIはIIの4割程度の活性で、IVは更に低い)。とある。活性は弱いらしい。既報にはこんなものがある。

高糖濃度下培養ラットメサンギウム細胞におけるplasminogen activator inhibitor-1発現に及ぼすアンギオテンシンIVの影響

坊内良太郎、馬場園哲也、村田秀一、岩本安彦

アンギオテンシンIVはメサンギウム細胞のAT4受容体を介し、高糖濃度下のPAI-1発現を相加的に増加させることによって、糖尿病性糸球体硬化症の発症・進展過程に関与する可能性が示唆された。

イミダプリルは誤嚥性肺炎の予防作用で有名だが、今回の報告を受けて再評価されるだろう。