体重管理の大切さ
メタボリックシンドロームの方が増えています。
20歳以上の男性で、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者は約2割、その予備群と考えられる者もさらに2割程度いることが、平成17年国民健康・栄養調査により報告されています。さらに50代以上の男性では、2人に1人の割合でメタボリックシンドロームが強く疑われる又はその予備群であることが示されています。
女性の「やせ」も問題です。
20歳以上の女性では、それぞれ合わせて約2割と男性の半分程度と少なめですが、一方で肥満度(BMI)が18.5未満の「低体重(やせ)」が20~30代で約2割と多いことが示されています。
日本肥満学会では、肥満度を示す指標として世界中で用いられているBMI(Body Mass Index:ボディマスインデックス)を使用し、BMI18.5未満を「低体重」、18.5以上25未満を「普通体重」、25以上を「肥満」と定義しています。また医学的に最も病気のリスクが少ないBMIを22として「標準体重」又は「適正体重」としています。
BMIは現在の体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったものです。例えば現在体重が60kgで身長が170cmの男性の場合は、60÷(1.70)2でBMIは20.8となります。また170cmの男性の「標準体重」は22×(1.70)2となり、63.6kgになります。
平成17年の国民健康・栄養調査では、15歳以上の男女に「やせすぎや太りすぎでない体重を維持すること」についての意識調査をしています。その結果「改善したい」と思っている者の割合のピークは男女とも40代で、男性が53%、女性は58%。また男性は20代から増え始めるのに対して、女性はすでに10代後半で半数以上が「改善したい」と思っていました。一方で実際には男女とも20~30代では全体の7割が「普通体重」であるため、多くの者で適正な体重認識が出来ていないと考えられます。
体重管理が本当に必要なのかを最初に見極める。
適切なダイエットや体重コントロールは、まず自分にとってそれが本当に必要かどうか診断することから始めましょう。すでにBMI18.5以上で標準体重である22程度である場合、特別な体重コントロールは必要ありません。またBMIが25未満であっても、以前よりも体重が増加気味という方やすでにBMIが18.5未満又は25以上の方は、適正体重を達成するために食事の内容を見直しましょう。
そしてダイエットを始める前に、食事記録をつけてみるのも良いでしょう。「水を飲んでも太る!」と考えている人ほど、無意識に食べている食品の多さに気がつくはずです。またダイエットや体重コントロールというと、すぐ極端に食事量を減らすことを考える方も少なくないと思いますが、食事のみよりも運動を併用するほうがより効果的です。食事内容を見直す上では、ご飯やパンなどの主食を減らしておかずを中心に食べる、ダイエット食品を利用するなどの偏った食生活ではなく、主食・副菜・主菜のバランスを考え、調理法や菓子・アルコールなどのとり方を見直してみましょう。そしてすぐの効果は期待せず、また途中であきらめずに半年や1年かけて現在の体重を5~10%減らすことを目標にするとよいでしょう。