合併症の早期サイン(嗄声・口周囲のしびれ/手足のつり・首の急な腫れ)に注意。退院後は創部清潔・鎮痛・カルシウム指示の遵守、異常時は早めに連絡を。

1. 主な合併症リスク
- 反回神経麻痺:嗄声・誤嚥感。片側でも声の出しづらさ、電話で相手に指摘される等。
- 低カルシウム血症:口周囲のしびれ、指先のピリピリ、手足のつり(テタニー)。
- 術後出血・血腫:首の急な腫れ・圧迫感・呼吸苦は緊急連絡。
- 創部感染:発赤・熱感・腫脹・排膿、発熱。
- その他:瘢痕肥厚、甲状腺機能の変動(補充が必要になる場合あり)。
2. 手術前後の流れ(要約)
- 術前評価:採血・エコー、内服/既往の確認(抗凝固薬・抗血小板薬・甲状腺薬)。
- 入院~手術:説明と同意。必要時ドレーン管理。
- 退院指導:鎮痛、創部ケア、注意すべきサイン、連絡先を再確認。
3. 退院後のケア
- 創部:清潔保持。指示期間は浴槽/プールを回避、シャワー中心。紫外線/摩擦を避ける。
- 痛み:処方鎮痛薬を適切使用。長引く痛みや腫れは受診。
- 内服:カルシウム/ビタミンDの指示がある場合は順守。ホルモン補充の有無は指示通りに。
- 活動:重い物持ち・激しい運動は段階的に再開。頸部の過伸展は当面控えめに。
- 受診・連絡目安:嗄声が続く、しびれ・痙攣、37.5℃以上の発熱/膿、首の急な腫れ・呼吸苦は早期受診。
4. よくある質問(FAQ)
声がかすれています。どれくらいで戻りますか?
一過性のこともありますが、持続する場合は声帯評価を検討。早期からの発声リハビリで改善が期待できます。
しびれが出たらカルシウムを追加すれば良い?
医師の指示量を基本に。症状が強い/改善しない場合は受診して採血で補正します。
いつから運動・入浴・仕事復帰できますか?
軽い散歩は数日で可。浴槽/プールは創部の状態により医師指示に従って再開。仕事/学校復帰は仕事内容によります。
👨⚕️ 執筆・監修
下山 立志(しもやま たつし)
院長/
院長/
しもやま内科
資格:日本甲状腺学会 甲状腺専門医・日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医・日本内科学会 総合内科専門医 ほか
監修領域:甲状腺結節・機能異常・術後フォロー、RAI連携 | 所在地:千葉県船橋市
最終更新日:2025-10-19(JST)
本ページは一般的な解説です。手術術式・施設基準・個別状況で指示は異なります。最終判断は担当医の説明書に従ってください。