甲状腺手術後の低カルシウム対策(しびれ・こむら返りのセルフケア)
手術後のしびれ・こむら返りは低カルシウムが背景にあることがあります。症状チェック、市販Ca・ビタミンDの扱い、
再診の目安、長期管理のコツを整理し、家庭内での安全なセルフケアを支援します。

甲状腺(がん含む)手術の後、口の周りや指先のしびれ・筋けいれん(こむら返り)が出ることがあります。
原因のひとつが低カルシウム血症です。本ページでは、家庭でできる初期対応と、いつ受診すべきかの目安をまとめます。
症状チェック(まず確認)
- 口唇や指先のピリピリ感・しびれが続く
- こむら返りや手足のつり(夜間に増えることも)
- 手がこわばる・筋肉が勝手に収縮する感じ(テタニー)
- 動悸・だるさ・集中しづらさ(他の要因でも起こり得ます)
※呼吸しづらい、意識がもうろう、強いけいれん等は救急受診のサインです。
市販Ca・ビタミンDの扱い(補助的に)
- 処方薬がある場合は処方を優先してください(用量・製剤が最適化されています)。
- 処方がなく軽い症状のみであれば、市販のカルシウム(Ca)やビタミンDを
一時的に補助として用いる選択肢はあります(用量は製品表示どおり)。 - 制酸薬・鉄剤などはCaの吸収に影響することがあります。服用タイミングをずらすと吸収が安定します。
- 症状が続く/強くなる場合は自己判断で増量せず、受診して採血で状態確認を。
再診(受診)の目安
- 上記のしびれ・けいれんが持続する/悪化している
- 市販Ca・ビタミンDを補助的に用いても改善が乏しい
- 手術直後〜数週間で症状が反復する、処方薬の残量・飲み合わせに不安がある
- 症状がなくても、主治医から指示された採血フォローの時期が来ている
長期管理のコツ(再発予防と安心のために)
- 内服のタイミングを一定に(空腹/食後など医師の指示に従う)
- 飲み合わせ(鉄・制酸薬・甲状腺薬など)を整理し、時間を空ける
- 水分・栄養・軽い運動など、筋痙攣を起こしにくい生活を意識
- 再発時に備え、症状メモ(時間帯・誘因・内服状況)をスマホ等に記録
あわせて読みたい(院内ページ)
よくある質問
いつまで症状が出やすいですか?
術後早期に出やすく、時間とともに落ち着くことが多いですが、個人差があります。再発が続く場合は受診して採血で状態を確認します。
カルシウムは飲み続けても良いですか?
自己判断で継続・増量せず、医師の指示に従ってください。長期的には採血で安全域を確認しながら調整します。
ビタミンDは必要ですか?
併用が有用な場合があります。適切な用量・期間は個別に判断しますのでご相談ください。
市販薬と処方薬の併用は?
重複や飲み合わせの問題が起こることがあります。必ず服用中の薬・サプリをリスト化して外来で確認してください。
ご相談は しもやま内科(船橋市)
お電話:047-467-5500 / アクセス
この記事の監修医師
しもやま内科 院長 下山 立志(日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本老年医学会 老年病専門医・指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医)
しもやま内科 院長 下山 立志(日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本老年医学会 老年病専門医・指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医)