- 典型: 起床時・寝返り・上を向く動作で数十秒の回転性めまい(吐き気を伴うことあり)
- 多くは耳の耳石のずれが原因。自然軽快も多いが再発しやすい
- 危険サイン: 強い頭痛・手足のしびれ/脱力・ろれつ障害・複視・持続的な歩行困難 → 迷わず救急受診
- 当日検査: 採血・心電図などで内科的原因(不整脈・貧血・脱水・低血糖など)もチェック
- 電話: 047-467-5500(しもやま内科|船橋市)
BPPVは、寝返りや起き上がりで数十秒のぐるぐるするめまいが出る病気です。多くは耳石のずれが原因で、内科的な危険な病気との見分けが重要です。

BPPVの原因
内耳(三半規管・耳石器)内で、耳石が剥がれて半規管内に入り込み、頭位変換で内リンパが異常に流れることで生じます。加齢、寝不足、脱水、長時間の同一姿勢、軽微な頭部外傷後などがきっかけになります。
症状の特徴
- 寝返り・起き上がり・上を向く/下を向く動作で数秒~数十秒の回転性めまい
- 吐き気、冷や汗を伴うことがあるが、発作間欠期は比較的落ち着く
- 難聴や耳鳴りは通常目立たない(別疾患を示唆することあり)
危険サイン(救急・速やかな受診が必要)
- 激しい頭痛、ろれつ障害、手足のしびれや脱力、複視、意識障害
- めまいが持続的に何時間も続く、歩けないほどのふらつきが持続する
- 胸痛・動悸・失神など心血管症状を伴う
診断(内科での初期評価)
- 問診・神経内科的スクリーニング(危険サインの有無)
- Dix–Hallpike試験(後半規管型の誘発)や頭位眼振の観察
- 採血・心電図:貧血、脱水、電解質異常、不整脈、低血糖などの内科的鑑別
- 必要に応じ耳鼻咽喉科・脳神経外科へ連携
治療と対処
耳石置換法(Epley法など)
- 医療者の指導の下で実施。頸椎症・高度の腰痛・整形外科疾患がある方は事前に相談
- 施術後は数日間、誘発姿勢を避ける・睡眠時の頭位をやや高く保つなどの注意
薬物療法
強い吐き気・嘔吐に対して短期的に制吐薬やめまい止めを用いることがあります。長期の連用は推奨しません。
ご自宅での再発予防
- 十分な睡眠・水分摂取、過度な長時間同一姿勢を避ける
- 軽い体操(首は無理なく)や日中の活動性アップ
- 再発時は無理をせず受診。自己流の激しい操作は避ける
耳鼻科と内科の役割
典型的なBPPVは耳鼻咽喉科が専門ですが、内科では危険な内科疾患の除外(不整脈、貧血、低血糖、脱水、脳血管リスク評価)と全身管理を行います。必要に応じて耳鼻科へ連携し、再発予防の生活アドバイスまで包括的に対応します。
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よくある質問
自然に治りますか?再発は?
多くは数日~数週間で改善しますが、再発は比較的よくあります。生活リズムの見直しと適切な頭位の注意で再発リスクを下げられます。
市販薬で治せますか?
吐き気止めなどで楽になることはありますが、原因の耳石を戻すには耳石置換法が有効です。まずは安全性を確認のうえ受診をおすすめします。
運転や仕事はいつ再開できますか?
強いめまいが誘発される間は運転は控えてください。ふらつきが解消し、誘発がないことを確認してから再開します。
寝る向きや枕の高さに注意はありますか?
発症直後は誘発する向きを避け、枕をやや高くすると楽なことがあります。個別にご相談ください。
高齢者や頸椎症があるときの注意は?
無理な頭部回旋は避け、医療者の指導の下で安全に実施します。必要に応じて方法の調整を行います。
耳鼻科を受診したほうがよいのは?
難聴・耳鳴りを伴う、めまいが長時間持続する、眼振所見が非典型などの場合は耳鼻科連携を検討します。
めまい以外の内科的病気が隠れていることは?
不整脈、低血糖、貧血、脱水、脳血管リスクなどが背景にあることもあります。内科で全身評価を行います。
👨⚕️ この記事の監修医師
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本老年医学会 老年病専門医・指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。
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