- 再発チェックは 頸部エコー と サイログロブリン(Tg)+抗Tg抗体 が軸。
- エコーは術後半年→以降は年1回を基本(リスクで調整)。
- Tgは抗Tg抗体が陰性で信頼性向上。上昇時は追加検査を検討。
- 高リスクやTg上昇時は 放射性ヨウ素シンチ(必要例) も選択。

甲状腺がんは比較的予後の良いがんですが、術後も一定の再発リスクがあるため、計画的なフォローアップが重要です。当院では、頸部エコー と 血液検査(Tg・抗Tg抗体) を中心に、必要に応じて放射性ヨウ素シンチや画像検査を組み合わせ、個別のリスクに応じた管理を行っています。
再発リスクとフォローの考え方
- 高リスク(リンパ節多数転移・遠隔転移・高度浸潤など):密な間隔で追跡、必要に応じてRIシンチやCT。
- 中リスク(少数転移・被膜浸潤など):年1回以上のチェックを基本。
- 低リスク(微小乳頭癌を含む完全切除例):年1回程度の簡易フォローで十分な場合あり。
検査の流れと頻度
1)頸部エコー
術後半年以内に1回、以後は年1回が目安(リスクで調整)。再発の多くは頸部リンパ節に起こるため、超音波での定期観察が有効です。
2)サイログロブリン(Tg)+ 抗Tg抗体
Tgは甲状腺組織由来蛋白で、甲状腺組織が残存しない場合には再発マーカーとして有用です。抗Tg抗体が陽性だとTg値の解釈が難しくなるため、必ず同時測定して信頼性を担保します。
3)放射性ヨウ素シンチ(必要例)
高リスク例、あるいはTg上昇など再発が疑われる状況で実施を検討します。全身の集積評価により遠隔転移の検出に有用です。
再発を疑うサインと追加対応
- 頸部リンパ節腫大や触知異常
- 抗体陰性下での Tg 上昇傾向
- 骨痛・呼吸苦など遠隔転移を示唆する症状
これらがみられる場合は、CT/MRI/RIシンチ 等の追加検査や専門施設との連携を速やかに行います。
受診・ご相談はこちら(初診の方もご相談可)
しもやま内科(船橋市)|甲状腺・内分泌・循環器
※検査の空き状況により当日エコーも可。まずはお電話でご相談ください。
関連ページ
しもやま内科(船橋市芝山)では、頸部エコー・血液検査を院内で実施。必要時は船橋市立医療センター等と連携し、術後の再発チェックを切れ目なくサポートします。
よくあるご質問
通院頻度はどのくらいですか?
リスクに応じますが、一般的には年1回以上の診察・エコー・血液検査を基本とします。高リスク例はより短い間隔で追跡します。
Tgが少し高いと必ず再発ですか?
必ずしも再発ではありません。抗Tg抗体の有無や推移を併せて判断し、必要に応じ追加検査を行います。
放射性ヨウ素シンチは全員に必要ですか?
いいえ。高リスク例や再発が疑われる場合など、必要性を検討のうえで実施します。
👨⚕️この記事の監修・信頼性(E-E-A-T)
監修医師:
下山 立志(しもやま たつし)|しもやま内科 院長
下山 立志(しもやま たつし)|しもやま内科 院長
- 日本内科学会:認定内科医・総合内科専門医
- 日本糖尿病学会:専門医・指導医
- 日本循環器学会:循環器専門医
- 日本老年医学会:老年病専門医・指導医
- 日本甲状腺学会:甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患と循環器疾患を中心に、地域のかかりつけ医として長年診療に従事。
船橋市で頸部エコー・採血(甲状腺ホルモン・自己抗体・腫瘍マーカー)等を院内実施し、必要時は専門病院と連携しています。
執筆・編集:しもやま内科 Web編集チーム(医師レビュー必須)
監修:下山 立志(最終確認・医学的妥当性の担保)
*医療情報は医師監修のもと、臨床的な有用性・患者さんの理解容易性を重視して更新しています。
監修:下山 立志(最終確認・医学的妥当性の担保)
*医療情報は医師監修のもと、臨床的な有用性・患者さんの理解容易性を重視して更新しています。
連携医療機関
- 船橋市立医療センター(必要時の精査・手術依頼 ほか)
- 大学病院(RAI治療・高度検査 等の紹介連携)
外来・検査体制
- 頸部エコー/採血(甲状腺ホルモン、TSH、Tg、抗Tg抗体 等)院内実施
- 必要時:CT・RIシンチ・精査は連携先へ速やかに紹介
ご相談:☎ 047-467-5500
出典・エビデンスの取り扱い
- 国内外の学会ガイドライン・レビュー論文・教科書を主出典とし、臨床上の実践ポイントを注記します。
- 最新性に配慮し、改訂や新エビデンス出現時は速やかに更新します。
- ページ内に個別出典を必要に応じて明記します(例:日本甲状腺学会ガイドライン 等)。
ご留意ください
- 本ページは一般情報の提供を目的とし、個々の診断・治療を直接指示するものではありません。
- 持病・内服・妊娠など背景により最適解は変わります。気になる症状や検査結果がある場合は受診の上ご相談ください。